レースレポート

2015 SUPER GT 第4戦

8月8日〜9日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×66周)

カルソニック IMPUL GT-R
3位表彰台を獲得しポイントリーダーに

SUPER GT第4戦は、3か月ぶりに国内サーキットで開催。舞台となった富士スピードウェイには、夏休みということもあり多くのファンが詰めかけた。シリーズ2位につける#12「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、燃料リストリクター装着というハンディキャップのためにストレートスピードが伸び悩む中、最終ラップにオリベイラが3位を奪い表彰台を獲得。ついにポイントリーダーに浮上した。

開幕戦こそ7位で出遅れたものの、2位、4位と着実にポイントを加算してポイントランキング2位。しかし今回はハンディウェイトが54kgとなったため、規定により50kgに相当する燃料リストリクターを装着し、ウェイトは4kgを搭載することになった。燃料流入量が減ることでエンジンパワーは落ち、ストレートでは思うように加速できなくなるため、1.5kmと長いストレートを持つ富士では苦しい展開が予想された。

今回の公式予選ではQ2進出を狙いQ1をオリベイラに託すことにした。天候は晴れではあるが水蒸気の多い真っ白な空で、気温は28℃、路面温度は35℃と予想された温度より低めだ。このQ1でオリベイラは期待に応えセッション終盤に8位のタイムを叩き出して見事にトップ8が進出できるQ2へ。これには星野一義監督も思わずガッツポーズで満面の笑みを浮かべ、グランドスタンドのファンに手を振るほどだった。Q2では安田がミスもなく8位のタイムで、これで4列目からのスタートが確定した。

決勝日は雲はあるものの青空が出て決勝レース前には気温31℃、路面温度45℃と前日より温度も高くなった。今回はカルソニックカンセイ森谷弘史社長、須田恵美子VPが星野監督を表敬訪問。星野監督も我慢のレースとなるであろうが精一杯戦うことを誓った。また今回からチームピット内の設備がリフレッシュされ、スタッフも新たな気持ちでレースに臨んだ。

15時7分、15台のGT500マシンが1コーナーへなだれ込むように進入し66周のレースがスタートした。スタートを担当した安田は、ストレートスピードが伸びず順位を落としてダンロップコーナーへ。さらにここではライバル車に寄せられ失速する間に、登り区間の第3セクターで次々に抜かれて14位まで大きくドロップしてしまった。さらにストレート以外では前を行く車両を逆転してもストレートで再び抜き返されるという苦しい展開に。安田は10周目には12位へ順位を上げたが、13周目には再び14位へ。17周目にはラップタイムの落ちた車両をかわして13位へ上がるも、なかなか事態は好転せず27周目に早めにピットイン。ここでオリベイラにバトンタッチしピットワークも決まって実質的な9位でコースへ戻った。

44周目、順位を8位に上げたオリベイラはタイヤを労りながら終盤へ。前を走るライバルたちのタイヤのグリップが落ちて来た55周過ぎから追い上げを開始した。57周目に6位、58周目に5位、59周目には4位へ次々に順位を上げたがトップまでは11秒の差があった。しかし61周目に入ったところでホームストレート終盤でタイヤをバーストさせた車両がありタイヤやパーツがコース上に散らばり、その区間で追い越し禁止の黄旗が掲出され各車のペースが落ちた。これでオリベイラは一気に3位に追いつき、最終ラップのダンロップコーナーでアウト側から3位を奪い取りそのままゴール。中盤までの苦戦から一転、表彰台の一角を獲得しポイントリーダーに立つこととなった。

安田裕信
「スタートの周ではダンロップコーナーで#46 GT-Rの本山(哲)さんに並ばれて失速したところを次々に抜かれてしまいました。#19 RC Fや#64 NSX CONCEPT-GTはコーナーでは抜けるんですが、ストレートが伸びないのでそこで逆転されるという展開になってしまいました。前回、今回と自分のミスをJPが挽回しれてくれて本当にありがたいです。次からは恥ずかしくないような走りを見せたいです」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「残り10周ほどで自分の最大の仕事は果たせたと思います。運も味方してくれましたね。最終ラップもヘアピンでロニー(クインタレッリ)がミスをしたのか追いついたので、シケインでサイドバイサイドになって抜きました。もっと周回数があれば2位も狙えたと思います。ポイントリーダーに立ったとは言ってもまだ4戦目。残りの2レースが大事なのでそれまでひとつひとつポイントを重ねていきたいですね」

8月8日8位/ドライ観衆:2万400人
9日3位/ドライ気温31℃ 路面温度45℃(15時)観衆:3万6,400人
ドライバー部門安田裕信/J.P.デ・オリベイラ 1位/38点
チーム部門1位/50点

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