レースレポート

MOTEGI GT 300KM RACE
2005年 SUPER GT 第5戦 in ツインリンクもてぎ(栃木県) 1周= 4,801.379m

カルソニック IMPUL Z
Z勢最上位で3位表彰台に!

SUPER GT第5戦は、9月3〜4日にツインリンクもてぎ(栃木県)のロードコースにて開催され、ブノワ・トレルイエ/井出有治組のカルソニック インパル Zは、予選6位から追い上げて4台のZの中で最上位となる総合3位でゴール。今季初の表彰台を獲得で、3戦連続でのポイントゲットとなった。

予選

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今回、カルソニック インパル Zは20kgのハンディウェイトを搭載。タイトなコーナリングが多く、ブレーキにも厳しいもてぎのコースではあるが、それほど影響のある重さではない。前回のSUGOでポールポジションを奪いながら勝てなかったこともあり、今回も優勝を目指してのレースとなった。今回最大のライバルは、このもてぎがホームコースであり、NAエンジンに変更して速さが戻ってきたNSX勢。

第6戦の予選アタッカーはブノワ。しかし2日の練習走行からエンジンの調子がいまひとつで11位。今回から予選システムに変更があり、予選1回目だけでスーパーラップ(SL)進出の10台が決まることになった。SL進出数はこれまでより2台減で、さらに予選2回目の救済措置もなく、予選1回目が非常にシビアなものとなった。

3日は前日に続き残暑が厳しく、さらに蒸し暑い。10時25分、気温34℃という暑さの中、20分間のGT500専有走行枠が始まった。開始15分でブノワが1分46秒774のタイムで4位につけ、さらに1分46秒539へタイムアップした。しかし最後の2〜3分で他の車両がブノワのタイムを次々に上回り、SL進出ぎりぎりの10位で予選1回目を終えた。

10時45分からの混走枠で井出が基準タイムをクリアした直後、カルソニック インパル Zはエンジン交換作業に入った。どうも前日からエンジンの調子がいまひとつだという。メカニックたちが忙しく動き回り、ピットウォークの時間中も作業は続けられ、予選2回目には無事作業も完了した。

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スタッフたちの迅速な作業の甲斐あって、15時30分から15分間走行できる予選2回目で、トラブルの解消も確認されたZ。タイムは2番目。スタッフもSLに向けて手応えを感じた。

そして迎えたSL。GT500のトップバッターはブノワ。自分で選んだZ.Z.トップのロックナンバーのBGMに乗って果敢に攻めていく。そして叩き出したタイムが、路面温度も下がっていたが予選1回目のトップタイム(1分46秒103)を上回る1分46秒074だった! そしてこのタイムは10台の走行を終えると、3台のNSX、スープラ、#3Zに続く6位に落ち着いた。

「2列目以内を狙ってアタックしたんですが、後に出たクルマの方が路面温度ももっと下がって有利でしたね。でも3列目だったらOKでしょう。明日は最低でも表彰台を確保したい」とブノワ。


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決勝

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4日は雨の予想があったが、何とかレース終了まではもちそうだ。この日も朝から蒸し暑くなった。気温32℃の14時4分、63周の決勝レースはスタートした。スタートドライバーのブノワは、#32NSXにかわされ7位にドロップ。しかし背後に#22Zを従えてポジションをキープする。12周目のV字コーナーで、4位争いをしていた#3Zに#38スープラが追突し、#3Zはスピン。#38スープラもフロントを壊し、さらに相手をスピンさせたとしてペナルティが出された。これでブノワは難なく5位にポジションアップ。前の4台はすべてNSXなので、何としてもその一角は崩したい。

レースも折り返し点に近い27周目、トップの#8NSXと4位の#18NSXが、さらに翌周には#100NSXもピットイン。しかし#8NSXはトラブルのために3分をロスし、優勝争いから脱落することになった。2位にポジションアップしたブノワは28周目にピットインして、井出に交代。チームは完璧なピットワークで井出をコースに送り出した。33周目にトップの#32NSXがピットインを済ませると、井出はトップから16秒差の3位を走行していた。

井出は、さらにトップとの差を14秒差まで縮め、2〜3秒後方に#22Zを従えての走行となるが、そこから先が縮まらない。後半のトップ3は完全にこう着状態。終盤#32NSXが4位に上がり1秒6差にまで詰められるが、ハイペースがたたって最終ラップにガス欠でストップ。井出は3位、そしてZ勢のトップを守って今季初の表彰台を獲得。これで3戦連続のポイント獲得となり、シリーズの後半選に弾みをつけた。



井出有治選手
「今日はレース展開にも恵まれましたが、ブノワも頑張ったし、ピットワークも完璧でした。自分としてはペースが上げられない中で、レースをまとめられたと思います。NSXの表彰台独占だけはさせてはダメだと使命感を持って走りましたが、ミスなく走れたと思います。表彰台、そしてZの中でのトップはうれしいですけど、やっぱり全体の一番前を走りたいですね。今日は日産自動車の志賀俊之COOに声をかけてもらいました。これで顔を覚えてもらえたでしょうか?(笑)」
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RACE RESULTS
Sunday,4 September, 2005 Twin Ring Motegi
[START:14:00〜63Laps Fine / Dry ]
Pos Car Name No. Driver Name Time/Diff
1 RAYBRIG NSX 100 セバスチャン・フィリップ / ジェレミー・デュフォア 1:56'31"713
2 TAKATA 童夢 NSX 18 道上 龍 / 小暮 卓史 -4"389
3 カルソニック インパル Z 12 ブノワ・トレルイエ / 井出 有治 -27"177
4 モチュール ピットワーク Z 22 ミハエル・クルム / 柳田 真孝 -37"833
5 イエローハットYMSスープラ 35 服部 尚貴 / ピーター・ダンブレック -1'01"798
6 ザナヴィ ニスモ Z 1 本山 哲 / リチャード・ライアン -1'06"736
7 DYNACITY TOM'S SUPRA 36 土屋 武士 /ジェームス・コートニー -1'16"933
8 DYNACITY TOM'S SUPRA 37 片岡 龍也 / 山本 左近 -1'17"967
9 エッソウルトラフロー スープラ 6 脇阪 寿一 / 飯田 章 -2'21"742
10 EPSON NSX 32 松田 次生 / アンドレ・ロッテラー -1Lap

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