レースレポート

2017 SUPER GT 第7戦

10月7日〜8日 チャーン・インターナショナル・サーキット(1周:4.554km×66周)

カルソニック IMPUL GT-R、3位ゴール目前でストップ

10月7〜8日、チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ、ブリラム)においてSUPER GTシリーズ第7戦が開催され、安田裕信とヤン・マーデンボローの「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選2位からスタートして前半はマーデンボローが最速ラップを記録して2位を堅守するも、ピット作業に手間取り3位にドロップ。さらに残り3周を切った64周目にマシントラブルのためにストップし残念な結果となった。

今年で4回目の開催となるタイラウンド。7日は朝から激しいスコールがコースを濡らしたが、公式練習には晴れとなりすぐにコースは乾き、このセッションで7位とまずまずの位置につけた。ウェイトは13kgと軽く、今回は表彰台獲得も期待された。そして午後にもスコールがコースを濡らし、公式予選はウェットコンディションで始まった。Q1は雨が少しパラパラと降るなか、安田がレインタイヤを履き最後にコースイン。3周目に1分30秒429で2位につけるとピットインして、別のレインタイヤに交換し1分29秒538でトップに立った。

Q2は曇りで路面はハーフウェット。マーデンボローは2周してコースを確認してピットイン。新たなレインタイヤに履き替えて5周目には1分25秒378でトップに立った。さらにタイムを1分25秒060へ詰めるが、直後に0.049秒更新され2位となり予選は終了。ポールポジション獲得はならなかったが、2位でフロントローと好位置につけることができた。「僅差の2位は残念でしたが楽しい予選でした。安田さんとエンジニアと一緒にいろんな話をしてセッティングを煮詰めた結果だと思います」とマーデンボローは目を輝かせながら話した。

決勝日は雲の多い晴れだったが、グリッドに各車が整列してスタートまで30分という時点でスコールに見舞われ、コースはウェットコンディションに。グリッドではカルソニックカンセイの細川光作EVPが日本からはるばる星野一義監督を表敬訪問。「今年最高のグリッドから表彰台、そして優勝を狙う」と星野監督も久しぶりに笑顔で応えた。そしてタイヤはグリッド上でレイン用に交換して決勝スタートを待った。

気温30℃、路面温度36℃というコンディションで、セーフティカー先導によりレースがスタート。まだコース上には水が残っているハーフウェットで、ところどころで水煙が上がった。2周終了時点でセーフティカーが先頭から外れバトルがスタート。マーデンボローは2位を守ってトップの真後ろで隙をうかがう。そしてトップが13周でピットインしてスリックタイヤに履き替えると、マーデンボローも翌周にピットインしてスリックタイヤに交換し燃料を追加。しかしここでエアジャッキの動きが鈍く数秒のタイムロスを喫し、2台の差は7秒近くまで開いた。

その後、23周までレインタイヤで頑張っていたトップ車両がピットインすると、マーデンボローは2位に浮上。その差を4.9秒まで縮めた。34周でトップの車両がピットインすると、マーデンボローは軽くなったマシンに鞭を入れ、39周目には1分25秒499という最速ラップを記録。その翌周にピットインして安田に交代した。しかしこの際、タイヤ交換のための車両のジャッキアップに時間を要し、トップの車両よりも20秒もタイムロス。安田がコースに戻ると、トップから24秒遅れで、さらに間に1台の車両が入り3位へポジションダウンしてしまった。

安田は後続から追い上げられるも、GT300車両を巧みに間に挟みながらこれをしのいで3位を死守。しかし今季初の表彰台獲得も目前だった64周目に突然のスローダウン。原因は不明ながらエンジンのトラブルのために安田はコース脇にストップしてしまった。結果は3周遅れの14位完走。まさかの結末となってしまったレースだったが、気持ちを切り替えて最終戦もてぎに臨むこととなる。

なお、もてぎ最終戦とのインターバル、10月27日より11月5日まで東京ビッグサイトで開催される「第45回 東京モーターショー 2017」に、カルソニックカンセイは10年ぶりに出展(東8ホール)。10月29日(日)と11月3日(祝)に、トークイベント「Calsonic Kansei × Kazuyoshi Hoshino 〜カルソニックカンセイがTEAM IMPUL星野一義と共に築いた36年間の挑戦〜」を実施(時間等は特設サイト https://www.calsonickansei.co.jp/exhibition/201710/ に掲載予定)。ぜひ足をお運びください。

安田裕信
「何の予兆もなく、ストレートでアクセル踏んでもエンジンが突然失速して走らなくなったので、クルマを止めるしかなかったです。悔しいです」

ヤン・マーデンボロー
「僕たちは週末ずっと強かった。予選のQ1で安田さんはトップタイムをマーク。僕もQ2で自信を持って2位のグリッドを獲れました。鈴鹿以降エンジニアと一生懸命働いて、速さといいバランスを見つけ強いクルマに仕立てていたんです。レースになったらそれは明らかになりました。ファステストラップをマークしたし、最後まで表彰台の争いに加わっていました。だけど運が悪くて、2回のピットでジャッキの問題を抱え、残り3周を切った時点のトラブルで3位を逃してしまいました。もてぎに向かって問題点を解決し、準備万端でレースを行えるようにチーム一丸で頑張ります」

10月7日2位/ドライ観衆: 1万5,881人
8日14位/ドライ気温30℃
路面温度36℃(15時)
観衆: 2万6,376人
ドライバー部門安田裕信/ヤン・マーデンボロー15位/13点
チーム部門13位/26点

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