レースレポート

2017 SUPER GT 第1戦

4月8日〜9日 岡山国際サーキット(1周:3,703km×81周)

カルソニック IMPUL GT-R、開幕戦で8位ゴール

2017年SUPER GTシリーズは4月8〜9日に岡山国際サーキットにおいて開幕した。安田裕信、ヤン・マーデンボローという新コンビの「カルソニック IMPUL GT-R」は、予選13位からスタートしライバル勢のトラブルもあったが、マーデンボローが6位まで順位を上げる活躍を見せた。ところがレース後半セーフティカー(SC)ランの後にエンジンが吹けないというトラブルに見舞われペースを上げることができなくなってしまった。それでも粘り強い走りを続け8位でチェッカーを受け3点を獲得した。

例年より春の訪れが遅い中国地方。レースウィークの天候もぐずつき気味で、予選日は今にも雨が落ちて来そうな曇天となった。TEAM IMPULは安田のパートナーに昨年来日し全日本F3選手権でシリーズ2位、SUPER GTではGT300クラスのNISSAN GT-R NISMO GT3をドライブした英国人のヤン・マーデンボローを迎えた新体制となった。また今季は新たなシャシーに変更され、ダウンフォース25%減でコーナリングのスピードを落とした安全面に配慮したものとなった。しかしシーズンオフのテストではGT-R勢はなかなか調子が出ず、今年は苦戦が予想されていた。

8日朝の公式練習は安田が主にドライブしてセッティングを煮詰めたが、トップから1秒落ちの10位。午後の公式予選は気温21℃で始まったが、GT300クラスのQ1途中から雨がポツポツと落ちて来てGT500クラスのQ1ではウェット宣言が出された。しかし雨はコースを濡らすまでにはいたらず。出走15台のうち上位8台がQ2へ進出できるが、#12 GT-Rはマーデンボローがコースインしてアタックを掛けるも9位。さらにこれを上回る車両があり13位となり、これでスターティンググリッドが確定した。

前夜の弱い雨が上がった9日。今季は決勝日朝のフリー走行はなくなり、決勝レース前に20分間のウォームアップ走行が行われた。ここでは初めてGT500のスタートを担当するマーデンボローのみが走行し、マシンの感触を確認した。「スターターを務めたくて星野監督に伝えたら賛成してくれました。初めてのGT500のレースでスタートを任せられて最高の気分でした」とマーデンボロー。

スターティンググリッドではカルソニックカンセイの真行寺アドバイザーが星野一義監督を表敬訪問。週末に難しい表情の多かった星野監督も、笑顔で迎え挽回を誓った。決勝レースは気温21℃の14時34分にパレードラップがスタートした。ところがここで1台の車両が動けず、さらにフォーメーションラップでもストップしてしまう車両があり、スタート進行は一旦ストップ。ポールシッターを含む3台がグリッドから消えて#12 GT-Rは自ずと10位へ順位を上げ、改めて14時50分にセーフティカー(SC)先導により81周のレースがスタートした。

SCは2周終了の時点で隊列から離れてバトルが始まった。ところが5周目にアクシデントがあり、また6周目には8位を走行中の車両が動けなくなったこともあり再びSC導入。大きな混乱でマーデンボローは9位へポジションアップを果たした。隊列を整えて11周終了時点でレースは再スタート。前を走る#24 GT-Rの背後にピタリとつけたマーデンボローは、25周目の1コーナーでこれをパス。さらに32周目には#16 NSX、33周目には#19 LC500を抜き去り6位まで順位を上げた。上位の車両がピットインして3位となった39周でピットイン。ここでマーデンボローもピットへ入り安田に交代した。

安田は8位でコースへ復帰すると、7位を走る#23 GT-Rとの距離を2秒余から1秒に縮めて追撃開始。しかし53周目に2コーナーで激しくクラッシュした車両があり、これの回収のためにまたもやSCが導入となった。これで前との距離はほとんどなくなった安田。61周終了でバトル再開となったが、65周目からペースが落ちてしまった。「突然エンジンが吹けなくなってしまった」と安田。じりじりとその差は広がって行ったが、後続からの追撃は許さず粘り強い走りを続けた安田は、8位という順位を守ってチェッカー。予選から苦しい展開ながらも、3点を獲得して開幕戦を終えることができた。

安田裕信
「交代後は前を走る#23 GT-Rとの距離を詰めて行っていたところにセーフティカーが入って、これはラッキーと思っていましたが、セーフティカー明けのラップのヘアピンで#23 GT-Rと並びかけたものの、チャンスはまだあると思って次の機会をうかがっていましたが、3周ぐらいすると突然エンジンが吹けなくなってしまい全然パワーがない状態となり、逆に引き離されていってしまいました。もうひとつは順位を上げられたはずなので残念です」

ヤン・マーデンボロー
「順位を6位まで上げられたので、個人的にはGT500のデビューレースを楽しむことができました。次のレースまでにやらなければならないことはいっぱいありますが、ポイントを取ることができたから良かったです。チームとは言葉の壁はあるけれど、ゼスチャーなどでコミュニケーションは取れているし、星野監督の情熱が大好きです。彼はいつも全力で走れと言っているし、僕もそんな走りが好きなんです」

4月8日13位/ドライ観衆:9,700人
9日8位/ドライ気温19℃
路面温度25℃(14時)
観衆:1万9,000人
ドライバー部門安田裕信/ヤン・マーデンボロー8位/3点
チーム部門8位/6点

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