レースレポート
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2012 SUPER GT 第3戦 6月9日〜10日 セパン・サーキット(1周:5.542km×53周)
6月9日 : 曇り/ドライ 2万8,000人    10日 : 晴れ/ドライ 4万8,000人
予選4位 / 決勝5位   ドライバー部門:松田次生、J.P.デ・オリベイラ=8位/13点、チーム部門:7位/22点

カルソニック IMPUL GT-R、苦しみながらも5位ゴール

2012年SUPER GTシリーズ第3戦は、6月9〜10日、年に一度の海外ラウンド、マレーシアのセパンにおいて開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は4番グリッドからスタートし、前半は3位を走行したもののタイヤの磨耗が早く予定より早めのピットイン。後半もタイヤの磨耗が厳しいなか苦戦を強いられたが、5位という順位を守ってチェッカー。GT-R勢最上位の結果を得た。

SUPER GTが1年ぶりにマレーシアへ上陸した。レースカーは開幕戦・岡山と同じ仕様。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は今回14kgのハンディウェイトと軽量。さらに年末年始のセパンテストでも好調さをアピールしており、ここでGT-R勢の今季初優勝を狙いたいところだ。

9日のランチブレイク時に行われた恒例の星野一義監督バースデイセレモニーでも、星野監督は「もう65歳なので(お祝いは)辞退したいほど。ここで優勝することでスポンサーやファンの期待に応えたい」とコメントし、優勝を狙っている姿勢を強くアピールした。

予選日は雲が多く気温も30℃に届かないほど涼しい。朝に行われたフリープラクティスで#12 GT-Rは2位のタイムをマークし、順調な滑り出しのように見えた。しかしレースは必ずしも順調に行かない場合がある。

今回の予選は、わずか15分間の走行で15台の車両からスーパーラップ(SL)に進出する10台が勝ち抜けるというもの。その予選1回目は残り3分という時点でエンジンブローのためにストップした車両があり、撒いたオイル処理のためにセッションは赤旗が掲出され中断。約10分後に3分間のセッションは再開され、全車が全開でアタック合戦を演じるものとなった。ここで松田が7番手のタイムをマークしてSL進出を決めた。17時過ぎ、GT500クラスのSLがスタート。4番目にコースインしたオリベイラは、そつのないドライビングでトップタイムに迫る走りを見せたがその時点で2位。その後2台の車両がオリベイラより速いタイムをマークしたため、#12 GT-Rは2列目4番グリッドを獲得することとなった。

決勝日の10日は朝から強い日差しが照りつけ午前中のうちに気温も30℃をオーバーし、マレーシアらしい天気となった。大勢のファンで埋まったグランドスタンドからはファンからの熱気も伝わってくる。グリッドは照り返しもあり路面温度は50℃近くまで上昇。例年よりもタイヤへの負担が掛かりそうだった。そして日が若干傾きかけた16時にフォーメーションラップがスタートした。

2周のフォーメーションの後に53周の決勝レースがスタート。スタートを担当したオリベイラは、3台による3位争いを展開し5周目に3位に上がると、トップから7.2秒離されていた差を一旦5.3秒にまで詰める走りを見せた。しかし10周を過ぎるとペースが上がらなくなり、徐々に前を走る2台との差は広がっていった。オリベイラは予定より早めの24周終了の時点でピットインして松田に交代。給油、タイヤ交換を素早く済ませ34.7秒という短いピットストップでコースへ復帰。松田もアウトラップで頑張り3位の順位を守ったばかりかトップと10秒近くあった差を7秒ほどに縮めることに成功した。さらに松田はタイヤマネージメントを行いながらもトップとの差を6.3秒まで縮めた。

ところが35周を過ぎたあたりからタイヤのグリップダウンか、ペースが徐々に落ち始めた。43周目には#6 SC430の追撃を受けターン2で一瞬前に出られるものの、松田もこれに応戦して何度か並びかけるが抵抗もここまで、表彰台圏から一歩後退となった。残り10周を切って後方から追い上げてきたのが高温に強いミシュランタイヤを装着するマシン。49周目のターン4では無理をせずそれを先行させ5位キープとなった。前後の車両とも距離があったこともあり終盤松田はタイヤをいたわりながら走行して5位フィニッシュ。前回の富士に続いて連続5位でポイントを加算した。

松田次生
「レース前からタイヤの不安がありましたが、不幸なことに予想が的中してしまいました。走り始めはまずまずのパフォーマンスを発揮するんですが、途中からリヤがグリップしなくなり(ステアリングを切った量よりクルマが曲がらない)アンダーステアが強くなりました。今日のレースはこれが目いっぱい。とても悔しい結果になりましたが、原因が必ずあるはずなので次の合同テストでそれを洗い直し、夏場以降の巻き返しを狙います」

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