レースレポート
SUPER GT 第7戦9月8〜9日 ツインリンクもてぎ(1周:4.801km×63周)
8日 : 晴れ/ドライ、1万4,000人    9日 : :晴れ / ドライ、3万8,000人

カルソニック インパル Z
不運なアクシデントで序盤にリタイア

予選8位/決勝リタイア
ドライバー部門:星野一樹=13位/19点、B.トレルイエ=16位/15点、J.デュフォア=23位/4点   チーム部門:13位/31点


ブノワと一樹のコンビが3戦ぶりに復活した第7戦。これで前半の調子が戻るかとの期待がかかった。前回の流れを変えるためにも何としてでもポイントを獲得したかった。しかし今回も序盤に不運なアクシデントに見舞われ、わずか10周目で残念ながらリタイアとなった。


Copyright © Calsonic Kansei 
今回も鈴鹿1000km同様1,100kgでφ29.6×2という仕様を選んだカルソニック インパルZ。7日に2回行われる予定だった練習走行は、台風9号の影響により午前中の走行がキャンセル。午後に1時間を追加して2時間半のセッションが行われた。2時間の混走枠では主に決勝用のセッティングを行ったが、1分48秒510で13位と思うようなセッティングが決まらない様子。最後の15分間のGT500専有セッションでは、新品タイヤを履いてアタックをかけ1分46秒954で7位につけた。

今回は予選方式に新たな試みが行われ、予選2回目に通常のスーパーラップを行わず、「ノックダウン方式」が初めて採用された。ノックダウン方式はF1で行われているような“勝ち抜き戦”スタイル。15分間のセッション1で16台がトップ12台に、10分間のセッション2で12台がトップ8台に絞られ、最後の10分間のセッション3でトップ8の順位が決まるというもの。2セットある予選用タイヤは、予選2回目では1セットしか使用できない。

8日は雲は多いが晴天で、気温32℃と残暑が戻ってきた。基準タイムクリアのためのセッションとなった予選1回目は10時50分にスタート。まずブノワが乗り込み1分46秒561でクリアし一樹に交代。一樹も難なくクリアしてGT500の専有セッションを終了した。混走セッションではブノワがセッティングを変更しながら走行したが、暴れるマシンを押さえつけるようなアグレッシブな走りでファンを沸かせた。結果ブノワが最初に出した1分46秒561で9位となった。
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そして蒸し暑い天候の中、14時50分から予選2回目のセッション1がスタートした。タイヤの磨耗を抑えるために主要チームはコースインを遅らせ、残り7分となって次々にコースへ。そして残り3分の時点でブノワが1分45秒838で2位につけた。その後2台の車両がブノワのタイムを上回ったため、結果的に4位となり難なくセッション1を通過した。

7分間のインターバルとGT300のセッション2を挟み、15時27分からGT500のセッション2が始まった。残り3分でブノワは1分46秒521をマークして結果的には6位となり、このセッションも勝ち抜けを果たした。15時54分、いよいよ最後のセッション3。しかし既にタイヤは磨耗していて、残り2分で1分46秒897で4位につけるも次々に他車両がブノワのタイムを上回っていく。ブノワは連続アタックを試みて1分46秒795にタイムアップ。しかし残念ながら8位にとどまり、これで緊張感あふれるノックダウン予選は終了した。

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9日の決勝日も前日同様朝から雲は多いものの晴れとなり、気温は31℃の真夏日となった14時、フォーメーションラップがスタート。ここもてぎは90度ターンやストップ&ゴーの区間が多く、ブレーキやタイヤに厳しい。スタートドライバーは混雑するポジションということもあり、一樹が指名された。確実に前半を走りきり、後半に追い上げるという目論見だ。スタート直後の2コーナーで3位スタートの車両がスピン! これを避けようと後続は混乱。一樹は接触はうまく避けたものの行き場を一瞬失い12位にポジションダウン。11位とはわずかに距離があったが、2周目にはこれに追いついて周回を重ねていった。6周目には11台による6位争いの長い隊列ができ、12位の一樹はワンミスも許されない状況でドライビングを続けていった。

しかし10周目の5コーナーで周回遅れとなったGT300車両が単独スピンを喫してレコードラインへ。そこへ10位を走行していたNSXが避けきれずに2台はクラッシュ。一樹の直前を走行していたGT500とGT300車両がこれを避けようと左右に動いた。ここで一樹の目に飛び込んできたのはクラッシュして止まっていた2台の車両。どうすることもできずに一樹はボンネットが吹き飛ぶほどの衝撃でGT300車両に追突。一樹はなんとか自力でマシンから降りたが、身体の痛みよりも追突したショックの方が大きいようだった。もらい事故のような今回のアクシデントで、ノーポイント。アクシデントの直前まで前後にいた車両が6、7位でゴールしているだけに、何もなければそのあたりの結果は残ったはずだった。

2戦連続リタイアと残念な結果になったが、次の舞台・オートポリスはZに相性のいいサーキット。残りは2戦しか残されていないだけに、今季最高の結果を残すしかない!


Rd. 7 MOTEGI GT 300KM RACE
- Sunday,9 September, 2007 - Twin Ring Motegi / 14:00 〜 63Laps fine / dry
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 18 TAKATA 童夢 NSX 道上 龍 / 小暮 卓史 1:56'35"569 
2 22 MOTUL AUTECH Z ミハエル・クルム / 松田 次生 -18"598 
3 6 Forum Eng. SC430 片岡 龍也 / ビヨン・ビルドハイム -30"216 
4 32 EPSON NSX ロイック・デュバル / ファビオ・カルボーン -1'07"955 
5 24 WOODONE ADVAN Clarion Z ジョアオ・パオロ・デ・ オリベイラ / 荒 聖治 -1'08"471 
6 1 宝山 TOM'S SC430 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー -1'14"476 
7 17 REAL NSX 金石 勝智 / 金石 年弘 -1'14"662 
8 25 ECLIPSE ADVAN SC430 土屋 武士 / 織戸 学 -1'44"861 
9 35 BANDAI DUNLOP SC430 服部 尚貴 / ピーター・ダンブレック -1'48"263 
10 39 デンソー サード SC430 アンドレ・クート / 平中 克幸 -1Lap 
R 12 カルソニック インパル Z ブノワ・トレルイエ / 星野 一樹 -54Laps  
星野監督、赤いちゃんちゃんこ姿に

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予選日の午後、メディア関係の有志が主催して、インパルのピット裏テントで、26年間星野一義監督をサポートしてきたカルソニックカンセイスタッフの引退セレモニーが行われた。星野監督も同席して還暦のふたりにプレゼントが渡された。包みの中身は赤いちゃんちゃんこと頭巾。ふたりそろってハイポーズ。星野監督もキスをするポーズを見せてご機嫌モード! たくさんのメディアが詰め掛けて、たくさんの笑い声が上がった素敵な時間だった。

ジュール君、大きくなりました

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2日に1歳のバースデーを迎えたブノワの長男、ジュール・カズキ・トレルイエ君が久々にサーキットに顔を見せた。パパに抱かれていろいろなものに興味を示すジュール君。もうヨチヨチ歩きはできるようで、愛らしい笑顔を振りまいていた。ブノワも彼に癒されてるんだって。「身体が大きいので将来はスモーレスラーにさせたい」と言っていたブノワだが、さてジュール君、どこまで大きくなるんだろう?

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10月20〜21日 オートポリス(大分県)

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