第4戦 北海道グランGT選手権レース

HOKKAIDO GRAN GT CHAMPIONSHIP
第4戦 in 十勝スピードウェイ(北海道) 1周= 3,405.87m

カルソニック IMPUL Z
表彰台圏を走るも終盤トラブルに見舞われる

JGTC第4戦は7月17〜18日に、初開催となる十勝スピードウェイで開催され、ブノワ・トレルイエ/井出有治のカルソニック IMPUL Zは、2戦連続のフロントロウからスタートし、決勝レースでも優勝を狙って走行していたが、終盤まさかの燃料系トラブルのためにノーチェッカー、11位完走でレースを終えることとなった。

予選

GTC車両が参加できる「十勝24時間レース」は毎年開催されているが、JGTCのシリーズ戦が開催されるのはこれが初めてとなる十勝スピードウェイ。今回は1周5.1kmのフルコースではなく、3.5kmのショートコースが試用されることになった。コース幅は広いとはいえ、決勝レースは89周と周回数が多く、他車両のオーバーテイクでは慎重な運転が要求されるレースとなりそうだ。

16日の練習走行では1分14秒644というタイムで3位となったカルソニックZ。トップ(#6スープラ)とのタイム差もわずか0.177秒なので、予選から期待が持たれた。

17日の予選1回目は11時から20分間がGT500の占有枠。気温は30℃近くまで上がっている。残り5分となったころ、おもむろに井出がコースイン。1分16秒844で1周の計測を行っただけでピットイン。そのままチェッカーとなり18台中15位で終了となった。

しかしこれは予定どおりの行動。前日までにセッティングも決まっており、気温が落ちるであろう午後の予選のために、 井出が最低の周回で基準タイムクリアとなるタイムを出した。つまり午後はタイヤをほぼ2セット残した状態で、ブノワがフルにアタックできるということになる。

しかし15時40分から始まった予選2回目は、気温も路面温度も予想以上に落ちない状態。開始すぐにコースインしたブノワは、1分15秒9、14秒9、14秒7とタイムアップして予選2回目のトップ、午前午後の総合でも5位のタイムをマーク。そしてアタックを続けたいたが、他車両がコース上にストップしてしまったために赤旗中断。

18分後に予選が再開されると、1分14秒6、そして残り4分の時点で1分14秒190をマーク。これでほぼ2戦連続のポールポジションをマークしたかに思われた。ところが終了ぎりぎりにブノワの大先輩である#3 Zのエリック・コマスが1分14秒136を出して逆転。ブノワのタイムは2位となった。

「ポールポジションは取って2点が欲しかったですね。アタックしたときにちょっとミスをしてしまったんです。タイヤもまだ十分に温まってなかったし、路面温度も予想より5〜6℃高かったし、タイヤには厳しかったです」とブノワ。なおブノワは十勝が初めてだが、印象が似ているヨーロッパのコースは「ポワティエにあるラ・ビジャン」だそうだ。

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決勝

18日も朝から晴天に恵まれ、十勝の気温は30℃近くまで上がった。13時58分、89周の決勝レースのスタートが切られた。スタートドライバーのブノワは、2周目に#22 Zにかわされ3位に。4周目の1コーナーでは一瞬#6スープラに抜かれるものの、冷静なブレーキングで抜き返して3位をキープした。しかし序盤からエンジンにトラブルを抱えていたブノワは、9周目に#37スープラに抜かれ4位となったが、#22 Z、#37スープラ、#36スープラ、#6スープラ、計5台による2位グループを形成し、息を飲むようなバトルを展開した。やがて周回遅れが出だすと、グループはばらけたりまた接近したりを繰り返し、なかなか勝負はつかない。

34周目の最終コーナーでコースから一瞬はみ出たブノワは、タイヤを傷めたのか1コーナーで#36スープラに、そして2コーナーで#6スープラにかわされ、37周でピットイン。井出に交代して再スタートさせようとするが、今度はエンジンがかからず10秒程度のタイムロスを喫してしまった。

トップグループのルーティーンピットがひと段落した50周目、井出は2秒後方に#37スープラを従えてトップから20秒遅れの4位を走行。さらに井出はトップとの距離を58周目には18秒7まで縮めていった。しかしその後は井出のペースが上がらず、逆に5位の#37スープラに迫られた。ミラーを見ながら何とか4位をキープしてきた井出だったが、81周目にはついに逆転され5位へ。そのまま5位でチェッカーを受けると思われたが、なんと燃料系トラブルのために、チェッカー目前の88周目にピットインして無念のストップ。暑さと長時間のバトルに耐えた井出にとっては残念な結果となってしまった。


ブノワ・トレルイエ選手
「エリック(コマス)を追うフロントローからのスタートはエキサイティングでした。シャシーはすごく良かったんですけど、序盤からエンジントラブルを抱えてストレートでどんどん抜かれてしまいましたね。今シーズンはこれまで練習走行と予選は良いのに、まだ勝利には結びついていません。ゴールまで残りわずかなところで止まってしまったユージ(井出)は気の毒でした。良い結果を残そうとハードにプッシュしていたので今回はすごく残念です。次こそ運が僕らに向いてくることを期待しています」

井出有治選手
「22号車(NISMOのZ)と同じタイミングでピットインする予定でしたが、少々早めでした。それと無線が使えない状態でしたし、ストレートではライバルに離されるという厳しいレースでした。どこかで流れを変えなければいけないです」

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8月3〜4日にもてぎで合同テスト開催

今回は残念な結果に終わったが、チームは8月3〜4日にツインリンクもてぎで行われるJGTC合同テストに参加して第5戦(9月4〜5日/ツインリンクもてぎ)以降の巻き返しを期す。 走行時間は、両日とも9〜11時、14〜16時で、一般の見学も可能(ツインリンクもてぎの入場料で合同テストが見られる)。通常のレースウィークと異なり、走行時間のインターバルも長くドライバーも比較的リラックスしているし、何より普段なかなか入ることのできないパドック裏へも行けるのがテストの魅力だ。 もちろんピットの中やコースサイドに立ち入ることはできないが、テストで何が行われているのかなど細かい部分がチェックできる。

今回の借りは十勝24時間で返す!

夏休みは、トレルイエ、井出両選手が参戦するフォーミュラ・ニッポンも応援に行きたい。8月1日はスポーツランドSUGOで第6戦、8月29日にはMINEサーキットで第7戦が開催される。井出選手の初優勝はなるのか? 期待したい。 また8月7〜8日には、十勝スピードウェイでスーパー耐久シリーズ第5戦の「十勝24時間レース」が開催される。井出選手は、クラス3のフェアレディZで参加。レギュラーコンビの星野一樹選手に加え、柳田真孝選手、そしてもうひとりビッグなゲストドライバーの参加が予定されている。「去年はC-WESTのZで参戦してクラス2位でした。今年はシリーズで3連勝をしていますし、助っ人選手の力を借りてぜひ優勝したいですね。これで4連勝を遂げればシリーズもずいぶん楽になりますし。GTの借りも返しておきたいです」と井出選手。 観戦の際にはぜひ応援をよろしくお願いします!

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