レースレポート
 Rd.1  Rd.2  Rd.3  Rd.4  Rd.5  Rd.6 Rd.7  Rd.8  JAF GP
SUPER GT特別戦
「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」
11月16〜18日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×22周)
11月16日 : 晴/ドライ 8,000人    11月17日 : 雨/ウェット 1万9,000人    11月18日 : ;晴/ドライ 4万1,300人
第1レース(オリベイラ):予選8位/決勝6位 / 第2レース(松田):予選3位/決勝11位 / 総合結果:12位/2.5点

カルソニック IMPUL GT-R、2レースともペナルティを受け総合12位

SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンが同時開催される特別戦「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」は、11月16〜18日に富士スピードウェイにおいて22周(100km)レース×2本として開催。17日の第1レースはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが担当し6位。18日の第2レースは松田次生が担当し11位。2名の結果を合算した総合結果は12位だった。

今年で3回目となる特別戦は、過去2回のイベント同様GT500とGT300を区分し、ドライバー交代や給油もない22周レースとして実施され、スタートも普段のローリングではなくスタンディング方式となる。さらにTEAM IMPULではフォーミュラ・ニッポンにも参戦しているため、チームスタッフは忙しい週末となった。

初日の16日は朝から雲ひとつない日本晴れとなり、霊峰・富士山もその美しい姿を現した。冷たい風が吹き気温10℃の朝10時から1時間の公式練習が行われ、#12「カルソニック IMPUL GT-R」はGT-R勢最上位となる6位のタイムをマーク。午後の公式予選までにセッティングの見直しを行うこととした。第1レース予選はオリベイラが出走。気温は14℃、路面温度は18℃まで上昇している。オリベイラは最初の10分間で5位につけ、いったんピットインしてタイヤを交換し2度目のアタックに。しかしタイムアップは果たしたものの順位は7番手に落とすことになった。第2レースの予選は松田がアタック。最初のタイヤで5番手につけた松田だが、2セット目のタイヤでは最後の最後に0.5秒近いタイムアップを果たして3位につけた。

二日目の富士は朝から冷たい雨が降り始め夕刻に向けて徐々に雨量が増える天候となった。15時15分、強い雨が降り霧で暗いなか、第1レースの決勝レースはスタートした。ここで7番グリッドからホールショットを奪ったのがオリベイラだった! 1コーナーまでにトップを奪うと1周で後続に3.0秒ものリードを築き独走状態に持ち込んだ。ところが最終コーナー手前でスピン。しかしここは大量マージンがあったためトップを守っていた。3周目、オリベイラはジャンプスタートと判断されドライブスルーのペナルティを受けることとなった。4周終了でオリベイラはペナルティを消化し、8位でコースに復帰。7周目に7位に順位を上げると、8周目のヘアピン外側からマシンの挙動を乱しながらも6位に浮上。しかし9周目に入った時点で、天候不良のためにセーフティカーが導入されることとなった。 全車の距離が接近し、これで天候が回復すればオリベイラにはさらなる上位が狙えるはずだが、無情にも雨脚は弱まらず12周周回中に赤旗が掲出されてレースは打ち切り。10周終了時点でレースは成立することとなり、オリベイラは6位という結果となった。

前日の雨も上がり再び朝から晴天となった三日目。往年の名ドライバー20名を集めて行われたワンメイクレース「レジェンドカップ」が今年も開催され、腰痛のために参加を見合わせていた星野一義監督も今年は遂に初出場を果たすこととなった。年齢によりハンディキャップがプラスされ、星野監督の予選結果は15位。7周の決勝ではオープニングラップで7位まで順位を上げてみせたが、結果的には11位でレースを終えることとなった。自らのチームのレースになると真剣モードに入る星野監督も、このレースのグリッドでは終止笑顔を見せていたのが印象的だった。

イベントの最後、大陽が傾き出した15時35分に第2レースのフォーメーションがスタートした。レッドシグナルがブラックアウトして始まった22周の決勝レースで、3番グリッドの松田はスタートを決め2位で1コーナーに進入。2周目の1コーナーでは2位を譲るが3位をキープ。しかしこの松田もオリベイラ同様ジャンプスタートと判定されドライブスルーのペナルティが科されることとなった。5周終了で松田はピットインし、最後尾でコースに復帰。そこから松田はトップと遜色ないラップタイムを刻みながら追い上げを開始した。7周目に順位をひとつ上げると、中盤の13周目と15周目にそれぞれひとつずつ順位を上げ、終盤の19周目にも1台をかわして11位へ。しかし追い上げもここまで。残念ながら22周でチェッカーは振られることとなった。

クラッチを切っていても回転数が上がると車両が動き出すという現象に見舞われたことにより、ふたりともジャンプスタートと判定されてしまった今回のレース。来年も同様のスタート方式が採用されるのであれば、今回の原因を究明し対策する必要性がある。今季最後のイベントでフラストレーションの溜まる結果となってしまったが、ここで気持ちを切り替え、来年1月に行われるテストから新たな気持ちでシリーズを狙っていくこととなる。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「スタートの時はクラッチを切って待っていたんですが、アクセルを吹かしてエンジンの回転数が上がったらクルマが少し前に動いてしまいました。序盤にはスピンもしてしまうほど、レース自体は非常に厳しいコンディションでした。それに滑ってはグリップし、また滑ってはグリップしての繰り返しで気が抜けませんでした。まるでエッジの上を走っている感じでした。あの雨ではレース打ち切りは仕方ないと思いますよ。あちこちでスピンしていたようですが、誰もクラッシュしなくて良かったと思います」

松田次生
「僕もJPと同じ現象で動いたと判断されたようですが、自分的にはフライングはしていないと思っていてすごく不満です。ペースが良かっただけに正直悔しいですね。ペナルティを受けた後は必死になって飛ばしました。予選もストレートの速いレクサス勢の牙城を崩して3位になれたし、このレースでも速さは見せられたと思います。今年は散々な内容になってしまいましたが、内容が悪かった分を来年につなげて、ぜひGTのチャンピオンを獲りたいと思っています」


※ 写真の転載・転用は法規上の観点より、ご遠慮ください。

ページトップへ