第7戦 鈴鹿 GT 300km

MOTEGI GT CHAMPION RACE
第7戦 in 鈴鹿サーキット(三重県) 1周= 5,807m

カルソニックIMPUL Z、最終戦で優勝!
鈴鹿では2連覇を達成

全日本GT選手権(JGTC)最終戦となる第7戦は、11月20〜21日に三重県の鈴鹿サーキットで開催され、ブノワ・トレルイエ/井出有治組のカルソニックIMPUL Zは、予選3位からスタートして完璧なピットワークをこなして逆転トップに立ち、1年ぶりの優勝を遂げた。結果が出ずに苦しんだ今シーズン待望の初優勝でもあり、鈴鹿においては2年連続の優勝でもあった。

予選

カルソニックIMPUL Zはこれまでの成績により、今回+1の性能調整を受けている。またウェイトハンディは40kgと比較的軽い。さらに昨年も鈴鹿で優勝を果たしており、スタッフには今回優勝を果たす自信があった。しかしながらレースは台本どおりには行かないことが多く、気を引き締めてレースウィークを迎えることになった。

予選前日のスポーツ走行、冷たい雨が上がった後のドライコンディションで、カルソニックIMPUL Zは1分57秒114のトップタイムをマークした。

予選日は朝から秋晴れに恵まれ気温も20℃前後まで上昇した。11時に予選1回目がスタート。ブノワはしっかりとタイヤを暖めて、残り4分の時点アタックに入った。そして1分54秒850というコースレコードで暫定ポールポジションを奪った。

午後の予選2回目は、15時40分から20分間がGT500の専有走行枠。序盤6分間の赤旗中段を挟んで行われた予選の終盤、#36スープラがブノワのタイムを逆転しトップに。さらに#3 Zも2位のタイムをマークした。ブノワも懸命にアタックを続けたが午前中のタイムは更新できず3位のポジションになってしまった。「セッティングは変えていないんだけど、オーバーステアがきつかった。ポールポジションを狙っていたから3位にはがっかりだよ」と落胆のブノワ。

しかし予選3位は、優勝を狙うには十分なポジションであることに違いはない。

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決勝

21日も前日同様朝から好天に恵まれた。しかし風がやや強い。朝8時から30分間行われたフリー走行でもブノワがトップタイムをマークして好調さを見せつけた。しかしブノワは、「最初のうちはいいけど10周を過ぎるとタイヤがいまひとつグリップしない。レース前半は厳しいかもしれない」と満足な表情を見せない。

3万6500人のファンが詰め掛けたサーキット。決勝前にはカルロス・ゴーン日産自動車社長がピットを訪ねて星野一義監督、ドライバーらを激励した。52周の決勝レースは、14時5分にグリーンランプが点灯してスタートした。スターターはブノワで、#3 Zのエリック・コマスに迫るが逆に予選4位の#32 NSXにアウトから被せられて4位にドロップすることになった。しかしブノワは慌てず、2周目の130R先で#32 NSXに並びシケインまでに逆転して3位浮上。さらに3周目、4周目(1分57秒970)と最速ラップを更新しながらトップ2台に迫った。

同じフランス人の先輩であり、ブノワのマネージメントを仕切る“ボス”であるコマスにピタリとついて離されないよう走るブノワ。しかしエリックもノーミスのドライビングを続け、なかなか追い抜くことができない。#36スープラは一時後続に2秒以上の差をつけたが、周回遅れに引っかかりその差は1秒以内に。そして20周目にはトップ3台が約1.5秒の中に接近した。そしてやや早めにピットが動いた。

24周目にブノワはピットインして井出に交代。ピットクルーは完璧な仕事で給油、タイヤ交換を済ませ32秒で井出をコースに送り出した。「ピットワークとアウトラップが一番大事」と理解していた井出は、冷えたタイヤに用心しながらも慎重に速くZを走らせた。翌周にトップの#36スープラがピットイン、35秒のピット作業で井出の前でコース復帰した。

井出はシケインまでに#36スープラに追いついた。そして1コーナーで勝負を挑み1発でしとめ逆転! ピットは歓声と拍手に包まれた。27周目にトップを走行していた#3 Zがピットイン。しかしピットワークに手間取り、#12 Zと#36スープラの後ろでコースに復帰。さらに29周目に暫定トップの#37スープラがピットインすると井出は2位に2秒の差をつけたトップを堂々と走行していた!

