レースレポート

FUJI GT 300KM RACE
2005年 SUPER GT 第7戦 in オートポリス(大分県) 1周= 4,674m

カルソニック IMPUL Z
序盤のアクシデントを乗り越え4位

SUPER GT第7戦は10月15〜16日に大分県のオートポリスで開催され、ブノワ・トレルイエ/井出有治組のカルソニック インパル Zは、6番目のグリッドからスタートして4位を走る活躍を見せたが、他車両との接触で後退。しかしここからリカバリーを見せて3位にポジションアップ。終盤こそポジションをひとつ落としたが、4位でチェッカーを受けた。

予選

Copyright © Calsonic Kansei 

今回のGT500クラスの エントリーは16台。カルソニック インパル Zは20kgのハンディウェイトを搭載しての参戦となった。第7戦の舞台・オートポリスは阿蘇外輪山の裾野にあり、雨や霧など不安定な天候になりやすい。平野部では好天だった14日の練習走行、カルソニック インパル Zはドライコンディションの1回目では4位、ウェットコンディションの2回目でも2位と好調さをキープ。決勝レースに期待が持たれた。14日に降り出した雨は、予選日の15日朝にはいったん霧雨に変わったものの、やがて弱い雨が断続的に降り続くことになった。

予選1回目、GT500の専有走行枠は10時50分にスタート。まず今回のアタッカー、井出が開始5分で2分4秒772のタイムを出してトップに立った。雨によるクラッシュや霧による赤旗中断を考慮して井出はセッション中盤にピットイン。後半でブノワが基準タイムをクリアする必要がある。残り5分の時点で#25スープラが2分3秒261で逆転トップ。雨の量も少なくなってきたようだ。各車がアタックにかかっていたころ、第1ヘアピンの進入で2台の車両が一定の距離を保ったまま同時にスピン&ストップ。そこに通りかかったカルソニック インパル Zもスピンを喫した。幸いどの車両にもダメージはなかったが、コース上が危険なためにセッションは赤旗中断となった。

11時10分にセッションが再開されたが、雨の量は減っており、予選タイムも2分を切るようになってきた。残り1分のタイミングで#1 Zが1分54秒894でトップに。直後にブノワも1分55秒323で2位につけた。11時14分からはGT300との混走枠。予選タイムがアップしているために序盤の井出のタイムでは基準タイムをクリアしない。

Copyright © Calsonic Kansei 
井出は再びアタックに出て1分57秒151で基準タイムをクリアしたが、雨量が増えた上に走行車両が多いためにタイムアップはならず。さらにブノワのタイムを上まわる車両がいたためにカルソニック インパル Zは3位に。そして11時26分に霧が深くなってきて視界不良となり、セッションは赤旗中断。霧は晴れずに、このまま予選1回目は終了となった。

しかし8分を残してセッションが終了したため、片方のドライバーが予選基準タイムをクリアしていないチームが多く、直後の監督会議によって、予選2回目はスーパーラップ(SL)をやめて予選1回目と2回目を総合して速いタイム順でグリッドを決定する、という昨年までのスタイルを採用することが決められた。

予選2回目は、14時30分に混走枠からスタート。予選1回目よりも雨は弱くなっている。ここでは井出がタイムアップを狙って1分53秒883で6位につけたが、残り5分を切るころになると再び雨が強くなりタイムアップできない状態となった。14時50分からGT300の走行枠となったが再び霧による視界不良のためにセッションは赤旗中断。約1時間様子を見たもののきりは晴れず、これで予選2回目は終了ということになり、カルソニック インパル Zの6番グリッドが決定した。


ページトップへ

決勝

Copyright © Calsonic Kansei 
16日は朝から晴天。9時から行われたフリー走行ではカルソニック インパル Zは2位で、満タン状態でのマシンバランスも良さそうだ。さらに井出もブノワも1分44秒台のタイムをマークしており、6位からのジャンプアップが期待された。

65周の決勝レースは13時59分にスタートが切られた。観客数は4万9700人で、天気は雲ひとつない快晴だ。スターターの井出は1コーナーで4位にポジションを上げると、第2ヘアピンで一旦#3 Zに先行を許すが、ジェットコースターストレートを下りきった60Rで再逆転。Z同士のバトルはファンの視線を釘付けにした。#22 Z、#25スープラ、カルソニック インパル Z、#3 Z、#18 NSXと5台による2位争いがしばらく続き、8周目にはGT300の車両を周回遅れにしながらも、息をもつかせぬバトルが展開された。

14周目の上りのS字で、GT300のトップグループに追いついた井出は、#11フェラーリが譲ってくれるのを待っていたところ#3 Zがインに入ってきて接触。井出はたまらず#11フェラーリに追突して相手はスピン。井出もコースアウトして7位にドロップしてしまった。

序盤、#25スープラの背後でタイヤを温存していた井出は、ここからまず17周目に#32 NSXをパス、24周目には#18 NSXをパスして5位に。中盤ルーティーンピットインが始まると29周目には4位にポジションを上げて30周でピットイン。ブノワに交代した。

ブノワは7位でコース復帰。33周目に5位に上がり#3 Zに追いついた。さらに35周目には#32 NSXをかわして4位、36周目には上位勢のルーティーンピットが終了すると3位にポジションを上げていた。しばらくは#3 Zの背後でチャンスをうかがっていたブノワだが、無理なバトルを避けてタイヤを温存し、徐々に3位の単独走行となっていった。また7台によるGT300のトップ争いを掻き分けながら走行したこともあり、残り10周の時点では2位の#3Zとの差は約7秒に。このまま3位表彰台かと思われた残り5周のあたりからブノワのラップタイムが2〜3秒落ちた。63周目には#22 Zにかわされ4位にドロップしたが、このポジションを守ってチェッカーとなった。


ブノワ・トレルイエ選手
「クルマはセッティングが決まっていたので満タンでもバランスが良かったですね。でも途中から渋滞に引っかかってしまい2位は厳しくなってしまいました。ポジションをキープしたかったし、無理なオーバープッシュでミスをしたくなかったので無線でチームに伝えました。最後の5周は左リヤのタイヤのグリップが下がって4位になってしまいましたが、4台のZがトップ6に入ったのだから、ニッサンとしては良かったのではないでしょうか? 今日はユウジが頑張っていいバトルをしてくれたので2位かな? とも思ったのですが。仕方ないです」
Copyright © Calsonic Kansei 

RACE RESULTS
Sunday,16 October, 2005
Autopolis [ START:13:59〜65Laps Fine / Dry ]
Pos Car Name No. Driver Name Time/Diff
1 ARTA NSX 8 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン 1:56'36"074
2 モチュール ピットワーク Z 22 ミハエル・クルム / 柳田 真孝 -1'02"983
3 G'ZOX・HASEMI・Z 3 金石 年弘 / エリック・コマス -1'03"494
4 カルソニック インパル Z 12 ブノワ・トレルイエ / 井出 有治 -1'04"901
5 TAKATA 童夢 NSX 18 道上 龍 /小暮 卓史 -1'16"901
6 ザナヴィ ニスモ Z 1 本山 哲 / リチャード・ライアン -1'36"509
7 ZENT セルモ スープラ 38 立川 祐路 / 高木 虎之介 -1Lap
8 DYNACITY TOM'S SUPRA 36 土屋 武士 /ジェームス・コートニー -1Lap
9 イエローハットYMSスープラ 35 服部 尚貴 / ピーター・ダンブレック -1Lap
10 エッソウルトラフロー スープラ 6 脇阪 寿一 / 飯田 章 -1Lap

ページトップへ