レースレポート

JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALYSIA
2005年 SUPER GT 第3戦 in セパンF1サーキット(マレーシア) 1周= 5,542m

カルソニック IMPUL Z
8位フィニッシュでポイント獲得

SUPER GT第3戦は6月25〜26日にマレーシアのセパン・サーキットにて開催され、ブノワ・トレルイエ/井出有治組のカルソニック IMPUL Zは、5番目のグリッドからスタートしてトップを追ったが、コースアウトなどもあり8位でフィニッシュ。今季初のポイントを獲得した。

予選

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昨年ポールポジションを獲得し決勝もトップを走行したカルソニック IMPUL Z。スタッフは自信をのぞかせながらも、雪辱を期そうと燃えていた。フリー走行が行われた24日、カルソニック IMPUL Zは1回目にトップタイム、2回目にも2位のタイムをマークして好調さをアピールした。そして25日、11時20分から20分間にわたりGT500の予選1回目が行われた。気温は34℃、路面温度は39℃とセパンにしては低めだ。

今回のアタッカーはブノワが担当。開始15分の時点で前日のタイムを更新する1分59秒532でトップに立った。しかし残り2分となって3台の車両にタイムを更新され、トップの#8NSXとはわずか0.145秒の差で予選4位という結果になった。11時40分からの20分間はGT300との混走枠で、ここで井出も基準タイムをクリア。この結果、カルソニック IMPUL Zは予選2回目のスーパーラップ(SL)進出を決定した。

予選2回目のSL。4番目の走行枠に登場したカルソニック IMPUL Zのブノワは、1分59秒078で3位につけ、残り2台の走行を待った。
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「タイヤを暖めきれなかった。ウォームアップラップのペースが遅かったんだろうね」とブノワ。最後の枠に出走した2台の車両は、ブノワより速いタイムをマークしたため、カルソニック IMPUL Zの決勝グリッドは5番目と決定した。

なおフェアレディZは、今回ルーフ上のNACAダクト(エアインテーク)を覆うカバーを装着したが、カルソニック IMPUL Zは走行中にカバーが外れ、さらにコクピット後方のエア抜きから逆に空気が入ってきて、空気の流れが乱れるために、NACAダクトもエア抜きも塞ぐ措置を取った。これにより室内はほとんど密室のようになったが、ドライアイスの冷気をファンによってドライバーに当てるなどの工夫を施した。ブノワは比較的暑さには強いようだったが、井出はセッションが終了するたびにピット裏のプールでクールダウン。さらに井出のヘルメットは、頭部の熱気を逃がすような改良を受けていた。

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決勝

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26日の決勝日は朝から雲が多かったが、やがてそれは晴れて気温もぐんぐんと上昇した。SUPER GTも地元に定着してきたのか、今年は観客数も4万5000人近くと非常に多い。16時04分に54周の決勝レースがスタート。気温はまだ35℃ある。スタートを担当したブノワは、4位の#32NSXをピタリとマークして、前をうかがう攻めのレースを展開していた。しかし5周目のS字コーナー2個目でコースオフ! ブノワは何とかコースに戻るも14位とポジションを大きく落とす結果となった。9周目に#37スープラをかわし13位にポジションを上げたブノワは、20周を過ぎたあたりからルーティーンピットインが始まるとじわじわとポジションアップ。27周目には3位までポジションを上げてピットイン、井出に交代した。

井出は14位でコースへ復帰。35周目に井出の目の前で12位争いをしていた2台の車両が接触。これを冷静に避けた井出は12位へ浮上した。さらに井出は、スピンした車両やペースの鈍った車両に襲い掛かり、41周目には8位へポジションを回復させた。しかし7位までは距離もあり、その差を約16秒まで縮めたところでチェッカー。今季3戦目にしてわずかではあるが初ポイントを獲得した。


