レースレポート
SUPER GT 第4戦6月23〜24日 セパン インターナショナル サーキット(1周:5.543km×54周)
23日 : 曇り〜晴れ/ドライ、3,500人    24日 : 晴れ/ドライ、3万4,150人

カルソニック インパル Z
2ピット作戦で3位表彰台を獲得!

予選4位/決勝3位   ドライバー部門:B.トレルイエ/星野一樹=11位/11点   チーム部門:9位/14点


灼熱のセパンラウンドでは、タイヤを温存する1ピット作戦か、それともフレッシュタイヤを履いて攻めに出る2ピット作戦か、難しい選択だった。そしてインパルは後者を選択した。35周目に2回目のピットインでブノワに交代したが、この時点でトップとの差は41秒差の9位。残る周回数は20周弱。1周あたり2秒を縮めて行っても逆転は難しい状態だった。しかしブノワは再び攻めのレースを展開。次々とライバルをパスすると51周目にはとうとう3位まで浮上し、今季初の表彰台を獲得した。勝つことはできなかったが、新型Zのセッティング方向も見え手応えを感じたレース。いよいよこれから巻き返しだ!


Copyright © Calsonic Kansei 
ニューモデル2戦目となった第4戦セパンラウンド。今回のレースはハンディウェイトを搭載していない状態なので好成績が期待されたが、金曜日のフリー走行でいかにセットアップを煮詰められるかがカギになった。セパンは春のF1後に路面の舗装をやり直しており、一部では滑りやすく、また1コーナーや最終コーナーではグリップがアップしているという。この日のフリー走行では11位のタイムをマークして、チームはまずまずの手応えを感じた。

23日の予選日は、朝のうちに出ていた雲が取れて、予選が始まる11時には気温32℃、路面温度44℃まで上昇した。11時20分からはGT500の専有走行で、開始16分でブノワが1分56秒256で暫定トップに立った。この後に次々にタイムを更新されたが、翌周に1分55秒876へ縮めて3位へ。ところがその後もタイムアップする車両が続き、14時40分に専有セッションが終了すると、8位になっていた。しかしこれでスーパーラップ(SL)への進出をほぼ確実にした。「ハイスピードSでミスをしてしまった。もう少しタイムアップできたはずだからSLで頑張る」とブノワは汗を拭いながら答えた。混走枠では一樹も問題なく基準タイムをクリア。これでSL進出が決定した。

気温33℃、路面温度36℃の16時10分から始まった予選2回目。16時25分からブノワがコースインしてSL用セッティングを確認し、17時半からのSLに備えた。3番目の出走となったブノワは、暴れるZをねじ伏せるようなアグレッシブな走りを披露。それまでのトップタイムを0.5秒近くも縮めてトップに躍り出た。
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さらにその後にアタックに出た車両がブノワのタイムを上回れず、残り3台となった時点でもトップを守っていた。しかし最後の3台がブノワのタイムをクリア。結果的には8位から4位まで大躍進のSLとなった。

24日の11時から45分間行われたウォームアップ走行は、今回走り込んでいなかった一樹がメインで走行し、1分58秒113のベストタイムで7位につけ、まずまずの手応えをつかんだ。決勝レースは多少気温が落ちる16時にスタート。しかし気温34℃、路面温度49℃と、グリッドに立っているだけで汗が噴き出すようなコンディションとなった。フォーメーションラップでPPの#18NSXがスローダウンしてコースサイドに力なくストップ。スタート前から波乱含みとなった。

グリーンランプが点灯して54周のレースが始まった。スターターのブノワは3位のポジションを守ると、#1 SC430、#100 NSXと激しい2位争いを演じる。トップの#8 NSXは6周目に2位との差を2秒6に広げたがすぐに追いつかれてしまった。8周目に#100 NSXがジャンプスタートでペナルティを取られてピットイン。これで#8 NSX、#1 SCとの3台によるトップ争いとなった。

