レースレポート
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2013 SUPER GT 特別戦 11月22日〜24日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×22周)
11月22日 : 晴れ/ドライ、8,100人    11月23日 : 晴れ/ドライ:2万3,000人    11月24日 : 晴れ/ドライ:3万9,000人
第1レース:予選9位/決勝8位   第2レース:予選7位/決勝3位   総合結果:6位

カルソニック IMPUL GT-R、第2レースでオリベイラが3位表彰台に

2013年SUPER GT特別戦「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP」は、富士スピードウェイにおいてドライバー別のスプリントレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、第1レースで松田が終盤に接触もあり8位フィニッシュ。第2レースではオリベイラがスタートを決めて3位表彰台を獲得した。

事前のフリー走行はなく、23日の朝に行われたそれぞれ20分間の予選で、第1レースに出場する松田は9位、第2レースに出場するオリベイラは7位のポジションを確保した。4回目の開催となるこのイベントでは、決勝レースはスタンディングスタートが採用され、レース中のピットインの義務づけもない。

15時35分、気温13℃、路面温度15℃と肌寒いコンディションのなかでスタートした第1レース。松田は好スタートを決めて1コーナー過ぎでは6位へ。さらにヘアピンで5位まで順位を上げてオープニングラップを終了。さらに3台による2位争いのグループを追いかけた。しかし昨年のデータで組んだギヤ比が合わず、思うようなペースアップができず苦戦。5周目には6位へ順位を落としてしまった。それでも松田はなかなか思うようにグリップしないタイヤに手こずりながらも、中盤には日産勢最上位となる6位をキープしていた。

しかし終盤17周目には後続からの追撃を受け、20周目には#23 GT-Rに背後に迫られた。21周目の1コーナーでインを奪おうとした#23 GT-Rとブレーキング競争を繰り広げたが、#23 GT-Rがバランスを崩して2台は接触し、この隙に2台はそれぞれひとつポジションを落とした。松田は右フロントバンパーを破損しながらも必死の走りを見せたが、ファイナルラップに#23 GT-Rにかわされ8位でフィニッシュ。残念な結果とはなったが、このレースで得られたデータを元に翌日に行われる第2レースのために車両の修復とセットアップがなされることになった。「GT-R同士の接触は仕方がない。このレースで厳しいなりに方向性が見えたので、明日はJPがきっといいレースをしてくれると思います」と松田は前向きに語った。

24日のお昼前には、イベント恒例の「LEGEND CUP」が開催。今年はふたりのドライバーが組み、ワンメイクレース車両で10周レースを行うというものになった。23台の参加車両のなかで最も注目を集めた1台は、星野一義・一樹親子が組んだ60号車。まずはスタートを担当したのは一樹で、レース前に宣言していたとおり(!)に見事な反則スタートを決めた。これに対し「父(一義)からの訓戒処分」が発表され、場内は大爆笑に包まれた。当初は一樹が9周、一義が1周という作戦だったが、7周で一樹がピットイン。ここでドライバーが代わったもののエンジンがなかなかかからず、さらに一義監督がスタートから“全開”で行ったために、ピットロードのスピード違反により“3,600秒”(60分)のペナルティが加算されてしまい結果は21位。それでも星野親子は和気あいあいと引き上げていった。

このイベントの最終レースとして開催された第2レースは、24日の15時35分にスタート。前日同様快晴で、気温14℃、路面温度15℃とコンディションも前日同様だ。ここで最高のスタートを切ったのはオリベイラ。7番グリッドからドンピシャのタイミングで1コーナー立ち上がりでは3位まで大きく躍進した。しかしトップの2台には逃げられ4位の車両に追われる苦しい展開。オリベイラはこのGTレースの前に出走したフォーミュラレースで路面状態を把握しており、タイヤマネジメントをしながらドライブ。徐々に4位の車両との差を引き離しながら単独走行に持ち込んでいった。

中盤から後半にかけてもオリベイラは危なげないレースを展開。そのまま3位をキープして22周を走りきりチェッカーを受けた。ここ2戦ほどミスでレースを落としていただけに、マシンを降りたオリベイラの表情には久しぶりの笑顔と自信が戻って来た。今年最後のレースを終えて8位と3位で総合では6位で、NISSAN GT-R勢では最上位の成績を収めた特別戦。今年の悔しさはきっと来年の糧となるはずだ。

松田次生
「優勝した車両よりも柔らかいタイヤを選んで出たのですが、ギヤ比が合ってなかったことと合わせて苦しいレースになりました。ただ改善策は出たので、JPのレースではきっといい結果が残ると思います。今年は終盤までチャンピオン争いをしてこれたのですが、残念ながらタイトルには手が届きませんでした。来年は『今年こそ』という気持ちで戦います。一年間の応援、ありがとうございました」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「前のフォーミュラのレースでスタートを失敗していましたので、GTではスタートにすごく集中していました。今日のレースはあれがすべてですね。クルマ的にはライバルにかなわない部分がありましたが、それなりにタイヤマネジメントをしながらひとつもミスをすることなく走りきることができました。来週はNISMO FESTIVALがあります。みんなリラックスして楽しめると思いますので、ぜひ会いに来てください!」

星野一義監督
「今年はシーズン途中までラッキーなポイント上位にいることができたけれど、やはり足りない部分がいくつもあった。こんな成績では気持ちが収まらないけれど、今日はJPが最後の最後にいいレースをしてくれたね。来年は『日産』、そして『IMPUL』の年にするつもりで戦います。僕自身、今からギラギラしていますから、ぜひ来年も青いGT-Rの応援をよろしくお願いします!」


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