レースレポート
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2013 SUPER GT 第7戦 10月5日〜6日 オートポリス(1周:4.674km×65周)
10月5日 : 雨/ウェット 1万1,600人    10月6日 予選: 曇/ウェット〜ドライ 決勝: 曇/ドライ 2万2,100人
予選5位 / 決勝リタイア   ドライバー部門:松田次生、J.P.デ・オリベイラ=6位/46点、チーム部門:6位/61点

カルソニック IMPUL GT-R、無念のリタイアを喫す

2013年SUPER GT第7戦は、九州の高地コース、オートポリスにおいて300kmレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、予選5位からのスタートから松田が2位へポジションを上げてオリベイラに交代。しかしオリベイラがまさかのスピン&クラッシュを喫しまさかのリタイア。チャンピオン獲得の権利は残したものの、厳しい条件で最終戦を迎えることとなった。

シリーズ終盤を迎え、#12 GT-Rにはダウンフォースを増やすための新しいバンパーが装着され、細かい空力面も見直された。またピックアップが改良された今季3基目のエンジンが投入され、チャンピオン獲得に向け万全の態勢でオートポリス入りした。今回のレースではハンディウェイトが半減され46kgとなった。GT-Rはオートポリスを得意としていることもあり「軽くなってようやくGT-Rらしい走りができるようになった」と松田は予選後に語った。

5日は台風23号の影響で朝から雨。公式練習はスタートしてわずか13分でクラッシュした車両を排除するために赤旗中断に。再開後も雨量が増えたこともあり赤旗中断となり、そのままこのセッションは終了となった。午後も天候が回復しないことが予想されたため、公式予選は翌日の朝に25分間だけのセッションを設けることとなった。

6日の朝は曇り。時おり場所によって霧雨の降るなか9時25分に予選が始まった。最初の10分間でコースの様子を見た各車は全車両がピットインしてタイヤ交換。残り10分となったところで各車再びコースインした。アタックを担当したオリベイラは、セッション終盤にクルマを半分ダートに乗せながらも1分38秒385のコースレコードで暫定トップに立った。しかし直後に4台の車両にタイムを更新されて5位。これでグリッドが確定した。

また九州地区の関連会社である株式会社CKK(大分県宇佐市)の労働組合による観戦ツアーが組まれ、ピットウォーク前にピットビル屋上において星野監督と集合写真の撮影を行った。

14時04分、曇り、気温20℃、路面温度22℃というコンディションで、65周の決勝レースがスタートした。スタートを担当するのはスタート直前に「今日はタイヤを含めてとてもタフなレースになると思います」と語りコンセントレーションを高めていた松田。大きな混乱もなくクリアなスタートが切られ、松田はひとつでも順位を上げようと前の車両のスキを伺うが逆に差を離されてしまいそうな展開となった。しかし周回遅れが出始めた8周目にペースを落とした#18 HSV-010に追いついた松田は、9周目の第1ヘアピンでバックマーカーに前を塞がれた#18 HSV-010と並びこれをパス。さらに10周目の上り区間2位の#23 GT-Rがマシン半分をラフに落とし、最終コーナー手前のスタジアムスタンド区間で#23 GT-Rと#1 GT-Rをかわして2位にポジションアップ! しかし既にトップの#38 SC430は10秒以上も前を走行しており、#12 GT-R、#1 GT-R、#23 GT-Rと3台のGT-Rが隊列を組んでの走行となった。3位に2秒以上の差をつけた松田だったが、21周目の上り区間でバックマーカーに引っかかり再び2位争いが熾烈に。しかし松田は落ち着いてペースアップを果たし単独走行に持ち込んでいった。

25周目あたりで霧雨が落ちて来て、ワイパーを動かす車両の姿が見受けられるようになってきた。30周で松田はピットイン。オリベイラに交代し、実質2位を守ってコースへ復帰した。トップとは14秒ほどの差はあるが、オリベイラの走りをもってすれば追いつくことも可能と思われた33周目の第2ヘアピン。オリベイラがまさかのスピンを喫しイン側のガードレールにクラッシュ! オリベイラは何とかコースへ復帰するが、既にアンダーパネルを落としており、ジェットコースターストレートの先で今度はサンドトラップに捕まり万事休す。何とかピットへ戻って来たが、サスペンションにもダメージを負っており、ここでレースを終えることとなった。「自分のミス。縁石に乗ってしまった」とうなだれるオリベイラ。これで今回はノーポイントとなり、チャンピオン獲得の権利は残しているが、ポイントリーダーとは11点差の6位となり、厳しい条件で最終戦を迎えることとなった。

松田次生
「今回はシリーズの中で一番大事なレースになると気合いを入れて臨みました。5位スタートからどうやって抜いて行こうか考えながら走りました。うまく前の車両をかわすことができて2位まで行けたので、後半はJPが何とかしてくれると期待していたのですが、まさかの結果になりました。何とか前を追いかけようと頑張りすぎたのかもしれませんから、気持ちが分からないでもありませんが。クルマもとても良くなっただけに悔しさ倍増という感じです。チャンピオン獲得の可能性は非常に低くなりましたが、最終戦ではいいレースをして締めくくれるようにしたいと思います」


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