レースレポート
SUPER GT 第5戦7月28〜29日 スポーツランドSUGO(1周:5.543km×54周)
28日 : 曇り/ドライ、1万6,250人    29日 : 曇り一時雨/ウェット〜ドライ、2万9,000人

カルソニック インパル Z
荒れたレースを7位にまとめる

予選12位/決勝7位
ドライバー部門:星野一樹=12位/19点、B.トレルイエ=14位/15点、J.デュフォア=19位/4点   チーム部門:9位/31点


突然発表されたブノワ・トレルイエの欠場。先のフォーミュラ・ニッポンのクラッシュによるケガが完治していない(左足にまだ痛みが残る)ため大事を取った。代役に起用されたのは昨年の鈴鹿1000kmで第3ドライバーとして起用され、見事優勝を遂げたジェレミー・デュフォア。そして星野一樹が予選アタッカーに初めて挑戦。スーパーラップ(SL)に進出はならなかったが、ウェットコンディションとなり荒れた決勝レースでは安定した走行を見せ、後半はジェレミーが接触&スピンを喫しながらも7位完走。まずまずの結果を残したのだった。


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第3戦の3位という結果により今回は20kgのハンディウェイトを搭載しての参戦となった。28日は朝から曇りで予選が始まる直前の気温は27℃と蒸し暑い。11時33分から20分間の専有走行枠が始まった。序盤からアタックに入った一樹はまず1分17秒152までタイムアップ。続いて終盤にもアタックを行い1分16秒945まで縮めたが、最後のアタックの周にアタックを終了した他車両に進路をふさがれてアタックをやめざるを得なかった。結果は14位でSL進出はならず。このため午後の予選2回目は決勝レースを見据えセッティングの確認に費やした。
「ブノワの欠場は1週間前に言われたので、予選は自分がやるしかないと思っていました。金曜日に予選をやれと言われましたが、責任重大ですよね。でもいい経験になりました。本山さんにアドバイスをもらったりして自分なりに気持ちを高めて行ったのですが、自分の力がないことを痛感させられました。最後のアタックは3コーナーで前のクルマがスローダウンしてシケインまで引っかかってしまったのであきらめました。でもそこでタイムアップしたとしてもスーパーラップには行けなかったでしょう」と一樹。
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久々に来日したジェレミーは「今年のZはエンジン、トルクが去年よりもすごくいい。アクセルコントロールがNAになって少し難しいけれど、パワーも上がっているしエアロダイナミクスもいい。今回のレースはポジションは良くないですが、頑張ります。鈴鹿1000kmでもこのチームで走る予定ですが、ブノワが帰ってくれば大丈夫。いい結果が出ると思います」と日本語で答えた。

決勝レースが行われる29日は朝からぐずついた空模様となった。13時からのウォームアップのころから雨がポツポツと落ち始め、一時は強い雨となりスタート進行は完全なウェットコンディションに。今回はセーフティカー(SC)先導のスタートと発表されたが、各車とも直前までタイヤ選択に悩んだ結果、インパルは浅溝のレインタイヤを履くことになった。予選11位の車両がマシントラブルのためにピットへ。これでグリッドはひとつ上がって13番目となった。気温は20℃、路面温度は24℃で肌寒い。

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13時58分、81周の決勝レースがSCランでスタートした。スタートドライバーは一樹が担当だが、こちらの経験は何度もある。5周目に再び雨が降り始め、6周終了時点でSCがピットへ。ここから本格的なバトルが始まった。慎重にしかし確実に走る一樹は、#35 SCに抜かれたが次の周には#25 SCをパス11周目には1台のマシンがクラッシュしたこともあり12位へ順位を上げた。さらにGT300マシンを周回遅れにしながら周回を重ねていく。26周目には序盤にかわされた#35 SCを抜き返し、深溝タイヤを装着してペースの上がらない#23 Zを先頭とする8位争いのグループに入った。雨は既に上がりレコードラインの水の量も徐々に減ってきた29周目、レインボーコーナーで#23 Zの背後にいた#100 NSXがスピン。ここで落ち着いてかわした一樹は9位へポジションをアップさせた。

ほぼ中間点となる41周で一樹がピットインすると、ジェレミーに交代して給油、そしてスリックタイヤを装着してコースイン。他車両のルーティーンピットが終了すると8位までポジションを上げていた。レコードラインは完全にドライだが、ラインを外すとまだ一部は濡れている。そのような状況の中、53周目のシケインでGT300車両と接触したジェレミーはたまらずスピン。一瞬ひやりとさせられたが、9位でコースに復帰した。その後は終盤にポジションを2つ上げて7位でゴール。エース不在の状況で4点を獲得し、さらに次の鈴鹿ではハンディウェイトは10kgとほぼ影響のない状態で臨めることになった。昨年涙の優勝を飾った鈴鹿1000kmでは、ブノワもチームに帰ってくる。このSUGOラウンド直後に行われるツインリンクもてぎで行われる合同テストで一樹とジェレミーがマイレージを増やし、チームはさらにたくましくなることだろう。


星野一義監督
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「今回は7位ということで4点を取れたし、20kgのウェイトを下ろしたいいタイミングで鈴鹿に行けることになったのは良かったね。星野(一樹)の予選アタックというのはすごく心配したんだけど、誰も納得はしていないと思うよ。そういうプレッシャーを経験できたことは良かったと思うけれど、今日のレースも雨の中で浅溝タイヤを履いて走るなどいい経験になったと思う。もてぎのテストではまだブノワは走れないけれど、その分ふたりに走り込んでもらって、鈴鹿は『夢よもう一度』という感じで臨みたいね」


Rd. 5 SUGO GT 300KM RACE
- Sunday,29 July, 2007 - SPORTSLAND SUGO
13:58 〜 81Laps rain / wet
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 8 ARTA NSX 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン 2:01'17"063 
2 18 TAKATA 童夢 NSX 道上 龍 / 小暮 卓史 -0"282 
3 32 EPSON NSX ロイック・デュバル / ファビオ・カルボーン -23"302 
4 3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z セバスチャン・フィリップ / 柳田 真孝 -23"816 
5 1 宝山 TOM'S SC430 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー -40"398 
6 39 デンソー サード SC430 アンドレ・クート / 平中 克幸 -1'20"106 
7 12 カルソニック インパル Z 星野 一樹 / ジェレミー・デュフォア -1Lap 
8 25 ECLIPSE ADVAN SC430 土屋 武士 / 織戸 学 -1Lap 
9 35 BANDAI 00 DUNLOP SC430 服部 尚貴 / ロニー・クインタレッリ -1Lap 
10 24 WOODONE ADVAN Clarion Z ジョアオ・パオロ・デ・ オリベイラ / 荒 聖治 -3Laps 
8月18〜19日 鈴鹿サーキット(三重県)
8月1〜2日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

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