レースレポート

2015 SUPER GT 第1戦

4月4日〜5日 岡山国際サーキット(1周:3,703km×81周)

カルソニック IMPUL GT-R
初日トラブルもGT-R勢最上位の7位

2015年SUPER GTシリーズは、4月4〜5日、春の暖かさのなか岡山国際サーキットにおいて開幕。#12「カルソニック IMPUL GT-R」は、公式練習でトラブルに見舞われるも、予選8位を獲得。ウェットコンディションとなった決勝レースでは、安田裕信とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが一時3位を走行したが、路面コンディションとタイヤのマッチングに苦戦しNISSAN GT-R勢最上位となる7位フィニッシュとなった。

昨年より導入された車両、NISSAN GT-R NISMO GT500は改良された新たなエアロパーツをまとってのシーズンイン。開幕前にオリベイラは左手親指を骨折し開幕戦への参戦も危ぶまれたが、ギプスも取れて元気な姿を見せた。しかし走行時にはテーピングを施すなど痛みはまだ残り、指も十分には動かない状態だった。ただ開幕前のテストでは安田が多く走り込むこともでき、チーム全体のレベルが底上げされたようだ。

レースウィークの週末は、例年より気温は高いものの天候不順。初日朝の練習走行は弱い霧雨の残るウェットコンディションで始まった。しかしこのセッションで安田からオリベイラに交代した直後に車体右側から火が出て、車両はホームストレート上でストップ。キャタライザー(触媒)が裂けエキゾースト周りから火が出てカーボンや断熱材が燃えたため、直後からピットではそれらの交換作業が始まった。

メカニックらの懸命な作業もあり、車両は4時間余で予選直前には修復。Q1では安田がステアリングを握りセッション開始と共にコースインした。スタンドから拍手が送られるなか安田はコースを一周し車両の動きを確認。セッション中盤に再びコースインしてアタックに臨んだ。終了間際に安田は5位のタイムをマークするが直後に1台に更新され6位。順当にトップ8が進出できるQ2へ駒を進めた。Q2ではオリベイラがアタックしGT-R最上位となる4位につけるも、このラップの最終コーナーで四輪脱輪とみなされタイムは抹消。これで決勝は8番グリッドからのスタートが確定した。

前夜の雷雨が過ぎ去った決勝日だが、弱い雨は残りコースはウェットコンディションに。真行寺茂夫カルソニックカンセイCTOが、星野一義監督を表敬訪問した。安全運転啓蒙のために岡山県警の白バイ隊とパトカーの先導でパレードラップが開始され、フォーメーションラップの後14時37分に82周のレースがスタート。スタートを担当したのは安田だった。気温18℃、路面温度20℃でセミウェットコンディション。安田は混乱するオープニングラップを慎重に走り順位をひとつ落とすも、落ち着いた走りを続けタイヤが暖まるのを待った。10周を過ぎて安田はペースをアップ。一台ずつ先行する車両をかわしながら、22周目には4位まで順位を上げ、レース折り返し点に近い38周目にピットイン。ここでもメカニックの迅速な作業もあり、短いピットインでオリベイラがコースへ出ていった。

30周あたりからポツポツと降り出した雨はやがてコースを覆い始め、ラップタイムは4秒ほど落ちる展開に。オリベイラは8位でコースへ戻ると安定した走りで周回し、ピット作業がひと段落した49周目には3位へポジションアップ。やがて雨が弱まるとペースの速い車両にかわされ4位となった。終盤再び雨の量が増えると履いていたハードタイヤではペースが上げられず、7位まで順位を下げてゴール。GT-R勢最上位の結果ではあったが、ストレスのたまるレース結果となった。なお今回のメカニックの働きぶりが評価され、このレースで最も顕著な働きを見せたメカニックに贈られる「ZF AWARD」を受けた。

安田裕信
「JPと相談してハード(コンパウンド)のレインタイヤを選んだのですが、期待した以上に天候は回復しませんでした。それでも前半に4位まで順位を上げJPも3位までよく走ってくれたと思います。途中で雨が降らなければそのまま表彰台へ行けたので結果は残念。レクサスもホンダも速いですが、次は得意な富士なので上位でゴールしたいです。雨の中での応援はとても励みになりました」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「前半はタイヤ選択もうまくいって4位まで順位を上げることができました。私も3位まで順位を上げたのですが、雨が降り始めてしまってハードコンタイヤだった私たちには大打撃でした。終盤、クルマはほとんどコントロール不能で、コースオフしないようにかなり苦労しました。今日の天気を読むのは難しくタイヤの選択は失敗でしたが、今日の状態で7位は悪くないスタートだと思います」

4月4日8位/ウェット〜ドライ観衆:9,300人
5日7位/ウェット気温18℃
路面温度20℃(14時)
観衆:1万7,000人
ドライバー部門安田裕信/J.P.デ・オリベイラ7位/4点
チーム部門7位/7点

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