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10周目に#8 NSXが3位にポジションダウンすると、ブノワは#1 SCに襲いかかり、13周目のホームストレートで並びかけると、1コーナーでインに飛び込みついにトップに立った。そして後続との差をぐいぐいと引き離していった。2位との差を15秒以上に広げたブノワは17周でピットインして一樹に交代。タイヤを交換して同じ2ピット作戦を採用した#1 SCと#38 SCの前、10位でコースへ復帰した。26周目、ピットインを遅らせているトップの#24 Zを除くほとんどの主要車両がピット作業を終わらせると、一樹はトップから43秒遅れの2位を走行していた。しかしまだ新型Zのマイレージが足らず、背後には#38SCが迫っていた。一樹は巧みなブロックでこれを抑えるが、31周目の3コーナーでかわされて3位へ。しかし33周目にトップの#24Zがピットインをしたことにより再び2位へ浮上した。

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35周でトップの#38 SCと同時に2回目のピットインをし、ここで再びブノワに交代。タイヤもフレッシュタイヤに交換してあとはトップを追いかけるだけだ。しかし36周目にトップとの差は41秒の9位で、残る周回数は18周。GT300マシンやライバルたちをかわして1周あたり2秒を縮めていかねばならない。ブノワはまず37周目に1台を料理すると4周後には#38SCをかわしてトップから36秒差の7位へ。44周目には28秒差の6位となり残りは10周。47周目には4位争いグループに加わり、48周目には21秒差の単独4位へ。さらに51周目の4コーナーで3位の#3Zをかわした! しかしここは行き過ぎてS字で4位にドロップ。それでもあきらめずにテクニカルな複合コーナーまでに再逆転して19秒差の3位となった。そしてそのままのポジションでチェッカー。今季初のシングル入賞を、昨年と同じ3位表彰台という形で終え、弾みをつけてシリーズ中盤へ突入することになった。


ブノワ・トレルイエ
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「新しい路面にはタイヤが早く磨耗するということで、早い段階から手堅い2ピット作戦を選びました。結果的には優勝はできなかったけれど、とてもエキサイティングなレースでドライブを楽しめました。去年優勝した鈴鹿1000kmに向けて、いいステップになりました!」


Rd. 4 SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA
- Sunday,24 June, 2007 - Sepang International Circuit
16:00 〜 54Laps fine / dry
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 24 WOODONE ADVAN Clarion Z ジョアオ・パオロ・デ・ オリベイラ / 荒 聖治 1:49'13"210 
2 100 RAYBRIG NSX ドミニク・シュワガー / 細川 慎弥 -11"251 
3 12 カルソニック インパル Z ブノワ・トレルイエ / 星野 一樹 -14"833 
4 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路 / 高木 虎之介 -27"381 
5 25 ECLIPSE ADVAN SC430 土屋 武士 / 織戸 学 -27"894 
6 8 ARTA NSX 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン -32"725 
7 3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z セバスチャン・フィリップ / 柳田 真孝 -33"215 
8 1 宝山 TOM'S SC430 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー -39"967 
9 6 Forum Eng. SC430 片岡 龍也 / ビヨン・ビルドハイム -45"613 
10 22 MOTUL AUTECH Z ミハエル・クルム / 松田 次生 -1'20"120 
星野監督、還暦を迎える

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予選日の午後、7月1日に誕生日を迎える星野監督のバースデーパーティがピット裏のスイートで行われた。毎年セパン恒例のイベントだが今年は60歳、つまり還暦を迎えるということで特別なイベントになった。プレゼントを受け取った星野監督は「(心の)準備をしていなかった。還暦と言うと引退のイメージだけど、今の時代の還暦は70歳ぐらいでいいんじゃないかな? いつかは引退して誰かに継いでもらうんだろうけど、引退したら梨や大根を作って暮らしたい」と笑わせた。そして「昔は家業を手伝って羊かんを切ったので得意だよ」と自ら特製のケーキを切り分け、会場に集まったドライバーや関係者、メディアにふるまっていた。翌日はレース結果に笑顔も出て、いいラウンドになりました!

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7月28〜29日 スポーツランドSUGO(宮城県)
8月1〜2日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

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