レースレポート
SUPER GT 第1戦3月18〜19日 鈴鹿サーキット(1周:5.807km×53周)
18日 : 曇り / ドライ(予選1回目)、雨 / ウェット(予選2回目)、1万4000人    19日 : 晴れ / ドライ、3万500人

一樹のGT500デビューに試練
ブノワは予選のミスを決勝で挽回

予選8位/決勝13位   ドライバー部門:8位/3点(最速ラップ)


決勝レース中盤、ピットインしてきた星野一樹がブノワ・トレルイエに交代。
そしてピットガレージに入るなりシャッターを殴りつけ悔しがった……。



Copyright © Calsonic Kansei 
それは決勝レースのスタートだった。GT500デビューとなる一樹は、スタートドライバーを命じられた。しかし鈴鹿の天候は晴れていながらも小雪が舞い、気温は8℃、路面温度も14℃と冷え切っていた。そして運命の1コーナー。一樹よりひとつ後ろのグリッドからスタートしたNSXにインに入られ、アウトに膨らんだ一樹はコースアウト。そのままサンドトラップの餌食になってしまったのだった。何とかコースへ復帰するもトップからは1周遅れ。それでも自身のベストラップを更新しながら貪欲に攻めた。やがてペースの上がらない#35 SC430を1周遅れながら捉えて、テールtoノーズのバトルを展開したが、かわすまでには至らない。

当初、20周程度と予定されていた一樹のスティントは、レースの経験を積ませるため31周まで延長された。ほぼ最後尾のポジションから14位までポジションを挽回してきた一樹がピットイン。そして交代したブノワがコースへ15位で復帰した。
Copyright © Calsonic Kansei 
「NSXがインに入ってきて、アウト側に行ったんですけど、タイヤが冷えたままで……」とレース後に一樹はつぶやき、そして大きく「ふぅーっ」とため息をついた。起きてしまったことは仕方がない。だからこの経験を絶対に生かす。そう一樹は思ったに違いない。

コースに出て行ったブノワにも、何かをしないとという気持ちがあったはず。前日の予選、スーパーラップでミスを犯していたからだ。交代してタイヤが暖まった3周目。ブノワは1分55秒758のファステストラップを叩き出して、うっぷんを晴らした。これで貴重な3ポイントを獲得だ。

前日の予選。朝の予選1回目でブノワは、1分52秒853のコースレコードで2位につけ、スーパーラップへの進出を決めた。車両は05年に使用したモノコックに06年用パーツを装着したハイブリッドタイプ。村田卓児エンジニアによると「06モデルは来てるんですが、同時進行では作業も進まないし、合同テストで(05モデルが)速かったのでこれにしました」とのこと。ブノワも「セッティングもまずまずでOK」と笑顔だった。

しかし、午後から雨が降り出し、スーパーラップは冷たい雨のウェットコンディションに。ブノワが9番目にコースイン。ターゲットタイムは#18 NSXの2分7秒489だ。モニターには、スプーンカーブでコースオフしたブノワの姿が映りドキリとさせる。
Copyright © Calsonic Kansei 
コースコンディションは予想以上に悪そうだ。そしていよいよアタックラップへ。ところが1コーナーのブレーキングを遅らせたためにややアウトへ膨らみ、第1セクターではトップから0秒6遅れた。遅れを取り戻そうとしたのか、ブノワはデグナーで痛恨のコースアウト。何とかコースへ戻るものの2分9秒382で8位、予選トップ3に与えられるポイントは獲得ならなかった。

「頑張りすぎだよ。いつも80%(の力)でいいんだからって言ってるんだけど」と金子豊マネージャーも苦笑するしかなかった。

 決勝レースはポジションをひとつ上げた13位でチェッカー。結果的にはファステストラップの3点しか得ることはできなかったが、この3点が効くのがSUPER GTのポイントシステム。次の岡山には新車が投入される予定で、ブノワも「間違いなく06の方が速い」と断言しているだけに、ふたりの活躍に期待したい。


Rd. 1 SUZUKA GT 300km
- Sunday,19 March, 2006 SUZUKA Circuit International Racing Course
14:35〜52Laps Fine / dry
Pos Car No. Driver Time / Diff
1 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 36 脇阪 寿一 / アンドレ・ロッテラー 1:43'40"197 
2 XANAVI NISMO Z 23 本山 哲 / 松田 次生 -0'03"412 
3 ARTA NSX 8 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン -0'06"957 
4 TAKATA 童夢 NSX 18 道上 龍 / 小暮 卓史 -0'11"299 
5 triple a サード スープラGT 66 アンドレ・クート / 平中 克幸 -0'28"344 
6 Mobil 1 SC 6 飯田 章 / 片岡 龍也 -0'44"586 
7 RAYBRIG NSX 100 セバスチャン・フィリップ / 細川 慎弥 -0'53"470 
8 ECLIPSE ADVANスープラ 25 織戸 学 / 土屋 武士 -1'08"973 
9 イエローハットYMS トミカ Z 3 横溝 直輝 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ -1'11"139 
10 WOODONE ADVAN KONDO Z 24 エリック・コマス / 柳田 真孝 -1'12"822 
13 カルソニック インパル Z 12 ブノワ・トレルイエ / 星野 一樹 -1Lap 
3月28〜29日 富士スピードウェイ
4月6日 岡山国際サーキット
4月8〜9日 岡山国際サーキット

ページトップへ