レースレポート
SUPER GT 第3戦5月3〜4日 富士スピードウェイ(1周:4.563km×110周)
3日 : 小雨〜曇り/ウェット〜ドライ、3万1,100人    4日 : 晴れ/ドライ、5万6,900人

カルソニック IMPUL GT-R、ウェイトに苦しみながらも9位ゴール

予選10位 / 決勝9位   ドライバー部門:松田次生、セバスチャン・フィリップ=4位 / 20点、チーム部門:6位 / 22点


今回、開幕戦に比べ115kgも重量増となった#12カルソニック IMPUL GT-R。その重さに苦しみながらも予選ではGT-R唯一のスーパーラップ進出を果たし、決勝でも接触によるスピンを喫しながらもGT-R最上位となる9位でゴールした。


Copyright © Calsonic Kansei 
第3戦を前にNISSAN GT-R全車に特別性能調整として80kgのウェイトが搭載。#12 GT-Rは、第2戦の成績で受けたウェイトハンディもあり、車重は1,215kg(100kgのウェイト搭載と15kg分のリストリクター調整)となった。

予選日は予選開始1時間ほど前から弱い雨が降り出してコースはウェットに。10時20分にGT500の専有走行となり、開始10分で次生がインターミディエイト(浅溝)タイヤで1分43秒400をマークして5位につけた。そのころ雨が一時止みスリックタイヤに付け替えてコースへ出るチームも。次生は1分42秒506へタイムアップするも6位へ。次の周にスリックタイヤに交換すべくピットインしたが再び雨が降り出して、そのままコースへ戻った。しかしその後はタイムアップできず10位。混走枠で3位につけていた車両が黄旗追い越し区間でスピンを喫しすべてのタイムが抹消されたこともあり、9位というポジションでGT-R勢の中で唯一スーパーラップ(SL)進出を決めた。 「雨の中で粘って走っていたのが結果的に良かった。SLは正直きついですが、GT-Rの中では2番目に重いのに唯一SLに進めました。僕の中では上出来です」と次生。

完全ドライになったSLでは、さすがに車重的につらいGT-Rでは本来の性能を引き出すことはできず10位にとどまることになった。

Copyright © Calsonic Kansei 
4日の決勝日は雨も上がり絶好のレース日和になった。500km(110周)という長いレースだけに、しぶとく生き残ることが大切。スタートを務めるのは今回もセバスチャン。最初のスティントと次生に替わる2回目のスティントは長めにし、最後の短いスティントで燃料を軽くして追い上げる作戦だった。また車重的にストレートスピードが伸びないため、レスダウンフォースのセッティングで臨むことになった。

レスダウンフォース仕様のためにコーナリングを慎重に走ったセバスチャンは、1周で2ポジションダウン。苦しいレースは続き4周目にもひとつポジションを落とし13位へ。そしてラップ遅れが出だすと背後に#22 GT-Rを引き連れての走行となった。18周目のヘアピンでセバスチャンがやや膨らんだところで#22 GT-Rがインを突いて2台が接触。セバスチャンはたまらずスピンを喫した。レースにはすぐに復帰するも15位までポジションダウンとなった(審議の末、#22 GT-Rには接触行為でペナルティが与えられた)。

Copyright © Calsonic Kansei 
30周の手前から最初のピットインをする車両が出始め、スティントを長く取ったセバスチャンはライバル車両がピットインをするたびにポジションアップ。39周目にはついにラップリーダーとなった。そしてトップを守って41周でピットイン。次生に交代した。16位でコースへ出た次生はすぐに1ピット作戦の#23 GT-Rをパスして15位へ。60周目にはトップの車両に周回遅れにされてしまうが、それでも粘りの走りでジワジワとポジションを上げていき、他の車両が2回目のピット作業をしていく76周目には7位までポジションアップ。しかし既にリヤタイヤはグリップを失っており、2回目のピットインの目前、81周目のヘアピンでスピンを喫してしまった。

次生はたまらず2回目のピットインをしてタイヤを交換。燃料軽めで11位から追い上げに入った。終盤の95周目には入賞圏となる10位、そしてファイナルラップには9位の車両が他車と接触スピンしたスキにポジションを上げて9位でゴール。GT-R勢の中で唯一の入賞を果たした。

松田次生
Copyright © Calsonic Kansei 
「正直ウェイトが足かせになりつらいレースになりました。苦戦は予想はしていましたが、大勢のファンにもっといいところを見せたかったです。重いのでストレートスピードが伸びずレスダウンフォース仕様にしましたが、その分リヤタイヤに負担がかかり、2回目のピットイン直前はタイヤがズルズルでした。最後のスティントはプッシュして9位という結果が残せました。GT-Rの中でトップチェッカーというのは自分の中で大きいですね。次のセパンはウェイトハンディも10kg(計1,190kg)に減るので、他といい勝負ができると思います。上位入賞、優勝を目指します!」

Rd. 3 FUJI GT 500km
- Sunday,13 April, 2008 - OKAYAMA International Circuit
Start 14:00 - 110 Laps / Weather : Fine Course : Dry
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路 / リチャード・ライアン 3:02'28.036 
2 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー +13.882 
3 18 TAKATA 童夢 NSX 道上 龍 / 小暮 卓史 +15.893 
4 100 RAYBRIG NSX 井出 有治 / 細川 慎弥 +16.693 
5 35 宝山 KRAFT SC430 ピーター・ダンブレック / 片岡 龍也 +23.497 
6 6 ENEOS SC430 伊藤 大輔 / ビヨン・ビルドハイム +32.048 
7 32 EPSON NSX ロイック・デュバル / 平中 克幸 +1'03.639 
8 25 ECLIPSE ADVAN SC430 土屋 武士 / 石浦 宏明 +1Lap 
9 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田 次生 / セバスチャン・フィリップ +1Lap 
10 17 REAL NSX 金石 勝智 / 金石 年弘 +1Lap 
Copyright © Calsonic Kansei 
カルソニックカンセイ役員
チームを表敬訪問

4日朝、カルソニックカンセイの林隆司専務執行役員(EVP)、中西敬二取締役、山縣秀司取締役が富士でレースを観戦。チームを表敬訪問して星野一義監督を激励した。監督もピットで車両の説明をしたりして歓迎。25年を超える密接な関係は今後も続いていくことでしょう!

6月21〜22日 セパン・サーキット(マレーシア)
7月30〜31日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

ページトップへ