レースレポート

2018 SUPER GT 第5戦

8月4日〜5日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×177周)

カルソニック IMPUL GT-R、終盤まさかのトラブルで12位

2018年SUPER GTシリーズ第5戦は、シリーズ最長となる500マイル(約800km)レースとして富士スピードウェイにおいて開催され、カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)は予選5位からスタートし、中盤にトップに立ってからはレースを支配していたが、残り1時間となって最後のスティントを迎えた直後に吸気系部品のトラブルにより緊急ピットイン。速やかに修理を済ませコースに復帰したが12位ゴールに終わった。

8月の富士ラウンドは、500マイル(約800km)とシリーズ最長のレース。ハンディウェイト36kgと比較的軽量なカルソニック IMPUL GT-Rには、表彰台獲得の期待がかかった。4日の公式予選Q1は気温31℃、路面温度44℃という真夏のコンディションで始まった。マーデンボローがGT500クラス全15台の先頭を切ってコースイン。タイヤに熱を入れながら残り3分の時点で1分29秒666のトップタイムをマークするも次々に更新されていく。最後の最後に1分29秒298にタイムアップして6位につけて無事にQ1を突破することができた。トップ8台で争われる公式予選Q2は佐々木が担当。4周目に1分29秒062をマークして5位につけ、これでグリッドは確定。3列目からとまずまずのスタート位置を確保した。

5日の決勝レースは、800kmの長丁場。グリッドにはカルソニックカンセイの森谷弘史会長をはじめ多くの役員や社員が星野一義監督を表敬訪問。星野監督も今季初の表彰台、2年ぶりの優勝となるよう頑張ると自分を奮い立たせるように話していた。

今回のレースは約5時間を要し、4回のドライバー交代が義務づけられている。13時36分、気温31℃、路面温度47℃というコンディションのもと、グリーンランプが点灯して177周の決勝レースがスタート。混乱するオープニングラップで佐々木は順位をふたつ落としてしまったが、7周目と11周目に順位を上げて5位へ復帰。さらに20周目と26周目に順位を上げて3位へ。31周でトップの車両が最初のピットインをすると自ずと2位へ上がり、33周でピットインしてマーデンボローに交代した。最初のピット作業が落ち着くとマーデンボローは2位につけ、さらにトップに接近。55周目の1コーナーで並びAコーナーでついにトップを奪った。さらにマーデンボローは60周を過ぎたあたりまでに2位に5秒のリードを築き独走態勢に持ち込んでいった。

70周でマーデンボローはピットインして佐々木に交代。76周でほぼ全車の2度目のピットインが終了すると、佐々木はさらに安定した速さで97周目には2位に17秒のマージンを築いた。106周で3回目のピットインを済ませたがこの作業も完璧に決まって、交代したマーデンボローは115周目には2位に25秒もの大差をつけて独走を続けた。142周目、2位に27秒ほどのリードを保って最後のピットインを済ませて佐々木がコースへ。

しかしあとゴールまで30周、1時間弱となった148周目に佐々木が突然レーススピードを失いペースダウン。佐々木はピットと無線でやりとりをしながらコースにとどまってスピードの回復を狙うが、マシンに変化はなく翌周にピットイン。頭からピットガレージに突っ込み原因を探った。すぐにトラブルの原因は吸気系部品のトラブルと判明し、メカニックたちの迅速な作業で修復を済ませ佐々木をコースに送り出したが、すでにトップからは2周遅れの13位まで順位を落としていた。ペースが戻った佐々木だったが終盤に順位をひとつ上げた12位でフィニッシュ。勝てたレースだっただけに残念な結果となってしまった。

佐々木大樹
「1コーナーを抜けたあたりで本来のパワーがないことに気付きました。コクピットに座ったままでしたからどこをどう修復したのかは見ていませんが、インタークーラーのホースが外れていたようです。頑張って走って2位との差を20秒以上引き離していて、セーフティマージンでしたしイージーに勝てると思っていました。 これでチャンピオン獲得の可能性はなくなりましたが、残りのレースで優勝を狙うしかありません。ハンディウェイトの軽い次のSUGOでは集中して勝ちたいと思います」

ヤン・マーデンボロー
「2位とは25秒のギャップがあったので、僕のスティントでは無理せず、プッシュしすぎず、安定したペースで走っていました。ピットストップもうまくいきましたしチームはとても良い仕事をしてくれました。でも最後のスティントにトラブルが出て、優勝を逃してしまいました。誰もそれを予想できなかったし、誰ものせいでもありません。それ以外クルマは速かったし、燃費も良かったのです。ダイキも速かった。タイトルを獲る可能性はなくなりましたが、それでも頑張り続けます」

8月4日5位/ドライ観衆:2万2,100人
5日12位/ドライ気温32℃
路面温度47℃(13時)
観衆:3万8,300人
ドライバー部門佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー12位/18点
チーム部門10位/31点

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