レースレポート
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2012 SUPER GT 第1戦 3月31日〜4月1日 岡山国際サーキット(1周:3,703km×68周)
3月31日 : 雨〜曇り〜晴れ/ウェット〜ドライ 8,100人    4月1日 : 晴/ドライ、1万6,000人
予選11位 / 決勝10位   ドライバー部門:松田次生、J.P.デ・オリベイラ=10位/1点、チーム部門:10位/4点

カルソニック IMPUL GT-R、最後尾から執念のポイントゲット

2011年SUPER GTシリーズ第1戦は、5月21日〜22日に岡山国際サーキットにおいて開催。前回の開幕戦・富士で悔しいノーポイントに終わったTEAM IMPULの#12「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選2位からスタートしてピットワークで逆転。中盤、2位の車両に追突されスピンを喫したが、再びトップに立って逃げ切りチームとしては昨年のセパン以来、新体制では初の優勝を飾った。

2012年SUPER GTシリーズが3月31日〜4月1日に岡山国際サーキットにおいて開幕。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選11位からジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがスタートして順位を上げたものの、後続からヒットされ車両の修復のためにピットイン。これで最後尾まで順位を落としたが、オリベイラ、そして引き継いだ松田次生の追い上げもあり10位でゴール。貴重な1ポイントを獲得した。

昨年の岡山での開幕イベントは東日本大震災の影響で1か月遅れての開催だったが、今年は走行距離もGTの標準的な300kmに戻されての3月の開催となった。TEAM IMPULの#12 GT-Rは、昨年同様、松田とオリベイラのコンビで変化なし。昨年のシリーズ5位以上、そしてチャンピオン奪回を目指してのシーズンとなる。車両も昨年同様だが、重量バランスの見直しや空力パーツの変更など準備に余念はない。またエンジンに空気を送り込む部分に装着される吸入制限装置(リストリクター)の直径が、GT500クラスでは2ランク拡大されたため、昨年よりスピードアップ。出力アップに伴う燃費、タイヤの磨耗が気になる開幕戦となった。

31日は朝から強い雨に見舞われ気温も7℃と冷えた。今回の予選は3つのセッションを勝ち抜くスタイルのノックアウト予選方式が採用。最初のQ1では15台の車両が11台に絞られる。このQ1は強い雨のなか始まった。オリベイラがコースインしてすぐにコースアウトするなどリスキーなコンディションだ。途中から雨が上がり始めて各車タイムアップしていくなか、コース上でストップした車両がありセッションは中断。残り5分で再開されたが、ここでオリベイラは1分31秒218のタイムで6位につけQ1を突破した。

続くQ2では11台から7台が勝ち抜ける。既に雨は上がりコースも乾いているが、路面温度は低いままだ。松田はタイヤを温めながらアタックに入るが、十分に温まっておらず1コーナーでスピン。そのまま2コーナー外側のタイヤバリアに当たってマシン左側を傷めてストップ。結局予選は11位が確定となった。

マシンの修復もなった1日は朝から晴天に。しかし空気は冷えており寒い一日となった。朝8時20分より行われたフリー走行で#12 GT-Rは総合2位のタイムをマーク。決勝レースでの追い上げが期待された。星野一義監督も「スタート位置は後ろだけれど何とか5位ぐらいまで追い上げるようなレースをしたい」と、また松田も「僕たちは硬めのタイヤを選んでいるので、明日の決勝は後半勝負。予選のミスを挽回するためにもいい走りを見せます」と気合を入れた。

14時に開幕戦のフォーメーションラップが開始。グリーンシグナルと共に各車がけん制しながら1コーナーへ。オリベイラはオープニングラップでポジションを2つ上げて9位へ。しかし序盤の混乱で後続から追突され右リヤのアンダーパネルが破損していた。7周目にはさらに1台をかわして8位に順位を上げていたオリベイラだが、無情にも車両の修復を命じるオレンジディスク旗が掲出され、やむなく次の周にピットイン。軽い給油を済ませアンダーパネルを取り外す作業に40秒ほどを要しクラス最後尾の15位、さらにGT300の隊列のなかでコース復帰することとなった。

それでもオリベイラは「序盤の接触は仕方のないこと。ひとつでも順位を上げられるようリカバリーしていった」と、1台1台ていねいにGT300の車両を追い越しながら、前との距離を詰めていった。12周目にGT300クラスの隊列から抜け出したオリベイラは12位まで順位を挽回して34周目にピットイン。松田に交代しタイヤを交換。前のピットインで軽く給油していることもありわずか33秒という作業で松田がコースに復帰した。中盤の43周目に11位にポジションを上げた松田はピットに10位とのタイム差を尋ねた。「20秒差と言われ、追いつかないと思いましたが、クルマのペースは悪くなかったのでベストを尽くそう」と追い上げを続けた。

10位を走る車両はタイヤ無交換のためペースが上がらない。松田は周回遅れの車両を慎重にかわしながらもトップグループと遜色ない1分27秒台のタイムを連発しその差を毎周2秒ずつ縮め、後半の64周目にはついにこれを捕らえて10位へ。9位との差は20秒あったが、それを4秒526まで縮めてチェッカー。トップとの差は53秒と、1分近い最初のピットインのタイムロスがなければ、十分上位ゴールできたレースだったが、ふたりのドライバーの熱い走りで貴重な1点を獲得することとなった。

星野一義監督
「ドライバーふたりともいいレースをしてくれた。序盤の接触はレースなんだから仕方のないこと。そこからよく頑張ってくれた。次のレースで仕切りなおしをすればいいし、まだ十分にいけるということを見せられた」

松田次生
「予選のミスが響きました。レースペースも悪くなかったし10位という結果は申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただシリーズを考えるとこの1ポイントは大きい。絶対に効いて来る点だと思います。次の富士からはもっといい内容になるよう頑張ります」

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