レースレポート

2017 SUPER GT 第6戦

8月26日〜27日 鈴鹿サーキット(1周:5.807km×173周)

カルソニック IMPUL GT-R、11位でレースを終える

8月26〜27日、鈴鹿サーキット(三重県)においてSUPER GTシリーズ第6戦が開催され、安田裕信とヤン・マーデンボローの「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選7位からスタートして前回以上の上位入賞を目指したが、他車両との接触によるペナルティを受け、また車両の修復を命じられたこともあり11位でフィニッシュ。残念ながら2戦連続の入賞はならなかった。

1966年に始まった真夏の耐久レース、伝統の”鈴鹿1000km”は、来年より衣替えしてFIA-GT3/GT300車両による10時間レースとなり、SUPER GT鈴鹿ラウンドも5月に300kmレースとして開催されることとなった。このため今回のレースが、最後の鈴鹿1000kmとしての開催となる。カルソニック IMPUL GT-Rは26kgと軽いハンディウェイト搭載のため、前回の5位以上の活躍が期待された。

予選日は早朝に雨に見舞われた鈴鹿。しかし朝の公式練習中にコースはすっかり乾き、路面はドライコンディションに。そして気温31℃、路面温度37℃と真夏の暑さのなかで公式予選Q1がスタートした。ステアリングを握ったマーデンボローは、セッション終了間際に他車両に引っかかりながらも1分48秒499で4位につけたが、その後にタイムは更新され、Q1突破ギリギリの8位で今季初めてのQ2進出となった。Q2では安田が1分48秒244で順位をひとつ上げた7位となり、これで今季最高位となるグリッドが確定した。

予選日夕方に行われた前夜祭と、決勝日午前中には、星野一義監督がNISSANのレーシングスーツで登場。かつて鈴鹿も走ったグループCマシン、ポルシェ962C、トヨタTS010と共に日産R92CPで東コースをデモランすると、スタンドからは大きな拍手が沸き上がった。

決勝日は朝から晴天。ピットウォークでは9月9日に26歳の誕生日を迎えるマーデンボローの、少し早めの誕生祝いが行われた。カルソニックブルーのGT-Rをかたどったケーキやカルソニックレディからプレゼントを渡されると、マーデンボローは相好を崩していた。またグリッドでカルソニックカンセイ森谷弘史社長が星野監督を表敬訪問した。決勝スタート前には気温こそ30℃で涼しい風が吹いていたものの、日差しは強く路面温度は47℃に達した。

12時38分、173周の決勝レースがスタート。マーデンボローはオープニングラップでひとつ順位を上げると、14周目には2位争いのグループに追いつき15周目には4位まで順位を上げた。28周で最初のピットインをして安田に交代。安田も32周目には4位へ復帰したが43周目にアクシデントがありセーフティカー(SC)が導入。再開時に追突を受け左リヤの空力パーツが脱落するも4位を守って56周でピットイン。ここでマーデンボローが再び乗り込んだが、6位から上に上がっていけない苦しい周回が続いた。

86周でマーデンボローはピットインして安田へ交代。92周目には順位を再び6位へ上げたが、95周目に再びアクシデントが起き2度目のSC導入となった。103周目にレースが再開されると、安田は104周目に5位に浮上。他チームのピットインのタイミングもあり113周目には3位へ順位を上げて114周でピットイン。ここで三たびマーデンボローへ交代。119周目のシケインでは、3台によるサイド・バイ・サイドのバトルとなり1台と接触。マーデンボローの右フロントが破損して修復のためにピットインを命じられた。

これで周回遅れの13位まで大きく順位を落としたばかりか、接触が危険な走行行為と判断されてドライブスルーのペナルティを課せられた。これでトップとは2周遅れの14位となったが、レースを諦めることなく周回を続け、146周で最後のピットイン。交代した安田は最後まで走りきり、上位勢にアクシデントやトラブルがあったこともあり、最後は11位でチェッカーを受けることとなった。上位入賞を狙えるレースだっただけに、ノーポイントで終わったのは残念だった。

安田裕信
「前回の富士から良い感触があり今回も順位を上げていくことができて、表彰台も狙えそうな手応えがありました。ただシケインでの接触でペナルティをもらい、フロントを壊したことでペースを上げることができず、もったいないレースになってしまいました。次のタイは毎年トップ争いに加わるなど相性の良いコースなので、気持ちを切り替えて結果にこだわりたいです」

ヤン・マーデンボロー
「このレースはうまくいくと思っていました。Q2に進出できたし、序盤2つのスティントではトップ4にいました。クルマのフィーリングは良かったのですが、SCラン中に他車に接触されて外装が壊れダウンフォースを失ってしまいました。そこから一生懸命プッシュして僕の最後のスティントで追い越そうとした際に接触して傷を大きくしてしまいました。僕たちはもう次のタイに向けて集中しています。その前に弱い部分を改善して次に臨みます」

8月26日7位/ドライ観衆:2万7,500人
27日11位/ドライ気温30℃
路面温度47℃(12時)
観衆:4万5,000人
ドライバー部門安田裕信/ヤン・マーデンボロー15位/13点
チーム部門13位/25点

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