カルソニック IMPUL GT-R、シリーズ4位で2012シーズンを終える
2012年SUPER GTシリーズ最終戦(第8戦)は、10月27〜28日、ツインリンクもてぎのロードコースで250kmレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は8位から松田次生がスタートするも、ウェット路面にタイヤをロックさせてコースアウトするなど苦戦。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラに交代後も思うような追い上げを見せることができなかったが、終盤に10位へ順位を上げてゴール。4年ぶりのシリーズ4位を確定した。
今回は規定によりほとんどの車両のウェイトハンディ搭載がなくなり、各マシンのガチンコ勝負となった。ここもてぎは短いストレートと直角ターンが多い“ストップ&ゴー”サーキット。また傾斜の急な下り坂もあり、タイヤの摩耗だけでなくブレーキにも厳しい。レース距離は通常より50km短く、タイヤブランドによっては無交換作戦も予想された。また予選日は秋晴れとなるが、決勝日は雨の予報が出ていた。
予選日朝の公式練習でオリベイラが総合で2番目となる1分42秒118のタイムをマークし、順調な滑り出しを見せたかに見えた。午後のノックアウト予選は、気温20℃と絶好のレース観戦日和となった。まず15分間のQ1でオリベイラが10番目のタイムをマークして無事Q2進出を決定。続く10分間のQ2では松田がステアリングを握りアタックするも通過ラインの7位にわずか0.215秒届かず8位となり、これで予選は終了。8番グリッドが確定した。「実は公式練習からセッティングが思うように決まらず調子はいまひとつでした。決勝用のセッティングもまだ手探りなので今回は厳しいレースになるかもしれません」と松田は厳しい表情で答えた。
決勝日朝は明るい曇天。気温は14℃と前日に比べて5℃以上冷えている。朝のフリー走行では4番目のタイムをマークして決勝での活躍が期待されたが、セッション終了後に雨がポツポツと落ちて来た。雨は弱く降ったり止んだりしながらいよいよ最終戦のグリッドへコースイン。今回、カルソニックカンセイの真行寺茂夫副社長と森谷弘史副社長がピットを表敬訪問し星野一義監督やドライバーを激励。また前日には来年入社予定の就職内定者たちがレース現場を見学してサーキットやレースの雰囲気を体感している。
14時、雨の中セーフティカー(SC)先導のまま53周の決勝レースがスタートした。2周終了でSCが隊列の先頭を離れてバトル開始。スタートを担当した松田は序盤の混乱をかわしてその周で6位に上がり、また5周目には5位となり6周目にはベストラップとなる1分53秒526をマーク。いったんウェット時のタイヤ性能に勝る#19 SC430や#32 HSV-010にポジションを譲るも7位を守りながら走行を続けていた。しかし13周目のヘアピンでタイヤをロックさせてコースオフ。これで最後尾まで順位を下げてしまった。
他車の早めのピットインもあり10位まで順位を上げた松田は、25周でピットインしてオリベイラに交代。12位でコースへ復帰したオリベイラは#8 HSV-010、#6 SC430と3台による11位争いを展開した。41周目の3コーナーで#8 HSV-010がコースオフを喫しオリベイラは11位へ。さらに#6 SC430を徐々に引き離し#24 GT-Rに迫った。オリベイラは終盤の52周目に#24 GT-Rをかわして入賞圏内となる10位へ順位を戻してチェッカー。この結果、2008年以来となるシリーズ4位を確定することとなった。
松田次生
「厳しいレースになるとは思っていましたが、いい感じで走れている状態の時に突然タイヤ性能が落ちてしまいました。僕たちはシリーズチャンピオンを狙っているので、シリーズ4位という結果に満足しているわけではありません。終盤2戦の結果を反省し来年への準備を怠りなくやりたいと思います。11月には富士でJAFグランプリも行われ、僕もJPもSUPER GTとフォーミュラ・ニッポン、2つのカテゴリーに参加しますので、ぜひ応援に来てください!」