井出は2位との差を一時5秒近くにまで広げたが、#36スープラも3年半ぶりの優勝を狙っており、じわじわとその差を詰めてきた。しかし井出は2秒近い距離を保ちながら冷静にドライブ。終盤には1.2秒差まで迫られたが、周回遅れを巧みに利用しながらそれ以上差を詰められないようにして、トップで歓喜のチェッカー!

今年どうしても勝てなかったが、最終戦で見事な今季初優勝を飾ったカルソニックIMPUL Z。星野監督も涙を見せながらドライバーを迎えた。この優勝は、ブノワと井出によるコンビでは3勝目。「終わりよければすべて良し!」と高橋紳一郎テクニカルディレクターは、笑顔で最終戦を締めくくった。



ブノワ・トレルイエ選手
「今日の優勝は何よりもうれしい。朝までオーバーステアだったのでスタート直前にセッティングを変更して決勝に臨んだんですが、タイヤを痛めないように注意して走りました。スタートで#32 NSXに抜かれてしまったけれど、すぐに抜き返せると思っていました。 ポジションを戻してからは#36スープラと#3 Zについていくことを考えていました。Zとの同士討ちだけは避けたかったし、あまり近づきすぎるとダウンフォースを失ってしまうし。でもエリックもボスらしくミスをしなかったですね(笑)。僕とユージ(井出)にとってもこれまででベストなレースでしょう。ファンもずっと旗を振り続けてくれてとてもうれしかった!今年は不運が多くなかなか勝てなかったですね。この結果がもっと早く出ていたらと思いますが、来年はもっと強くなれると思うのでとても楽しみです」

井出有治選手
「優勝はとにかくうれしいのひとことです。今年はなかなか勝てそうで勝てなかったので、これで1年の締めができました。レース前半はモニターを見ていて前の2台を抜けないのが分かっていたので、ピットと冷えたタイヤで出たときで決まると思っていました。ピットワークは完璧でしたし、アウトラップではできるだけプッシュして、ピットアウトした#36スープラを一発で抜けました。あれが今日の僕の一番の仕事だったと思います。ここしか勝負の場所はないと思っていました。走っていて一番気にしていたのは、後半にペースが落ちるような走りは絶対にしたくないということでした。タイヤに優しく走りましたし、後半#36スープラが来ても引き離せる自信はありました。今日は勝ててうれしいですが、シーズンを振り返ると悔しい1年でした。来年はコンスタントに成績を残してタイトルが欲しいです」

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11月28日は岡山TIに遊びに行こう!

11月28日、岡山のTIサーキット英田でニッサンファンのお祭りである「NISMO FESTIVAL at TI Circuit AIDA 2004」が開催され、カルソニックレーシングチームも参加します。当日は9時にオープニング。模擬レース、トークショー、レースクイーンステージ、チューナーズバトル、ドリフトデモランなどさまざまなイベントが目白押し。アメリカで行われるオールスター戦に搬送のために、残念ながらカルソニックIMPUL Zは参加できませんが、カルソニックスカイライン(グループA、JGTC)、カルソニックニッサンR92CPなどが走行の予定です。トレルイエ、井出の両選手はもちろん、さらには星野監督も走行を予定しています。またピット裏にはカルソニックのブースを展開。掘り出し物やグッズをそろえて来場をお待ちしています! なお、準備日となる27日(土)は一般の方はサーキットへ入れませんのでご注意ください。 イベントの詳細はNISMO official web(www.nismo.co.jp/)のTOPICSへ。

12月18〜19日は米フォンタナのオールスター戦に出場

12月18〜19日、アメリカ、カリフォルニア州のフォンタナにあるカリフォルニア・スピードウェイにてJGTCオールスター戦「GT LIVE USA」が開催され、カルソニックIMPUL Zも出場します。JGTCがアメリカに進出するのはこれが初めてで、しかも人気のドリフトイベント、D-1グランプリも併催。JGTCは18日に1ドライバーによるスプリントレースを2回、また19日には200マイル(約320km)で2ピット義務付けのセミ耐久レースを1回行います。またフォンタナのオーバルコースも一部使用。他では見られないレースバトルが展開されそうです。お祭り的なイベントですが、カルソニックレーシングチームは、もちろん優勝するつもりで参加しますので、応援をよろしくお願いします! イベントの詳細は大会のofficial web site(www.jgtcusa.net)へ。

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