レースレポート

2016 SUPER GT 第4戦

7月23日〜24日 スポーツランドSUGO(1周:3.704256km×74周)

カルソニック IMPUL GT-R、まさかの2戦連続リタイア

2016年SUPER GTシリーズ第4戦は7月23〜24日にスポーツランドSUGO(宮城県)において開催され、安田裕信、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの「カルソニック IPUL GT-R」は、予選では他車両のアクシデントでアタックができず13位に沈み、決勝直前にはマシントラブルに見舞われピットスタート。さらには決勝では得点圏内での追い上げ開始直後に他車両のスピンに巻き込まれてリタイアと、散々な週末を過ごすこととなった。

優勝目前でのまさかのアクシデントを喫した富士から2か月半、杜の都・仙台郊外のスポーツランドSUGOがGTの舞台だ。梅雨明け前とあってぐずついた天候となり、気温も20℃程度と肌寒い週末となった。3週間前に行われた合同テストでは最速タイムをマークしていたこともあり、チームは巻き返しを狙ってのSUGO入りとなった。ハンディウェイトも14kgと軽量であり、もちろん狙うのは今季初優勝だ。コース幅が狭くコーナーがタイトなSUGOには「魔物が棲む」と言われるほど、予期せぬアクシデントが起きやすい。魔物を味方につければ上位入賞も可能だろう。

予選日朝に行われた公式練習ではトップと僅差の5位につけた。そして午後の公式予選Q1は安田がコースイン。タイヤを暖めながら最初のアタックラップを迎えていた安田が最終コーナーに差し掛かった時、その手前のSPコーナーでクラッシュした車両がありセッションの中断を示す赤旗が掲出された。直後にコントロールラインを通過した安田だが、この周回のタイムはカウントされず13位。セッションは3分ほどが残っていたが、この赤旗中断でセッションは終了となり、まさかのQ2進出はならずスターティンググリッドは確定することとなった。

決勝日朝は前夜の霧雨の影響でコースは濡れていたが徐々にコースは乾き、決勝直前にはところどころにウェットパッチが残る難しいコンディションとなった。しかし決勝直前に実施された8分間のウォームアップ終了時、スタートを担当する安田がコース上でストップ。最終コーナーを回ってホームストレートの坂道を上る際に渋滞に引っかかった安田がニュートラルからローギヤに入れる際に、プロペラシャフトが折れてしまったのだった。グリッドに付けずそのまま押されてピットガレージに入った車両は、優秀なメカニックの迅速な作業もあり約20分でプロペラシャフトを交換。ピットスタートながら決勝レースのスタートには間に合わせることができた。応援に駆けつけていた真行寺CTOも胸をなでおろし、挽回を誓う星野監督へエールを送った。

GT300の隊列の後方からレーススタートとなった安田だが、まずはGT300全車両をかわすのに9周を要した。その間ペナルティを受けた車両があり順位は14位へ。トップとの差は60秒程度と引き離されてはおらず、逆にトップグループがGT300車両に追いついていったこともあり、前のスペースの空いた安田は毎週2〜3秒ほど差を詰めながら快調に前を追いかけていった。25周目にはペースの落ちた車両をかわして13位でトップとの差は46秒まで詰めていた。さらに26周目に最終コーナーでクラッシュした車両があり、ここでセーフティカーが導入され、トップから14台は差が一気に詰まることとなった。

30周終了時点でレースが再開されるとピットインする車両が4台あり、チームは混乱を避けるために翌周でのピットインを決めた。安田はこのラップで1台をかわして9位へ浮上してオリベイラに交代。オリベイラは10位から前を追っていった。しかし36周目のシケインでオリベイラの直前でスピンを喫した車両があり、オリベイラはこれを避けることができず追突。さらにコースサイドに弾かれここで車両は動けなくなってしまった。

上位フィニッシュが期待されたレースで、まさかの事態に何度も見舞われ2戦連続でノーポイントとなってしまったが、もう一度気持ちを切り替えて次の富士で優勝を目指すこととなる。

安田裕信
「ピットスタートになってしまいましたが、安定したペースで走れ、順位も上げられましたし、セーフティカー導入でトップとの差は縮まりました。でもJPに交代してさあ追い上げというところで、避けようがないアクシデントに巻き込まれてしまいました。次の富士も軽いままで臨めますから、必ず優勝する覚悟で頑張ります」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「この週末は不運なことがたくさん起きました。しかしそれでもレース展開は私たちに有利なように動き始め、いい結果が望めるのではないかと期待していました。ところがシケインでスピンしたGT300車両がいて、咄嗟にそれを避けようとしましたが、彼が動き始めたので避けようがなく衝突しコースの左側でストップしてしまいました。それがすべてです」

7月23日1位/ドライ観衆:8,200人
24日11位/ドライ気温20℃
路面温度22℃(14時)
観衆:2万9,500人
ドライバー部門安田裕信/J.P.デ・オリベイラ10位/7点
チーム部門11位/10点

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