レースレポート

2017 SUPER GT 第2戦

5月3日〜4日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×110周)

カルソニック IMPUL GT-R、マシントラブルも14位完走

2017年SUPER GTシリーズ第2戦は、5月3〜4日に富士スピードウェイにおいて通常より長い500kmレースとして開催された。安田裕信、ヤン・マーデンボローの「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選12位からスタートし、マーデンボローが9位まで順位を上げる活躍を見せた。ところが安田に交代後、マシントラブルに見舞われて緊急ピットイン。メカニックたちが迅速な作業を行い15分ほどでコースに送り出したが、この時点で最下位まで順位を落とすこととなった。それでも最後まで粘り強く走り、順位をひとつ上げた14位でチェッカー。完走を果たしたことで貴重なチームポイント1点を追加した。

大型連休恒例のイベントは500kmレースのため、ピットインもドライバー交代も2回義務づけられる。また昨年のように何が起きるか読めないレースだけに、ひとつでも多くのポイントを稼いでおきたいところだ。開幕戦ではエンジンが吹けなくなるというトラブルに見舞われながらも8位でゴール。今回も粘り強いレースを続けていく必要がある。

3日朝に行われた公式練習で、オルタネータのベルトが切れるというトラブルが発生。メカニックが交換作業を行い車両をコースに送り出したが、セッションの最後に交換したベルトがまたもや切れてしまった。しかし決定的な原因が分からないまま、予選を迎えることとなった。午前中に優雅な姿を見せていた富士山は雲に覆われてしまっていた。気温18℃、路面温度30℃というコンディションで始まった公式予選Q1は、マーデンボローがコースインしセッション終了間際に1分28秒883というベストタイムをマークするが12位にとどまり、今回も上位8台が進めるQ2進出はならず、これで決勝レースのグリッドが確定した。

4日は爽快な五月晴れとなった富士。気温19℃、路面温度29℃と前日とほぼ同じコンディションで14時17分に110周の決勝レースはスタートした。今回は東京からも近い富士スピードウェイでの開催ということもあり、カルソニックカンセイの森谷弘史CEOが星野一義監督を表敬訪問。星野監督は今年の車両を解説し苦戦を強いられていることを詫びながらも、笑顔で出迎えた。この日は5万8,000人、2日間で過去最高となる9万2,100人のファンがスタンドやコーナーに陣取り、レースの行方を見守った。スタートを担当したのはマーデンボロー。オープニングラップで順位をひとつ落としたが、2周目、7周目、そして10周目には1台ずつをかわしてトップ10入り。5台による8位争いのグループに加わった。その後2台の車両にかわされたが、25周目には再び10位へポジションアップ。27周目には9位となった。

30周を迎える前から早めのピット作業を行う車両が出始めたが、マーデンボローはコースにとどまり周回を重ねた。そして先行する車両がほとんどピットインし2位となった36周でピットへ。安田に交代しタイヤを交換し給油を済ませ、ミスなく作業を終えて10位でコースへ復帰した。ポイント圏内で周回する安田を突然のトラブルが襲ったのは44周目だった。安田は緊急ピットインして車両はそのままガレージに入れられた。またもやオルタネータのベルト切れだった。

安田はドライビングシートに座ったままで、メカニックがてきぱきとした作業でベルトを交換。わずか15分ほどで作業は終了し安田は再びコースへ出て行ったが、既にトップからは10周遅れの最後尾まで順位を落としてしまった。しかしチームはレースを諦めず、その後は順調に周回を重ねて行った。74周で安田はピットインしてマーデンボローに交代。マーデンボローは粘り強く周回を重ねて、終盤1台の車両が脱落したこともあり14位へ順位を上げて101周でチェッカー。レースは残念な結果に終わってしまったが、約460kmを走ったことで得られた多くのデータを、今後のレースに生かして行くこととなった。

安田裕信
「トラブルを示すアラームが点灯して、またかという感じでピットインしました。アンラッキーと言うしかありません。原因はまだ分かりませんが、何で僕らの車両だけにという感じです。次のオートポリスは4月のテストでも調子は良かったので、予選から上位に行けると思います。気持ちを切り替えて2年ぶりの九州ラウンドへ向かいますので、ぜひサーキットへ応援に来てください!」

ヤン・マーデンボロー
「最初の僕のスティントはいくつかのバトルをすることができ楽しめましたし、チームの素早いピットワークに感謝しています。公式練習でのトラブルもあってセットアップが満足ではありませんでしたが、決勝でもトラブルが起きてしまいました。次のレースではペースを上げられるよう改善し一生懸命走ります。やらなければならないことはたくさんありますが、僕たちはプッシュし続けます!」

5月3日12位/ドライ観衆:3万4,100人
4日14位/ドライ気温19℃
路面温度29℃(14時)
観衆:5万8,000人
ドライバー部門安田裕信/ヤン・マーデンボロー13位/3点
チーム部門10位/7点

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