2014年SUPER GTシリーズ第5戦が、8月9〜10日、富士スピードウェイにおいて300kmレースとして開催。ポイントランキング2位の#12「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、88kgというハンディウェイトを抱えながらも、10番グリッドからスタートしたオリベイラが6位まで順位を上げ、後半は安田が8位を守ってゴール。3点を加算して、ポイントリーダーとの点数差を詰めることとなった。
夏休みの富士ラウンドは台風11号の影響で天候不順となったが、東京近郊のサーキットではゴールデンウィーク以来久しぶりの開催ということもあり、予選日から大勢のファンが朝早くからスピードウェイに駆けつけた。「カルソニック IMPUL GT-R」は88kgのハンディウェイトだが、50kg相当の燃料リストリクター調整＋38kgのウェイト搭載で、ストレートスピードは伸びず、さらに上り区間でも苦戦することが予想された。
9日の公式予選Q1は今にも雨が落ちて来そうな曇天。参加15台のうち上位8台がQ2へ進出できる。気温25℃の14時29分から15分間のセッションが始まった。ステアリングを握ったオリベイラはセッション終盤に1分30秒541のタイムで7位につけたが直後に他の車両がタイムアップして10位へ。さらに最後のアタックで1分30秒501まで詰めるが10位は変わらず、残念ながらこれで決勝グリッドが確定となった。
10日は朝から雨が強弱をつけて降り始めた。決勝レースは15時スタートに変更はなく、サポートイベントやピットウォークも予定どおり粛々と進行していく。今回はカルソニックカンセイの細川光作専務執行役員が星野一義監督を表敬訪問。星野監督も厳しいレース展開になると説明しながらもチーム一丸での活躍を誓った。15時、気温24℃というコンディションのもとセーフティカー(SC)の先導によりレースはスタートした。スタートドライバーはオリベイラ。2周終了時点でSCが隊列の先頭から外れ、ウォータースクリーンを上げながら各車がバトルを開始。そのラップで1台にかわされたものの、5周目、6周目、7周目とオリベイラは慎重にそして大胆に一台ずつをかわして8位へポジションアップ。しかし強い雨が降り出し10周目には再びSCランとなる。さらに雨脚はさらに強まり横殴りとなり16周を終えた時点で赤旗中断。しばし天候の回復を待つこととなった。
30分後にレースはSC先導で再開。19周終了時点でSCが外れバトル再開となった。25周目にリスタート違反をした車両がペナルティのためにピットインし、さらに一台をかわしたオリベイラは6位に。30周を過ぎるとルーティーンピットインをする車両が出始め、長めのスティントを担当することになったオリベイラは39周目には暫定トップへ。そして41周でピットインして安田に交代した。作業は給油だけでタイヤは無交換。しかしピット作業は若干タイムロスを喫し、安田は6位でコースへ戻ることとなった。
雨は弱まっており各車が通るライン上は既に水がはけて乾き始めていた。そんな状況の中、安田は苦戦を強いられ終盤の50周目には9位まで順位を落とした。52周目、先行されていた一台を抜き返し8位。そこへまたもや雨が落ちて来始め55周あたりから一気に強まった。59周目にまたもやSCが導入され、安田は再スタートを信じて前の車両との間隔を空けずに周回をしていたが、残念ながらSC先導のままで66周レースは終了となった。予選10位から粘り強い走りで順位を上げ3ポイントを加算。これでポイントリーダーとの差は4点に。残るレースは3戦。次の長丁場、鈴鹿1000kmはチャンピオン獲得に向けて重要な一戦となる。
安田裕信
「タイヤを交換せずに出ていったのですが、路面は乾いてしまいタイヤはブローしてしまい、順位を落とす結果となってしまいました。燃料リストリクターでストレートは伸びないし、次々に後続に逆転され非常にストレスのたまるレースとなってしまいました。それでも#39 RC-Fは抜き返しましたけれど、モヤモヤしたままです。これでランキングトップとの差は縮まりましたが、残る3つのレースでしっかり結果を残していきたいと思います」
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「雨のレースは楽しめました。タイヤを温存しながら走りましたが、燃料リストリクターとウェイトの影響でセクター3は厳しい走りになりましたね。確かに3点は追加できましたが、ピットストップで時間が余計にかかってしまいましたし、残念ながらヒロ(安田)に代わってから路面が乾いてきましたからね。5位でフィニッシュできたのではないかと思っているので、そのあたりは残念です。鈴鹿は大変なサバイバルレースになると思いますが、重要なレースなので、しっかり戦います」
