レースレポート

2014 SUPER GT 第4戦

7月19〜20日 スポーツランドSUGO(1周:3.704256km×79周)

カルソニック IMPUL GT-R、雨で混乱したレースで9位ゴール

2014年SUPER GTシリーズ第4戦が、7月19〜20日、スポーツランドSUGOにおいて300kmレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、84kgという換算ハンディウェイトを抱えながらも、13番グリッドからスタートしたオリベイラが降り出した雨の中4位までポジションを上げた。雨は一旦上がったが、終盤に安田が再び降り出した雨に足をすくわれコースアウト。ウェットタイヤに交換すると雨は上がり9位でフィニッシュ。貴重な2点を追加することでランキング2位につけた。

1か月半のインターバルを置いて迎えた東北ラウンド。しかし前線の影響もあり天気はぐずつき気味となった。今回もオートポリス同様、安全面を考慮してGT500車両の空力部品を富士仕様に統一。またホンダNSX CONCEPT-GTの最低車重が見直され13kg軽量となり熱害対策も施されたこともあり、ホンダ勢の躍進が予想された。ポイントリーダーであり84kgの換算ハンディウェイトを搭載(50kg相当の燃料リストリクター装着+34kgのウェイト搭載)する#12 GT-R。SUGOはコースのアップダウンが多く、重い車両は不利だが、ドライバーの頑張りで19日朝にウェットコンディションで行われた公式練習では、安田とオリベイラのコースアウトこそあったものの10位につけた。オリベイラのコースアウトはタイヤバリアへ達し大きなダメージを負ってしまったが、メカニックを含むスタッフの懸命で迅速な作業を開始。午後の予選までに車両は見事修復なった。また星野一義監督もメカニックたちに労いの声を掛けていた。

しかし午後の予選が始まる前から濃い霧がコースを覆い、あたりは白い世界に。しばらく様子をうかがったがこの日の予選はキャンセル。翌日朝に25分間の公式予選を行いグリッドを決めることとなった。雨の中足を運んだファンに対しては、予定されていたキッズウォークに代えピットウォークを実施。ドライバーもファンとの触れ合いを楽しんだ。

20日も朝から弱い雨ではあったが霧の心配はなく、気温21℃というやや肌寒い9時30分に15台のGT500マシンが一斉にコースインした。このセッションではドライバーはひとりが出走すれば良く、オリベイラがアタックを担当。しかしこのコンディションにタイヤがうまくマッチせずなかなかペースが上がらない。オリベイラのタイムは13位にとどまることとなりこれでグリッドが確定した。このコースは幅が狭くタイトなコーナーも多くアクシデントが起きやすく「SUGOには魔物が棲む」と言われるほど。アクシデントに巻き込まれなく最後までレースを走り切ることができれば、結果は自ずとついて来る。

あいにくの天候ではあったが、三連休とあって家族連れを中心とした2万8,000人のファンがサーキットに詰めかけた。今回もカルソニックカンセイ森谷弘史社長、真行寺茂夫副社長が来場し、星野一義監督を表敬訪問。星野監督も笑顔で出迎えドライバーと一緒に記念撮影をするなどリラックスしたムードとなった。14時にフォーメーションラップがスタートしたが、ここで雨がポツポツと落ちて来た。隊列が整わないこともありフォーメーションは2周が追加されたが、この間にコースはウェットコンディションになってしまった。14時07分、セーフティカーが隊列の先頭から外れて79周のレースがスタート。この時点でレインタイヤに履き替えようと7台の車両がピットイン。オリベイラはオープニングラップで2台の車両をかわして一気に5位に浮上。さらに滑りやすい路面を巧みにマシンコントロールしながら2周目には4位まで順位を上げた。やがてタイヤ交換をした車両に迫られるが、雨は弱まりラインが乾き出すと、レインタイヤを装着した車両は次々にピットインしてスリックタイヤに交換していった。オリベイラは前後との距離を置いた単独走行で4位を守っていたが、他の車両との接触があったのか左フロントフェンダーを破損。ややペースが鈍った36周目のバックストレートでかわされ5位となった。

 

42周でオリベイラはピットインして安田に交代。10位でコースに戻った安田は52周目に6位まで順位を上げていたが、またもや雨がコースを濡らし始めた。終盤この雨に乗った安田は最終コーナーでコースアウト。すぐにコースへ復帰し車両にもダメージはなかったが、ピットインさせレインタイヤに交換することとなった。しかし雨はすぐに止みコースの水量も減ったため、レインタイヤを履く安田はペースが上げられず、9位に順位を落としてチェッカー。しかしながら貴重な2点を追加して、チャンピオン争いには踏みとどまっている。

安田裕信
「JPがウェット路面で順位を上げてくれたのですが、終盤コースアウトを喫してしまいました。ピットの指示でタイヤを交換しましたが、残念ながら雨は上がってしまいました。5位ではゴールできたはずなので、今回のレースのことは早く忘れて気持ちを入れ替えたいです。富士はこの前のレースでも勝っていますし、重くて燃料リストリクターもついていますが、いいレースをしたいですね」

7月19日13位/ウェット観衆:9,000人
20日9位/ドライ気温22℃/路面温度27℃(14時)観衆:2万8,000人
ドライバー部門安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ2位/44点
チーム部門2位/54点

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