レースレポート

2016 SUPER GT 第6戦

8月27日〜28日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×66周)

カルソニック IMPUL GT-R、まさかの車両火災でリタイア

2016年SUPER GTシリーズ第6戦は8月27〜28日に鈴鹿サーキット(三重県)においてシリーズ最長の1,000kmレースとして開催され、安田裕信、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの「カルソニック IPUL GT-R」は、3番グリッドからスタートしてオリベイラから安田へつなぎトップ争いを展開、再びオリベイラへ交代した直後、車両火災に見舞われコースサイドにストップ。無念のリタイアを喫することになった。

前回の2年ぶりの富士での優勝から3週間。夏の3連戦最終戦は恒例の鈴鹿1,000kmレース。ハンディウェイトは56kgあるが、高速コースでありタイトなターンの少ない鈴鹿では、車重が重いことはさほど影響はない。さらに6時間もの長いレースなので、優勝も不可能ではない。チームは連勝を目指して鈴鹿入りした。例年残暑が厳しい鈴鹿1,000kmだが、今年は多少涼しく、決勝日は雨の予報が出ていた。予選日朝に行われた練習走行では12位とふるわず、チームはセッティングを見直して予選を迎えた。Q1はオリベイラが担当して終盤に2番手につけたが、これを上回る車両が2台いて結果的には4位。これでQ2への進出が決定した。8台が出走するQ2は安田が担当。Q1からQ2のインターバルでもチームはセッティングを見直したが、安田はオリベイラのタイムを上回るタイムをマークして順位を3位に上げた。「JPから僕だったので皆さん順位が下がると思ったでしょうが、逆に順位を上げられて良かった」と安田は胸を張った。

夜中に降り出した雨は朝まで残ったが、GTマシンがグリッドに整列するころには上がり、コースはレコードラインが乾き始め周囲にはウェットパッチが残るようなセミウェットコンディション。グリッドにはカルソニックカンセイJ.Davies SVPが初めてサーキットへ足を運び星野一義監督を激励した。173周の決勝レースは12時39分にスタート。スターターのオリベイラは3位の順位をキープし、12周目の2コーナーでは追い上げて来た#38 RC Fに3位を譲るも15周目には予選2位の#46 GT-RをS字でかわして再び3位へ。25周目にはポールシッターの#15 NSXが最初のピットインをしたことで2位へ順位を上げた。さらに27周でトップの#38 RC Fがピットインしたことでトップへ浮上すると29周でオリベイラはピットイン。ここで安田へ交代した。

3位でコースへ戻った安田はヘアピンコーナーで#46 GT-Rをかわして2位へ。さらに周回遅れをかわしながらトップとは2〜5秒ほどの差で順調にラップを重ねて行った。交代して25周ほどすると雨がポツポツと落ち始め、コースの一部区間ではまともな降りとなった。この雨はすぐに上がったが、トップの#38 RC Fは58周で2回目のピットイン。それに合わせて安田もトップに立った翌周の59 周でピットインしてレースの1/3を終了しオリベイラに交代した。このピット作業ではエンジンオイルを追加する作業が行われたが、その作業が終わらないうちにジャッキダウン。そしてオリベイラはコースへ復帰した。

コースへ戻ったオリベイラだったが、2コーナーを過ぎたあたりで車両右側から白煙が出ていた。そしてエキゾーストパイプ出口あたりから炎が出て、やがてドアの取り付け部が壊れて火が強まった。オリベイラは直後のS字カーブで車両を止めて脱出し難を逃れたが、車両はこれでストップ。まさかの車両火災でレースはリタイアとなった。こぼれたエンジンオイルがエキゾーストにかかったことで出火したことが原因であった。

表彰台獲得が現実的な展開だっただけに残念な結果となってしまったが、次のタイ、ブリ-ラム戦も日産GT-Rにとっては得意なコース。高速コースということもありハンディウェイトもさほど影響がなく好結果が期待できそうだ。逆転チャンピオンの可能性がある限り、それを狙って残り3戦を戦っていく。

8月27日3位/ドライ観衆:2万6,500人
28日リタイヤ/ドライ〜
ウエット
気温27℃
路面温度30℃(14時)
観衆:3万4,000人
ドライバー部門安田裕信/J.P.デ・オリベイラ7位/28点
チーム部門8位/33点

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