レースレポート
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2012 SUPER GT 第2戦 5月3日〜4日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×110周)
5月3日 : 雨〜曇り/ウェット 2万6,000人    4日 : 曇り時々雨/ドライ〜セミウェット 5万7,000人
予選10位 / 決勝5位   ドライバー部門:松田次生、J.P.デ・オリベイラ=5位/7点、チーム部門:7位/13点

カルソニック IMPUL GT-R、優勝を逃すも5位ゴール

2012年SUPER GTシリーズ第2戦は、ゴールデンウィークの5月3〜4日に富士スピードウェイ(静岡県)において4年ぶりの500kmとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は10番グリッドからスタートし、中盤、そして終盤にレースをリード。しかし終盤に降り出した雨でピットインしてレインタイヤに交換したが、無情にも雨は弱まりポジションダウン、5位でゴールした。

ゴールデンウィーク恒例の富士ラウンドは、しばらく400kmレースとして開催されていたが、今年は4年ぶりに500kmレースとして開催されることになった。GT-Rは今回富士用に新たな空力パーツを準備。ヘッドライト両脇にはつい立てのようなアタッチメントが装着され、アンダーパネルも変更。さらに大型のミラーが準備された。

予選日の未明に激しく降った雨は朝までに小降りになったが、練習走行は完全なウェットコンディションとなり、アクシデントも多発し途中4回も中断となった。今回予選はスーパーラップ(SL)方式が採用されたが、今年から予選1回目とSLのドライバーは別にすることと定められた。午後の予選1回目は雨は弱まり気温17℃というコンディションでスタート。15分のセッションで松田はていねいにタイヤに熱を入れて終盤にアタック開始。一時はトップタイムをマークするが結果的には2位につけてSL進出を果たした。しかしチェッカー直後に異音が出たこともあり、SLへの出走を断念してエンジン交換作業に入ることとなった。このことにより決勝レースは10番グリッドからのスタートが確定した。

決勝日朝は曇天。時折弱い雨がポツポツと落ちて来る。この日は今季初めて呉文精カルソニックカンセイ社長が富士スピードウェイを訪れ星野一義監督をはじめスタッフを激励した。スターティンググリッドも整いいよいよフォーメーションラップという時間になり雨粒が落ちて来て、グランドスタンドで傘の花が開き始めた。14時、セーフティカー(SC)の先導でレースがスタート。雨脚は強まりSC先導のまま2周が終了する時点でほとんどの車両がピットイン。オリベイラもピットへ入り浅溝タイヤへ交換。ピット作業も完璧で9位でコースへ戻った。3周が終了した時点でSCが隊列の先頭から離れ本格的なバトルが始まった。

オリベイラは混乱する序盤を巧みにドライブし、3周連続で1台ずつをかわして6周目には5位へポジションアップ。雨が止みトップグループが次々にピットインして晴れ用のスリックタイヤに交換する中でもコースにとどまり、17周目にはトップに躍り出た。オリベイラは21周でピットインして松田に交代。スリックタイヤに交換し給油を済ませた。残り89周あるが、燃費的には大きな問題はなく、あと1回のピット作業で最後まで走りきれる計算だ。

交代した松田は燃費を考えタイヤをいたわりながらも、他車両より速く安定したラップタイムで走行し、他車両がピットインするなか27周目には7位、その後もライバルをかわして39周目には4位へ浮上した。レースの1/3が経過した45周目までにトップの3台がピットインすると、松田は難なくトップに躍り出て2位に20秒以上のリードを付ける走りを見せた。あと数周で2回目のピットインを予定していた松田だったが、62周目に大きな事故を起こした車両の救助のためにSCランとなり、それまでに築いたマージンは一瞬にしてなくなってしまった。

規定のためにすぐさまピットインせず、隊列が整った65周目にピットへ入りオリベイラに交代。タイヤ交換と燃料補給も済ませ5位で隊列に復帰した。67周終了でレースは再スタート。これで最後まで走りきるだけ。そして前にいる4台は全車もう1回ピット作業が必要だ。82〜83周目に前の4台が最後のピットインを済ませると、オリベイラは2位の#100 HSVに9.2秒差をつけたトップに躍り出た。90周目あたりから雨がポツポツと落ちて来たが路面を濡らすまでには至らず。

終盤の98周目にオリベイラのラップタイムが落ちた。雨の量が増えているのだ。残り10周と少し。しかし雨量は一気に増え103周目の第2コーナーでオリベイラはたまらずスピン。さらにその後も13コーナーで挙動を乱すシーンがモニターに映し出された。ここでチームはレインタイヤに交換することを決定。ピットインしてタイヤを交換、コースに送り出すがトップと36秒差の4位になっていた。ここから逆転なるか? しかし無情にも直後に雨は上がってしまった。ファイナルラップには1ポジション落とした5位でチェッカー。しかし難しいコンディションで採用した作戦はチャレンジングであり、アグレッシブな走りを見せたドライバーたちのパフォーマンスはファンをうならせ、次戦マレーシアでの活躍を期待させるものだった。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「とてもとても難しい決断でした。インラップの直前から雨の量が増えて2コーナーでスピンをしたんです。それで無線で『浅溝タイヤの方がいい』と伝えてピットに入りました。でも結果的には私の判断ミスでした。雨がそのまま降っていれば逆転優勝できたかもしれないし、とても残念です。次は大好きなセパンなので気持ちを切り替えて頑張ります」

松田次生
「順位を上げなければと一生懸命プッシュして走りました。それでいながら燃費走行もしなければならず、頭を使うレースになりました。次につなげられるようなレースになったと思います。最後のピットインは、もしコースにとどまったとしても後続のペースを考えると2位か3位だったかもしれません。結果は残念ですがこれから巻き返して行きます」

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