レースレポート
SUPER GT 第9戦11月8〜9日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×66周)
8日 : 雨のち曇り/ウェット、2万6,500人    9日 : 曇りときどき雨/ウェット〜ドライ〜ウェット、4万7,100人

カルソニック IMPUL GT-R、予選12位から今季2勝目を飾る!

予選12位 / 決勝優勝   ドライバー部門:セバスチャン・フィリップ=4位/61点、松田次生=5位/61点、チーム部門:4位/78点


SUPER GT第9戦は冷たい雨が降る富士スピードウェイにおいて開催され、カルソニック IMPUL GT-Rは濡れた路面の中、スリックタイヤを選択して12位からスタート。この選択がズバリ当たり18周目にトップに立つと、大量リードを保ったまま優勝。鈴鹿1000km以来、今季2勝目を飾った。


Copyright © Calsonic Kansei 
10kgのハンディウェイトを搭載しながらも、性能引き上げで25kg軽くなったカルソニック IMPUL GT-R(車重1,145kg)。晴天の7日に行われた練習走行では2位のタイムをマークするなど順調そうに見えた。しかし8日は朝から冷たい雨となりウェットコンディションでの予選に。アタック担当の松田次生がコースインするが、なかなか上位に食い込むようなタイムが出ない。一旦ピットインしてリアタイヤがグリップするようにウィングの調整をして再びコースイン。しかしセッティング、タイヤがウェットコンディションに合わず、GT500の専有走行枠終了間際に自己ベストの1分47秒040にタイムアップしたが12位にとどまった。GT300との混走枠ではセバスチャン・フィリップがステアリングを握った。後半には路面の雨の量が減ったこともあり、1分46秒120へタイムアップしたが12位というポジションは変わらず。優勝を狙ったレースの予選で、まさかのスーパーラップ進出を逃してしまった。

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9日は朝のうちは曇りだったがやがて弱い雨が降り出し、GTのコースイン時にはウェットコンディション。しかしスタート直前になって雨は止んでしまった。レインかスリックかタイヤ選択が難しいなか、松田は最後まで悩んだが、星野一義監督のアドバイス、そしてフィリップの「スリックであればチャンスがあるかもしれない」という発言でスリックタイヤを選んだ。GT500全16台のうちスリックを選んだのは、他には予選14位の#39SC430だけだった。


14時7分、66周の決勝レースがスタート。松田は1周目に15位までポジションを落としたが、タイヤが温まってきた4周目には一気に5位までポジションアップ。6周目には#39SCに続く2位へと大躍進を果たした。レインタイヤを履いた車両は次々にタイヤ交換のためにピットインしたため、7周目には3位の車両と60秒以上の差を広げることに成功した。11周目、発熱の早かったトップの#39SCとの差は7.5秒まで広がっていたが、松田がプッシュして16周目にはトップの背後にぴたりとつけ、18周目の1コーナーでついにトップを奪取! そこからじわじわとリードを作っていった。

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25周あたりから再び雨が落ちてきて松田のペースも周回ごとに1分40秒台から1分56秒台まで落ちたが、コースアウトをすることもなく、レースの約半分、32周でピットイン。ここでフィリップに交代しメカニックも完璧な作業で31秒ほどでピットアウト。フィリップは2位の#35SC430に40秒以上もの差をつけたトップのままコースへ復帰することになった。

フィリップは安定した走りを見せ、40秒ほどの2位との差を守ったまま周回。後半の49周目にはチャンピオン獲得を狙う#38SC430が2位に浮上したが、スタート時のタイヤ選択のマージンは大きく、フィリップも無理はせずに余裕の走りで歓喜のチェッカー。今季2回目の優勝を富士で飾ることになった。 この優勝で、同じGT-Rを駆る#23がドライバーズチャンピオンを獲得。カルソニック IMPUL GT-Rの優勝は、結果的に#23GT-Rへのナイスアシストとなった。そしてカルソニックカンセイのラジエターをはじめ製品を搭載したNISSAN GT-Rは9戦で7回もの優勝を遂げたのだった。

松田次生
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「予選はセットを外してしまいチームに申し訳ないことをしたと思いました。タイヤチョイスは最後の最後まで悩んだんですが、スリックにしたのは大正解でした。4周目まではコースにとどまることが難しかったのですが、#39についていこうと頑張りました。タイヤが温まってからは自分のペースで走ることができました。ピットインする前はまた雨が降ってきたんですが、無線で『頑張れ』と励まされました。交代してからはセバスチャンが素晴らしい走りをしてくれました。今年最後のレースで優勝を飾ることができて気持ちがいいです!」

セバスチャン・フィリップ
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「交代してすぐのアウトラップは、路面温度が低くてタイヤを温めるのが大変でした。でも(2位との)ギャップがあったし、温まってからは自分のペースで走ることができました。レースは最後まで何があるか分からないのでプレッシャーはありました。でもみんなが僕のことを見てると思って走りました。今年は浮き沈みの激しい1年でしたが、シリーズ4位を確保できたのが良かったです。来年はもっといい結果が出せると思います!」

Rd. 9 FUJI GT 300KM RACE
- Sunday,9 November, 2008 - Fuji Speedway
[ Start 14:07 - 66 Laps / Weather : Cloudy - rain Course : Wet - Dry - Wet ]
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田 次生 / セバスチャン・フィリップ 1:57'09.624 
2 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路 / リチャード・ライアン +12.270 
3 6 ENEOS SC43 伊藤 大輔 / ビヨン・ビルドハイム +13.927 
4 32 RAYBRIG NSX ロイック・デュバル / 平中 克幸 +41.177 
5 39 DENSO DUNLOP SARD SC430 高木 虎之介 / アンドレ・クート +42.915 
6 35 宝山 KRAFT SC430 ピーター・ダンブレック / 片岡 龍也 +58.891 
7 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー / カルロ・バン・ダム +1'47.061 
8 25 ECLIPSE ADVAN SC430 土屋 武士 / 石浦 宏明 +1Lap 
9 22 XANAVI NISMO GT-R 本山 哲 / ブノワ・トレルイエ +1Lap 
10 17 REAL NSX 金石 勝智 / 金石 年弘 +1Lap 
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セバスチャン、結婚式を挙げる

セバスチャンが第8戦・オートポリスの後、フランスにて結婚式を挙げた。実は奥さんのヴィルジニーさんとは14年も同棲していて4歳の娘(ルイーズちゃん)もいるのだが、ようやくちゃんとした式を挙げたのだそう。結婚式どうだった?「みんなに祝福してもらってハッピーだったよ」。で、生活は変わった?「何にも。同じままだよ」と幸せそうに笑っていました。

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カルソニックカンセイ役員、チームを表敬訪問

決勝日の9日、呉文精最高経営責任者兼最高執行責任者(写真)をはじめ、真行寺茂夫副社長執行役員、林隆司専務執行役員、米坂知明常務執行役員といった首脳陣がチームを表敬訪問した。応援の甲斐もあり、チームは見事優勝。表彰台の真ん中に立つ松田、フィリップの両選手の雄姿には、首脳陣も大喜びだったようです。

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