カルソニック IMPUL GT-R、GT-R勢最上位の5位ゴール

2013年SUPER GT第2戦は、ゴールデンウィーク序盤に富士スピードウェイにおいて500kmレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選6位からジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがスタートして4位へ順位を上げて松田次生に交代。このピット作業に時間を要し6位へポジションを落としたが、2度目のピットインで逆転し5位へ上がった。この順位をオリベイラが守り切り、GT-R勢最上位となる5位でゴールした。

ゴールデンウィーク前半3連休にスケジューリングされた第2戦は、恒例の500kmレース。通常の300kmより長いため、ドライバー交代も2回行われるが、そこでピットワークのミスをしないことが肝心だ。予選日は朝から好天に恵まれ雪を頂いた富士山も美しい姿を見せた。気温18℃、路面温度33℃というコンディションの中始まった予選は、まず松田がGT-R勢トップとなる1分32秒045で3位につけてQ2進出を決め、そのQ2ではオリベイラが松田のタイムを上回る1分32秒031をマークするもこのセッションの順位は6位となり、決勝の6番グリッドが確定した。

決勝日の朝に行われたフリー走行では3位につけ、決勝に向けてのセッティングの確認もまずまず。そして前日に引き続き晴天の富士は、気温20℃、路面温度32℃という絶好のレース観戦日和となった。カルソニックカンセイの新社長に就任したばかりの森谷弘史代表取締役、細川光作専務がピットを表敬訪問し、星野一義監督を激励した。

14時03分、シグナルがグリーンに変わり110周のレースがスタート。ここでオリベイラの右側からスタートダッシュを決めた#1 GT-Rが4位に浮上するも先頭グループは大混戦。オリベイラはプリウスコーナーで#1 GT-Rを抜き返すと、直後の最終コーナーではオリベイラの背後でHSV-010同士の接触事故が起きるなど波乱の幕開けとなった。

トップの車両からオリベイラまでは5秒ほどの差で、6台が連なるようにして周回を重ねて行った。19周目の1コーナーで4位走行中の#23 GT-Rがストップ。これで5位に順位を上げたオリベイラだったが、周回遅れの車両もありトップとは10秒以上の差が開いていた。前を走る4台、そしてオリベイラの背後の1台はすべてSC430。その中でオリベイラは自分のポジションを守り38周でピットインした。ところが序盤の激しいポジション争いの時か、給油口カバーの把っ手が壊れており、カバーを工具で外すなど10数秒の時間を要すこととなった。このタイムロスのために、交代した松田がコースに戻ったのは直前まで6位を走っていた#37 SC430の後ろ。この時点でトップ5をSC430が独占する形となったが、松田は諦めずに#37 SC430の後方3秒以内から離されることなくミスのない走行を続けた。

76周終了で2回目のピットイン。ここではミスのない完璧なピットワークで、他のチームより3秒近くタイムを削ってオリベイラをコースへ送り出した。結果#37 SC430を逆転！　オリベイラは81周目には1分33秒355とこの時点での最速ラップをマークして追撃をかわした。終盤#37 SC430に接近されることはあったが、並ぶことさえ許さずSC430のトップ5独占を阻止して5位でチェッカー。GT-R勢のトップとして意地を見せるレースとなった。

星野一義監督
「ドライバーもスタッフもミスなくマシンのポテンシャルを引き出して完璧なレースをしてくれた。しかし5位という結果が我々の現時点での実力。これから表彰台、優勝を目指すためにはミーティングをしっかりやってクルマを作りこんでいかなければならない。他のチームのウェイトが重くなってから反撃するなどと言っていられないし待ってられない。戦闘力がもっとアップするよう頑張って行くよ」

松田次生
「クルマもタイヤもいいフィーリングで走れました。最初のピットで不運なことに時間を要してしまい37号車を追う立場になりましたが、その差を詰めていけばと思いプッシュしました。2回目のピットは完璧でしたね。やはりSCの上位独占だけは阻止したかったし、意地の走りをしました。こういう苦しい時にポイントを取っていけばシリーズ終盤までチャンピオン争いに絡めると思います。必死で食らいついてミスなく走っていきたいと思います！」