レースレポート

2014 SUPER GT 第7戦

10月3〜5日 チャーン インターナショナル サーキット(1周:4.554km×66周)

カルソニック IMPUL GT-R、
3位表彰台を獲得し、逆転を狙い最終戦へ

2014年SUPER GTシリーズ第7戦が、10月3〜5日、タイ東部のブリラムに完成したばかりのチャーン国際サーキットにおいて、こけら落としのイベントとして300kmレースで開催。ポイントランキング3位の#12「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、予選こそ10位に沈み、また決勝レースのオープニングラップで最後尾まで順位を落とす波乱のスタートとなったが、そこから自力で追い上げ3位でフィニッシュ。ポイントリーダーとの差を7点まで縮め、最終戦で逆転チャンピオンを目指すこととなった。

タイの首都バンコクから北東方面へクルマで7時間ほどの位置にあるブリラム。そこに国際格式のサーキットが完成した。ほぼフルフラットな土地に設営されたコースは、序盤に2本の長いストレートを配し、後半はテクニカルコーナーを連続させたもので、ドライバーが口々に「攻略が難しいがチャレンジングで面白い」と話していた。安田は初めてで、オリベイラは4度目の入国というタイ王国。日本の自動車メーカー工場もあり,モータースポーツも盛んに行われている。

今回のラウンドは、規定によりハンディウェイトがこれまでの「得点×2kg」だったのが「得点×1点」となり、12号車は49kgのウェイトのみで燃料リストリクターは装着されず。また今回はレースが初めて開催されるサーキットということもあり、金曜日の午後にコースウォーキングとフリー走行が設定されたが、このセッションでNISSAN GT-R勢はトップ4を独占し、上々の走り出しとなった。「コース攻略は難しいです。ラインを外すと滑りやすいしコーナーでのスロットルの加減もトライしています。でもとても面白いコースなので楽しんでいますよ」とオリベイラ。土曜朝の公式練習でもトップタイムをマークするなど好調さを見せつけた。

そして迎えた土曜午後の公式予選。気温33℃、路面温度51℃という真夏のようなコンディションで始まったQ1に出走した安田は、なかなかタイムが上がらない。このセッションでは、それまでの走行で履いていなかったソフトタイヤを選択してのアタックだったが、思うようにグリップせずまさかの10位にとどまりQ2への進出はならなかった。ピットで頭を抱えてうずくまるオリベイラの姿がTVモニターに映し出されたが、これで予選は終了。10番グリッドが確定することとなった。

日曜は朝から雲が張り出し気温も30℃程度までしか上がらない。現場にはカルソニックカンセイ細川光作専務執行役員、そしてカルソニックカンセイタイの現地出向者2名が応援に駆けつけた。15時に決勝レースのフォーメーションがスタートした。ステアリングを託されたのは安田で、スタートを決めて1コーナーでは2台をかわして長いストレートを駆け抜けヘアピンカーブのターン3へ。しかしここで他車両との接触によりコースからはみ出して最後尾までポジションを落としてしまった。しかしながらGT500クラス車両の隊列は大きく崩れることもなく、4周目にはGT300クラスを抜いて行く展開に。そんな中、接触や接近戦でコースオフを喫する車両も出て来て、安田は徐々にポジションを回復していき、9周目には9位へ。さらに26周目には8位まで順位を上げて折り返し点より手前の29周でピットイン。ここでタイヤを交換して給油を済ませオリベイラに交代した。

バトンを受け取ったオリベイラはコースに戻ると、序盤こそタイヤを労りながら様子見の慎重な走行だったが、ほとんどの車両がピットインを済ませたころからペースアップ。40周目にトップ10へ順位を戻すと、オリベイラのオーバーテイクボタンが「ON」になった。44周目に7位へ順位を上げると45周目には#18 NSX CONCEPT-GTを抜き去り6位。前を走る#24 GT-Rと共にトップとの差をグイグイと詰めていった。50周目にはトップとの差を10秒以内まで縮めた5位となり、52周目には4位。さらには終盤62周のターン1では#37 RC Fをかわして3位に浮上! トップとの差を6.6秒差まで縮めた3位でチェッカーを受けた。この結果、ランキングは4位ながらポイントリーダーとの差は7点差まで縮めることとなった。最終戦のもてぎではハンディゼロのガチンコ勝負。逆転戴冠を目指してチーム一丸となって最後の戦いに挑む。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「10番手からのスタートを考えると3位で表彰台に上がれたというのは上出来ですね。レースはひとつずつ順位を上げていこうと思って走りましたが本当に楽しめました。ランキング順位は下がりましたが、ポイントリーダーとの差は縮まりました。本当は来週に最終戦を戦いたい気持ちです」

10月4日10位/ドライ気温33℃/路面温度48℃(15時)観衆:4万2,597人
5日3位/ドライ気温34℃/路面温度52℃(15時)観衆:7万5,168人
ドライバー部門安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ4位/60点
チーム部門4位/77点

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