レースレポート
SUPER GT 第6戦8月18〜19日 鈴鹿サーキット(1周:5.807km×173周)
18日 : 晴れ/ドライ、2万1,000人    19日 : :晴れ〜雨〜晴れ / ドライ〜ウェット〜ドライ、3万5,500人

カルソニック インパル Z
今年は中盤に残念なリタイア

予選10位/決勝リタイア
ドライバー部門:星野一樹=13位/19点、B.トレルイエ=16位/15点、J.デュフォア=23位/4点   チーム部門:10位/31点


フォーミュラ・ニッポンのアクシデントでケガを負いSUGOラウンドをスキップしていたブノワが帰ってきた。元気な姿と明るい笑顔を見せていたブノワはもちろん、スタッフ全員は、圧倒的な速さでポールtoフィニッシュを遂げた昨年同様、この鈴鹿1000km制覇を狙っていた。しかし結果は、火災、そしてクラッシュと早々と姿を消す結果になってしまった。悔しいノーポイント。残りの3戦で巻き返しを狙うしかない!


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今回の車両は、規定により「1,150kgの車重で性能調整(-25kg)とウェイトハンディ(+10kg)」、つまり車重は1,135kgで、1ランクの性能アップ(φ30.2×2)を受けることができるが、チームでは1,100kgでφ29.6×2という仕様を選んだ。「燃費や重さ、そしてタイヤへの負担などトータルで考えました。VH45DEエンジンもまだ1,000kmという長丁場を走りきっていませんし。通常の300kmレースだったら1,135kgでφ30.2×2を選んだでしょうね」と村田卓児エンジニア。残暑厳しい時期に行われるシリーズ最長のイベントでは、いろいろなことを考えなければならないようだ。
「本当はまだほんの少し痛みがあるけれど、レースは問題ないよ」と笑うブノワ。今回は前戦SUGOから合流したジェレミーも加わって、昨年の優勝トリオでの参戦となった。

18日は朝から気温がぐんぐん上がり、予選1回目が始まる10時直前で既に気温36℃、路面温度47℃。10時30分、セッションも残り10分を切る時間になって各車が次々にコースイン。ステアリングを握ったブノワは残り2分となった時点で、1分55秒881でトップに立った。しかし直後に1台にかわされ2位となりセッションは終了。昨年の再現へ向けてまずまずのポジションを得た。

午後の予選2回目は、気温は35℃とあまり変化はなかったが、路面温度は52℃とかなり上昇。スーパーラップは9番目の出走となったブノワがコースイン。ターゲットタイムは同じZがマークした1分55秒781だ。S字で暴れるマシンをねじ伏せるように走るブノワは、セクター1でトップタイムをマークした車両よりも0秒314速く通過し、ダンロップコーナーを上がっていった。ところが続くデグナーカーブの1個目でリヤが外へ滑ったのか? カウンターステアを当てるもコースオフ。
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縁石で跳ねたマシンはそのままグラベルベッドの砂を撒き上げながらタイヤバリアに突っ込んで止まった。直後、ブノワはギヤをリバースに入れてコース復帰をしようとしたが断念。残念ながらノータイムで予選10位となってしまった。しかしブノワのアグレッシブなドライビングスタイルがSUPER GTに戻ってきたのは確か。決勝レースでの巻き返しが期待された。

19日の決勝日も前日同様朝から晴れとなり残暑が厳しくなった。気温は33℃だが、路面温度は51℃とスターティンググリッドに立っているだけでも汗が噴き出してくる。13時05分、173周の決勝レースがスタートした。10位スタートのブノワは、スタート時に#1SC430にかわされひとつポジションダウン。しかしピタリとマークすると7周目の1コーナーで逆転しポジションを戻した。8周目には#6SC430、さらに9周目には#18NSX、11周目のシケインでは#100NSXをかわして5位。さらにはペナルティを受けた車両もあり17周目には4位まで一気にポジションを上げることに成功した。しかし6台による2位争いのバトルの最中、ダンロップコーナーで#18NSXに当てられたブノワはハーフスピンを喫した。幸いポジションをひとつ落としただけだったが、スタートで装着していたのがソフトタイヤだったこともあり、18周でピットイン。ここでジェレミーに交代した。

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ところが給油時、ガソリンに火がついた。幸いドライバーやスタッフにケガはなかったものの、消火作業と配管のチェックに時間を要し約1周分のタイムロスを喫することになった。最後尾まで沈んだジェレミーは、GT300車両を慎重にかつ次々にパスしながら周回を重ね41周には14位へ。さらに47周でピットイン。ここで一樹に交代した。

マシントラブルやタイヤバーストなど荒れたレースは2時間を経過、レースの1/3を過ぎて安定したかに思われた。しかし63周目の130Rで突然リヤのグリップを失った一樹が、リヤ側から激しくクラッシュ。何とかコースへ戻ってきたがリヤハッチとウィングを失ったままピットガレージへ。そのままリタイアを喫することになった。

残念な結果に終わった鈴鹿1000kmだが、次のレースは3週後に迫っている。残り3戦はすべてのレースのポイントがカウントされるだけに1点でも多くのポイントを獲得し、チャンスがあれば優勝を飾りたい。スタッフもドライバーも雪辱に燃えているに違いない。次のツインリンクもてぎでは、新たな予選方式が採用されるなど話題も多いレースとなる。後半戦の活躍に期待したい!


Rd. 6 36th International Pokka 1000km
- Sunday,19 August, 2007 - Suzuka Circuit / 13:05 〜 173Laps fine - rain / dry - wet
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 1 宝山 TOM'S SC430 脇阪 寿一 / A.ロッテラー / O.ジャービス 6:04'10"983 
2 8 ARTA NSX 伊藤 大輔 / R.ファーマン / 井出 有治 -9"940 
3 23 XANAVI NISMO Z 本山 哲 / R.ライアン / 安田 裕信 -1Lap 
4 100 RAYBRIG NSX D.シュワガー / 細川 慎弥 -1Lap 
5 17 REAL NSX 金石 勝智 / 金石 年弘 / 伊沢 拓也 -2Laps 
6 22 MOTUL AUTECH Z M.クルム / 松田 次生 -2Laps 
7 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路 / 高木 虎之介 -3Laps 
8 3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z S.フィリップ / 柳田 真孝 -3Laps 
9 6 Forum Eng. SC430 片岡 龍也 / B.ビルドハイム -3Laps 
10 24 WOODONE ADVAN Clarion Z J.P.De.オリベイラ / 荒 聖治 -3Laps 
R 12 カルソニック インパル Z B.トレルイエ / 星野 一樹 / J.デュフォア -110Laps  
9月8〜9日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

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