レースレポート

2017 SUPER GT 第4戦

7月22日〜23日 スポーツランドSUGO(1周:3.704256km×81周)

カルソニック IMPUL GT-R、天候に翻弄され11位完走

7月22〜23日、スポーツランドSUGO(宮城県)においてSUPER GTシリーズ第4戦が開催され、安田裕信とヤン・マーデンボローの「カルソニック IMPUL GT-R」は、雨量が増えて思うように走れない路面に苦戦し、予選9位から11位でゴール。ポイント追加はならなかったが開幕戦からの4戦連続完走を果たした。

第3戦から約2か月のインターバルを挟み、シリーズ中盤の舞台は杜の都・仙台郊外のスポーツランドSUGO。日産勢はこのラウンドからニューバージョンのエンジンを搭載。ここからの巻き返しを狙った。公式予選Q1は曇りで雨がポツポツと落ちるもコースを濡らすまではいたらず。気温28℃、路面温度36℃のコンディションでマーデンボローがコースイン。残り3分の時点で1分12秒201で2位につけるも、直後にマーデンボローのタイムは次々に更新され9位に。惜しくもトップ8が進出できるQ2へ駒を進めることはできず、これで決勝のグリッドが確定した。

決勝日の23日は、弱い雨が降ったり止んだりのぐずついた天候となった。朝のピットウォークではピット前において7月1日に「古希」を迎えた星野一義監督の誕生会がチーム主催で行われ、多くの日産ドライバーたちも祝福に訪れた。午後、ウォームアップ走行を終えてグリッドについた時点では雨も上がっていた。グリッドではカルソニックカンセイ スタッフボランティアの方が応援フラッグやゼッケンボードを持ちお手伝い。星野監督とも記念撮影を実施し星野監督も活躍を誓った。そしてほとんどの車両がスリックタイヤとレインタイヤの両方を準備していたが、やがて弱い雨がポツポツと落ちて来た。

チームは、弱い雨は早めに上がると読みスリックタイヤを選択し勝負に出た。GT500車両15台のうち、スリックタイヤに懸けたのは4台だった。しかし無情にも雨量は増え、14時35分のスタート時にはコースはすっかり濡れたウェットコンディションになっていた。レインタイヤを装着した車両から置き去りにされ12位へドロップしたマーデンボローは、やがてGT300車両の隊列に飲み込まれていった。そして序盤の6周目、最終コーナーでクラッシュを喫した車両があり部品がコース上に散らばった。この回収のためにセーフティカー(SC)が導入。10周完了の時点でレースは再スタートし、マーデンボローは我慢の走りを続けて天候の回復を待った。

ところが雨脚は逆に強まり、マーデンボローは18周でピットインしてやむなくレインタイヤに交換。11位の順位は守ったものの既にトップとは2周の差がついており、勝負権は失っていたが悪コンディションでは何が起きるか分からない。そのまま周回を続けチャンスをうかがった。25周を過ぎるとで雨脚は弱まり、徐々にコース上の水もはけてきた。

中盤の41周目、最終コーナーでコースアウト&クラッシュを喫した車両があり、これを回収するために2回目のSC導入。46周完了でレースが再スタートすると同時にマーデンボローはピットインして安田に交代した。安田は11位のままコースへ出たが、直後の49周目に3回目のSC導入。安田は総合5番目となるベストラップを刻みながら周回を重ねるが、序盤に失った差は大きく、順位を上げることなくトップと3周差の11位でチェッカー。残念ながらドライバーズポイントの加算はならなかったが、開幕戦からの連続完走記録を絶やすことはなかった。

安田裕信
「スリックタイヤを選んだのは勝負に出たわけで、仕方がないです。僕に交代してからドライ路面でのスリックタイヤでのペースは悪くなかったので、これは次につながると思います。その次のレースは去年勝った富士スピードウェイ戦なので、勝てるよう頑張ります。新しいエンジンも馬力は上がっています。今回はホンダが速くなってきたので、彼らに負けないよう結果を出して行きたいです!」

ヤン・マーデンボロー
「パレードラップの直前に雨が一瞬止んだので、ちょっとギャンブルしてスリックタイヤでスタートすると判断しましたが、レースがスタートしたらセクター3に入ったところで雨が強く降り始めてしまいました。それからはレースが大変な展開になったので、ラインが少し乾くように祈っていましたがダメでした。しかしクルマのバランスは確実に向上していますし、富士に向かってセットアップをどんどん改善すれば強く戦えるはず。頑張ります!」

7月22日9位/ドライ観衆:9,600人
23日11位/ウエット気温19℃
路面温度29℃(14時)
観衆: 2万6,200人
ドライバー部門安田裕信/ヤン・マーデンボロー15位/7点
チーム部門12位/15点

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