レースレポート
SUPER GT 第2戦4月8〜9日 岡山国際サーキット(1周:3.703km×82周)
8日 : 曇り / ドライ、2万8,980人    9日 : 晴れ / ドライ、5万6,100人

木曜のクラッシュから立て直し
6位入賞をつかむ

予選10位/決勝6位   ドライバー部門:9位/8点、チーム部門:9位/5点


終盤の75周目のヘアピンで#8 NSXが一樹のインを突いて前に出るも、行き過ぎて空いたインを一樹が見逃さない。ラインがクロスして再び前に出た一樹が、ポジションを死守した瞬間だった。


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82周レースの中盤、39周目にそれまでトップを走行していた#18 NSXがルーティーンのピットインをすると、ブノワが総合トップに躍り出た。その直前まで前を押さえられながらの6位走行を続けていたブノワは、気持ちよくトップを数周すると46周目にルーティーンのピットイン。ピット停止時間33秒と完璧なピットワークを済ませ、一樹がステアリングを握って4位でコースへ戻った。

まだ暖まらないタイヤに苦労しながら、47周目のアトウッドコーナーで#22 Zを先行させる。さらにその数周前にスピンしてポジションダウンしていた#3 Zが猛然とダッシュをかけてきたこともあり、無理をせずに50周目のヘアピンで先行させ6位に。

しかしここからの一樹は意地を見せた。
スタートでコースアウトするという、鈴鹿でのまさかのGT500デビュー戦。「今度、頑張れ」とだけ父・一義監督に言われた。だから何としてでもミスは許されなかった。

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GT合同テストが行われた6日の午後のセッションで、一樹は2コーナーでスピンして、3月末の富士合同テストでシェイクダウンした新車をクラッシュさせてしまった。そんなこともありチーム全体には金曜日から焦りがあったのだろう。予選1回目ではブノワがコースインしてすぐにダブルヘアピンの1個目でスピン。ギヤが3速から1速にジャンプしたらしいのだが、大きな問題ではないという。その予選では、トップから0秒394遅れの5位を得た。

しかし、予選2回目のスーパーラップでは、ブノワは気負いがあったのだろう。6番目の走行となったブノワは、1コーナーからオーバーステア気味で全くペースアップしない。結果は6位。さらに残る4台すべてがブノワのタイムを上回り、まさかの10位にとどまったのだった。
しかしこの時点がレースウィークの“底”だった。

決勝日朝のフリー走行で、ブノワは総合2位のタイムをマーク。5万6000人を超えるファンが固唾を飲む中、決勝レースがスタート。
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しかし1コーナーで、ブノワの目の前で4台の車両が絡むクラッシュが発生。ブノワは何とか回避したが、その間に3台の車両にかわされ11位へドロップ。さらに5位の車両のペースが上がらず、ブノワは前に出られない。9周目にクラッシュの原因を作った車両にペナルティのピットインが命じられブノワは10位。さらに12周目には9位にポジションを上げた。さらに違反スタートの2台にペナルティのピットレーンスルーが命じられると15周目には7位に。#32 NSX、#22 Zとの3台でテールtoノーズのバトルが展開されたが、18周目のWヘアピン2個目の先で#32 NSXがたまらずスピン。6位にポジションを上げたが、既に上位4台との距離は離れていた。

決勝後半、53周目に一樹は6位を走行。5位# 3Zとの差、7位#8 NSXとの差はいずれも約5秒。しかしまだ30周近く残っている。63周目、7位#8 NSXとの差は3.2秒に。さらに周回遅れが絡み65周目にはわずか1.3秒の差まで接近を許してしまった。そこからが#8 NSXとのバトルだった。「4〜5回は当たってたと思うけど、(#8 NSXの伊藤)大輔さんもクリーンなバトルをしてくれた」と2台のバトルは終盤ぎりぎりまで続いたが、0.457秒差で振り切り6位を守ってチェッカー(レース後に#8NSXに対し黄旗区間の追い越しで37秒のペナルティが課され、結果的には37.457秒差となった)。チャンピオンを目指すチームとしては満足な結果ではないが、上昇志向を保ち結果の残ったレースとなった。


Rd. 2 OKAYAMA GT 300km
- Sunday,9 April, 2006 OKAYAMA International Circuit
14:00 〜82Laps fine / dry
Pos Car No. Driver Time / Diff
1 TAKATA 童夢 NSX 18 道上 龍 / 小暮 卓史 2:01'16.217 
2 RAYBRIG NSX 100 セバスチャン・フィリップ / 細川 慎弥 -0'40.051 
3 MOTUL AUTECH Z 22 ミハエル・クルム / 山本 左近 -0'46.307 
4 イエローハットYMS トミカ Z 3 横溝 直輝 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ -1'01.377 
5 ZENT セルモ SC 1 立川 祐路 / 高木 虎之介 -1'01.799 
6 カルソニック インパル Z 12 ブノワ・トレルイエ / 星野 一樹 -1'06.718 
7 ARTA NSX 8 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン -1'07.175 
8 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 36 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー -1Lap 
9 ECLIPSE ADVANスープラ 25 織戸 学 / 土屋 武士 -1Lap 
10 WOODONE ADVAN KONDO Z 24 エリック・コマス / 柳田 真孝 -1Lap 
5月22〜23日 スポーツランドSUGO
5月3〜4日 富士スピードウェイ

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親子で「タイムマシーン・フェスティバル」に参加

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3月26日、富士スピードウェイで開催された「タイムマシーン・フェスティバル」に星野親子が多くのベテラン&現役ドライバーと共に参加して、場内を沸かせた。まず「70-80’s GT & TSラン」で、父・一義はケンメリのスカイラインGT-Rをドライブ。ちなみに息子・一樹は当初ペースカーのZをドライブ予定だったのだが、急きょ柳田真孝の助手席に滑り込んでコース脇のファンに手を振って応えていた。

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一樹のハイライトは、父が77〜78年にドライブ(78年F2チャンピオンを獲得)したNOVA 532・BMWのドライブ。「まさかこんなクルマを運転できるのとは思わなかった」とインタビューに答えた一樹。ちなみにそのころ父はコントロールタワー3Fで「やはり公務員になるべきだった」とぼやいていた。

一方、父のハイライトは、「グループC耐久」におけるNISSAN R92CPのドライブ。マツダ787BやトヨタTS010など7台のCカーが一気に1コーナーへ。3周までのお約束のパレードラップが終了すると、R92CPは一気に加速して見る間に独走! 久々の“いつも手を抜かない「星野走り」”を魅せた。

一樹のヘルメット、カラーリング変更

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開幕戦から一樹のヘルメットカラーリングが変更された。従来のイエローメタリックの部分をカルソニックブルーにして、水色のラインを加えたカラーリングに変更。「昨年コマスさんがスポンサーカラーにペイントしてかっこいいと思いました」と一樹。ちなみにフォーミュラ・ニッポンではそのスポンサーロゴにカラーリングされているそう。

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