2016年SUPER GTシリーズは4月9〜10日に岡山国際サーキットにおいて開幕。安田裕信、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの「カルソニック IPUL GT-R」は、予選5位からスタートし中盤のピット作業時に6位へ順位を落としたが、5位を奪回すると最後は4位に0秒244差まで迫った時点でチェッカー。チャンピオン争いを展開した昨年開幕戦の7位より上々のスタートを切った。
春の嵐が通り過ぎ温かい陽気に包まれた岡山。周辺には桜やヤマツツジ、桃の花が咲き穏やかな週末となった。3年目のコンビを迎えたTEAM IMPULは、3週間前に当地で行われた合同テストでは4つのセッションのうち2つでトップタイムをマークするなど、高いモチベーションを持って現地入りした。そして予選日朝に行われた公式練習でも2番手につけるなど、まずまずの走り出しを見せた。しかし午後になると気温は25℃近くまで上昇。公式予選Q1は安田がコースインしてQ2進出ギリギリの8位となった。Q2ではオリベイラがアタックをするも5番手。開幕戦は3列目のスタートが確定した。「もっと寒くなると予想して今回のタイヤを選択しましたが、それが今日の路面に合いませんでした。明日も晴れたら厳しいレースになるかもしれませんが、頑張ります」とオリベイラは淡々と語った。
決勝日は薄曇りで、決勝前の気温も20℃程度。14時45分に82周の決勝レースがスタートした。今回スタートを担当したのは安田だった。6周目にはGT300車両を周回遅れにしながら、安田は混雑するコースで4台のRC Fを引き連れて走行。時おり背後につかれることもあったが、巧みなブロックでこれを封じ順位をキープした。後方ではレクサスRC F同士のバトルも展開され、その間に安田が逃げる態勢を作って12周目あたりから単独の5位を走行した。
折り返し点の手前、34周で安田はGT500クラスの先陣を切ってピットインしてオリベイラに交代。メカニックらも42秒と迅速な作業でオリベイラをコースへ送り出した。しかし次の周で安田の3台後方にいた#38 RC Fがオリベイラの前を走行していた。全車がピット作業を済ませるとオリベイラの順位は6位だったが、#38 RC Fとの差は1秒程度。オリベイラは隙をうかがい、46周目と49周目には並びかけるも追い越すまでにはいたらず。一旦2秒程度に差が広がるも、60周を過ぎたあたりからオリベイラが再びチャージをかけた。64周目からは0.5秒以内でピタリとマークすると71周目のヘアピンで並び72周目の1コーナーでついにこれをパスし5位に順位を戻した。さらに8秒あった4位の#6 RC Fとの差をラスト10周でジワジワと詰めていったが、0秒244差まで迫った時点でチェッカー。
昨年は7位だった開幕戦で5位ゴールとまずまずの結果を残し、得意とする富士へ比較的軽いウェイトで乗り込むこととなった。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「ピット作業で38号車の後ろになったのは残念でした。これを追うことで結構タイムロスがありました。できるだけポイントを取りたかったので38号車をもっと早く追い越せたら4位にもいけたでしょうね。実際最後のラップで6号車を追い抜くチャンスがあったのですが、パスすることはできませんでした。ブリヂストンといい仕事をして次のレースにもっといいパフォーマンスができるようにします。そして暑くなっても戦えるタイヤを準備しないといけないと思いました」