レースレポート

2018 SUPER GT 第7戦

10月20日〜21日 オートポリス(1周:4.674km×65周)

カルソニック IMPUL GT-R、ポイント獲得ならず

2018年SUPER GTシリーズ第7戦は、300kmレースとしてオートポリスにおいて開催され、カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)は予選11位からマーデンボローがスタートし、一時は8位争いのバトルを繰り広げたが、ピット作業でのタイムロスもあり14位まで順位を下げた。後半は粘りの走りで11位まで順位を上げたがそこまで。惜しくもポイントの追加はならなかった。

今年は10月開催となった九州ラウンド。ハンディウェイトはこれまでの半分となり29kgと軽くなった。このオートポリスはNISSAN GT-Rが得意とするコースであり、8月に実施されたタイヤテストでも好タイムをマークしていたことから、上位入賞や今季初優勝が期待された。オートポリスは阿蘇外輪山に位置する高原のサーキット。天候も朝晩こそ一桁まで落ちるほど寒くなったが、昼間は20℃近くまで気温も上がり穏やかな週末となった。

20日朝に行われた公式練習では、GT-R勢のタイムが伸び悩んだ。何度もセッティングを変更してコースインするもコーナーを曲がれないというアンダーステアの決定的な改善は見られず終了。日産の各陣営には重苦しい空気が漂った。公式予選Q1は気温15℃、路面温度34℃というコンディションで、14時54分にスタート。佐々木がアタックをかけ4周目に公式練習より1秒以上タイムアップした1分33秒638をマークするも11位止まりで、これでQ2進出はならずグリッドが確定することになった。「ダウンフォースのバランスが取れていませんが、何とかGT-Rの中ではトップにつけられました」と佐々木は答えた。

21日も朝から好天となり、ピットウォークでは15日に27歳の誕生日を迎えた佐々木のバースデイセレモニーが行われた。ここで星野一義監督が「佐々木の結婚相手を探しています」と笑顔で呼びかけ、ピット前に集まったファンも笑顔と拍手で応えていた。また来年カルソニックカンセイ九州(株)に入社予定の新卒者たちがゲストとしてピットを訪問。さらに応援団もグランドスタンドに陣取ってレーススタートを楽しみにしていた。

65周の決勝レースは14時8分にスタートが切られた。マーデンボローは7周目に1台をかわし入賞圏内に上がると、さらに16周目には9位へ順位を上げ、5台による8位争いのグループの中で超接近バトルを演じた。20周目にはコースアウトしてストップした車両を排除するためにセーフティカー(SC)が導入され、これで隊列は一気に縮まった。24周終了時点でSCは隊列から離れてバトルが再開したが、ここから早めのルーティーンピットを始める車両が現れた。マーデンボローはコースにとどまり30周目には暫定5位まで順位を上げてピットイン。ここで佐々木に交代し燃料補給とタイヤ4本を交換。しかし左フロントタイヤを装着時にインパクトレンチがホイールナットを噛んでしまい、この作業で10秒ほどのタイムロスを喫してしまった。

佐々木はコースへ復帰したが、SC時に前後車両との差が縮まっていたこともあり14位と大きく順位を落とすことになった。それでも佐々木は粘り強く走り47周目には13位、58周目には12位、そして終盤の61周目には11位まで順位を上げるも10位には3.8秒届かず。ポイントを加算することはできず、悔しい一戦となった。

佐々木大樹
「ピット作業で遅れた後に前を走る2台のホンダをなかなか抜けなくて、そこがタイムロスにつながってしまいました。クルマ自体も状態が良くなく改善が必要だと思います。もちろんGT-R全体が遅かったので、それが大きな課題でしょう。残り一戦ですが頑張ります」

ヤン・マーデンボロー
「今日はチャンスを逃してしまいました。(同じGT-Rの)24号車は7位でフィニッシュしましたし、僕たちもおそらく6〜7位でゴールできたのではないかと思います。ピットストップでミスしてしまったことで11位という結果。悔しいとしか言えません。気持ちを切り替えてもてぎでやり直します。ガンバリマス!」

10月20日11位/ドライ観衆:1万550人
21日11位/ドライ気温17℃
路面温度36℃(14時)
観衆:2万380人
ドライバー部門佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー11位/29点
チーム部門10位/48点

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