ブノワ・トレルイエ選手
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「昨日のスーパーラップのときからエンジンがちょっと本調子じゃなくて、決勝レースでも突然オーバーステアになったりアンダーステアになったりしてナーバスだった。そんなこともあってスピンをしてしまったんだけれど、ユージが後半頑張ってくれた。クルマはまだ(ウェイトハンディで)重くないから、まだこれからも優勝できるチャンスはあると思います」

RACE RESULTS
Sunday,26 June, 2005
Sepang Circuit [ 16:04〜54Laps Fine / Dry ]
Pos Car Name No. Driver Name Time/Diff
1 ザナヴィ ニスモ Z 1 本山 哲 / リチャード・ライアン 1:52'39"660
2 ARTA NSX 8 伊藤 大輔 / ラルフ・ファーマン -4"499
3 DYNACITY TOM'S SUPRA 36 土屋 武士 / ジェームス・コートニー -15"375
4 エッソウルトラフロー スープラ 6 脇阪 寿一 / 飯田 章 -26"485
5 EPSON NSX 32 松田 次生 / アンドレ・ロッテラー -27"271
6 モチュール キーバリュー Z 22 ミハエル・クルム / 柳田 真孝 -33"687
7 TAKATA 童夢 NSX 18 道上  龍 / 小暮 卓史 -33"952
8 カルソニック インパル Z 12 ブノワ・トレルイエ / 井出 有治 -50"395
9 デンソー サード スープラGT 39 アンドレ・クート / ロニー・クインタレッリ -53"469
10 RAYBRIG NSX 100 セバスチャン・フィリップ / ジェレミー・デュフォア -1'06"619

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Topics
星野監督、恒例のバースデイパーティ

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7月1日に58歳の誕生日を迎える星野一義監督のバースデイパーティがセパンで行われた。まずカルソニックカンセイレディの近野愛さん、山崎映美さんからプレゼントを受け取った星野監督は、「これで45歳かぁ」とお約束のおとぼけ。ケーキに立てられた5本のロウソクに「1本25歳だから(125歳!?)」という野次も飛んだ。いつもの手慣れた(実家が和菓子屋)ケーキカットを披露する星野監督。後方では、いつケーキを顔面にお見舞いするのか?と若手ドライバーの落ち着きがない。しかし危険を察知した星野監督は「リチャード(ライアン)、(それをやったら)来年のシートはないぞ!」と一喝。会場は爆笑に包まれた。ケーキを配り終えたころ、星野監督の長男である一樹選手が登場。NISMO眞田社長にケーキを見舞われてしまった。それを見た星野監督の「よくやった!」で、会場は再び大爆笑に包まれた。

なお星野監督は、6月6日(Fニッポンでブノワ選手が優勝した翌日)に大好きなゴルフで、人生二度目のホールインワンを達成(108ヤード、パー3のホール)。約20年ぶりのことだったそうだ。「俺も一度はやってみたいよなー」とぼやいたのは某チームの監督だった。

井出、フェラーリでF1デビュー!

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5月29日、富士スピードウェイで井出がフェラーリF1をドライブした。これは「フェラーリ&マセラティデイ コーンズフェスティバル2005」で実現したもので、井出は初めてのF1ドライブとなった。マシンは99年にミカ・サロがドライブしたフェラーリF399で、第一印象は「まるでゲームみたいでした」。ただしタイヤはレースに使用できるようなスペックではなかったために、アクセルを強めに踏まないようにと言われていたそうだ。しかしそこはレーシングドライバー。最初こそ挙動に慣れながらおとなしく走っていたが、300Rではやや強めにアクセルを踏んで、F1の感触を楽しんだようだ。デモランは約20周行われたが、ドライバーズシートに座っても空気の流れがヘルメットに滑らかに当たり、さらに押し付けられるのを感じたそうだ。「いつかはテストでもいいからF1に乗せてもらえるように頑張りたい」と殊勝なお言葉。しかし翌週に行われたFニッポンでは、「パワーがないし、ブレーキもエンジンブレーキも利かないので壊れたのかと思った」と戸惑ったそうだ。

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