レースレポート

2014 SUPER GT 第2戦

5月3日〜4日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×110周)

カルソニック IMPUL GT-R、新型GT-R最初のウィナーに!

2014年SUPER GTシリーズ第2戦が、ゴールデンウィーク後半の5月3〜4日、富士スピードウェイにおいて恒例の500kmレースとして開催。#12「カルソニック IMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、ポールポジションからスタート。序盤2度にわたるセーフティカー(SC)でリードを吐き出し、またピット作業に手間取ったり、GT300車両との接触などストレスの溜まるレースとなったが、確実に周回を重ね2位以下に大差をつけて新体制で初優勝。ポイントリーダーに躍り出た。

高速コースである富士でGT-R勢は、新しいフロントバンパー、リヤウィングなど空気抵抗の低いエアロパーツに変更しての参戦。先に行われた合同テストではレクサスRC F勢が上位を独占していたが、GT-Rも車両を改良して特に上りのテクニカルセクションであるセクター3でのタイムアップを図ってのレースウィークとなった。2日朝に行われた公式練習で#12 GT-Rは5番手タイムだったが、GT-R勢全車4台がトップ5に入るなど好調さを見せた。またチームはセッティングを変更して午後の予選に備えた。

爽やかな五月晴れのなか14時15分に始まった公式予選Q1は風邪気味で発熱していた安田が頑張りを見せ、これまでのコースレコードを更新する1分29秒797でトップにつけQ1を突破。またQ2ではオリベイラがセッション終盤に、コースレコードをさらに更新する1分28秒799をマークしてポールポジションを獲得。「このタイムには自分も驚いています」とオリベイラ。星野一義監督も「(ドライバーに)ボーナスを500万円ぐらいあげたい」と手放しで喜んでいた。

4日の決勝日も前日同様の好天に恵まれ、朝早くから5万7,000人を超える大勢のファンが富士スピードウェイに詰めかけた。予選日との合計では延べ10万人近くが来場したことになる。今回の大会にはカルソニックカンセイ細川光作専務が来場し、星野監督を表敬訪問。星野監督もこのレースでの活躍を誓った。

決勝レースは14時に2周のフォーメーションラップがスタート。そして110周の決勝レースが始まった。オープニングラップで2位に3秒の差をつけたオリベイラはその差を広げにかかるが、4周目のストレートエンドでGT300車両が激しくクラッシュ。セーフティカー(SC)が導入され、マージンを吐き出すこととなった。9周が終了してレース再開。18周目には2位に6秒以上の差を付けて独走態勢に入っていたが、しかし19周目に2位を走行していた#46 GT-Rが車両火災を起こしてストップ。消火のために2度目のSCランとなりまたもやオリベイラのリードはなくなることとなった。22周終了でレースは再々開。今度は2位に浮上した#23 GT-Rをなかなか引き離すことができなかったが、34周目には5秒近い差をつけて徐々に独走態勢へ。42周を終了してピットインして安田に交代した。

しかしこのピット作業でホイールの装着に手間取り10数秒をロス。コースには#23 GT-Rに続く2位で戻るも、アウトラップで#1 RC Fにかわされ、さらにコカ・コーラコーナーでは#36 RC Fにもかわされるが、#36 RC Fは抜いた直後にオーバースピードでGT300車両と接触しスピン。安田は4位、実質的な3位で周回を重ねることとなった。50周目の1コーナーで安田は#1 RC Fをかわして2位へ浮上。しかしトップを10秒差で追いかけていた57周目のダンロップコーナーでGT300車両と接触。これで左フロントバンパーを壊しペースが鈍った。しかし徐々にペースは戻り追い上げ再開。14秒ほどまで広がったトップ#23 GT-Rとの差を中盤の67周目には7秒差まで縮めていった。

69周目の300Rでトップの#23 GT-Rがステアリング系トラブルのためにストップ。これを横目に安田はトップを奪回。今度は2位の#1 RC Fに15秒以上のリードを築く走りとなった。80周を終了して安田はピットインし再びオリベイラがステアリングを握ってコースへ。今度はピットでのタイムロスもなく送り出した。オリベイラと2位の差は27秒以上もあり、あとは残り30周ほどをトラブルなく走りきるだけ。しかし87周目にそれまでの1分31〜33秒台のラップタイムが突然1分36秒台に落ちた。さらにピットではタイヤ交換の準備を開始。オリベイラから無線が入るが、安田がタイヤカスを拾っただけと判断。オリベイラにコースにとどまるよう指示した。やがて88周目あたりからはラップタイムも1分32〜33秒台に安定。オリベイラはそのまま110周を走りきり、2位に24秒以上の差をつけて圧勝のトップチェッカー。チームとしては昨年のセパン以来、富士では一昨年の9月以来の優勝で、新車両&新体制では初の優勝。これで2戦を終えてのポイントランキングもトップに立つこととなった。

安田裕信
「優勝は久しぶりで本当にうれしいです。最初のピットインで右フロントタイヤの交換に手間取り時間をロスして4位まで順位を下げましたし、GT300車両との接触もありましたし、(タイヤかすを拾って振動が出る)ピックアップもありましたが、2位以下に大きな差をつけてTEAM IMPULらしい優勝ができました」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今日はストレスのたまるレースでした。2回目に乗ったときもタイヤから音が聞こえてきてこれはダメかなとも思いましたが、残り20周あたりでペースが戻って来てから優勝を確信しました。前回の3位と合わせてポイントリーダーに立てましたし、次のオートポリスでは重くなってしまいますが、走りきってポイントを着実に稼ぎチャンピオンを目指します」

5月3日1位/ドライ気温22℃/路面温度35℃(14時)観衆:3万2,200人
4日1位/ドライ気温20℃/路面温度36℃(14時)観衆:5万7,200人
ドライバー部門安田裕信/J.P.デ・オリベイラ1位/31点
チーム部門1位/37点

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