レースレポート
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2013 SUPER GT 第3戦 6月15日〜16日 セパン・サーキット(1周:5.543km×54周)
6月15日 : 曇り/ドライ 4万1,000人(コンサート入場者を含む)    6月16日 : 曇り/ドライ 6万7,000人
予選1位 / 決勝1位   ドライバー部門:松田次生、J.P.デ・オリベイラ=2位/31点、チーム部門:2位/40点

カルソニック IMPUL GT-R
ポールtoフィニッシュで3年ぶりにセパン制覇!

2013年SUPER GT第3戦は、灼熱のマレーシア、セパンでの開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、ポールポジションからスタートして、松田がいったんトップを譲るもピットワークが完璧に決まり、相手のトラブルもありオリベイラがトップに躍り出た。そしてそのままリードをキープしてトップチェッカー。今季初優勝を飾りランキング2位に浮上した!

毎年梅雨時の恒例イベント、シリーズ唯一の海外ラウンドはマレーシアのクアラルンプール国際空港に隣接するセパン・サーキットで開催された。2000、2001年の非選手権レースを含めこれまで12回のGTレースが開催されているが、日産車はこれまで6勝を挙げており、またTEAM IMPULも2010年に優勝するなど相性の良いコースだ。気温は30℃、路面温度は40℃を超える真夏のようなコンディションであるため、決勝レースでいかにタイヤを労る走りができるかが鍵となる。

15日にはセパン恒例の星野一義監督誕生パーティが開催された。7月1日に66歳になる星野監督だけでなく、3日後の6月18日に34歳となる松田、7月13日に32歳を迎えるオリベイラ、ふたりのドライバーも一緒にお祝い。「37歳になった星野です」と監督が笑わせれば、「僕も37歳です」と松田が合わせ、オリベイラも「ニジューナナサイ」と答え、ドライバーや報道陣、関係者がつめかけた会場は笑いで包まれた。

15日午後に行われた公式プラクティスで#12「カルソニック IMPUL GT-R」は、トップから0.670秒遅れの9位とつまづいた。しかしセッティングを変更して臨んだノックアウト予選では、Q1で松田がトップタイムをマーク。さらにQ2ではオリベイラが完璧なアタックを決めてポールポジションを獲得。その瞬間プラットフォームでは星野一義監督が雄叫びを上げた! 「次生が前半区間で速くQ1でトップを取った時にポールは取れると確信しました。決勝レースは暑くなると思いますし、長い距離でタイヤマネジメントをしっかりやらないといけないタフなレースになると思います」とオリベイラは決勝レースをイメージしながら話した。

16日の午後に行われたフリー走行で#12 GT-Rは6番手のタイム。しかも2〜4位をミシュランタイヤ勢が占めた。これらのことからも、すべてにおいてノーミスが要求されるタフなレース展開が予想された。そして54周の決勝レースは、曇り、気温32℃、路面温度40℃というコンディションで、16時にフォーメーションラップがスタートした。ドライバーの松田はグリーンシグナルと共にトップを守ってターン1へ。しばらく2位に猛チャージを受けるが、うまくラインを押さえてトップを死守した。

6周目のバックストレート手前のターン14で2位争いの2台が接触し、これで松田は2位以下にリードを広げて逃げる展開となった。しかし9周目に2位に上がった#18 HSV-010が、14周目のヘアピンカーブであるターン9で松田に追いついた。松田はバックマーカーを巧みに利用しながらこれを押さえていたが、18周目のターン14でやや膨らんだところでインを突かれトップを譲ることになった。

25周目、予定していた周回数で松田がピットイン。迅速かつ完璧な作業でオリベイラを送り出すことに成功した。翌周トップの#18 HSVがピットインするも、ピットアウトする際にエンジンがかからず20秒ほどをロスしてしまった。これでトップに躍り出たオリベイラは、しばらくバックマーカーに引っかかることもなく2位の#39 SC430に5秒以上のリードを築いた。後半オリベイラは2位に2.8秒差まで迫られたが、冷静にその距離をつかみ、時にはプッシュしてまた間隔を空けてタイヤを労るというようなクレバーな走りで2位との差を3秒ほどに保ち、危なげない走りでトップチェッカーを受けた。昨年の第6戦・富士以来のポールtoフィニッシュで、セパンでは3年ぶりの優勝。20ポイントを加算してランキングもトップと4点差の2位に浮上した。

星野一義監督
「今日はうちのチームが持ってる力を最大限に出し切ったレースだったね。完璧な状態でも勝てない時はあるけど、よく優勝した。これからもウェイトやタイヤの違いなどで、いろいろな展開が出てくるだろうけれど、うちはもっとレースをするよ。つまりすべてのレースで常に競争していくという意味ね。そして結果としてご褒美がついてくれればいいよ」

松田次生
「スタートをきちんと決めることができましたが、タイヤのライフを考えるとペースアップすることもできず、ブレーキング時のオーバーステアに悩まされました。しかしピットでは迅速な作業でトップに戻ることができました。決して手放しで喜べるようなレース内容ではありませんでしたが、こんな時に優勝できたことは大きいです。これからもちゃんとクルマを仕上げてノーミスで戦っていきたいと思います」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「序盤後方ではアクシデントやトラブルも起き、ポールポジションの重要性を改めて感じました。次生は素晴らしい走りをしてくれましたし、チームワークのおかげでいいピットストップになりました。そして僕がコースに戻って2〜3周はクリアアップが取れたことも大きな要素でした。これから大切なのは安定性。ポイントを確実に稼ぐことです。このままチームワークもドライバーもミスを増やさないこと。これには自信があります。チャンピオンを獲れるよう頑張っていきます」

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