第1戦 GT選手権レース in TI

MOTEGI GT CHAMPION RACE in TWIN RING MOTEGI
第1戦 in TIサーキット英田(岡山) 1周= 3.703km

カルソニック IMPUL Z
アンラッキーなレースで8位

2004年JGTCシリーズは、4月3〜4日に岡山のTIサーキット英田で開幕。井出有治/ブノワ・トレルイエのカルソニック IMPUL Zは、予選5位からスタートし8位入賞。天候に振り回されたアンラッキーなレースだった。

予選

予選の行われる3日は、少々風は吹くものの気温15℃と穏やかな晴天。「今年は井出とトレルイエを競わせる」と星野一義監督が明言していたとおり、今回は初めて井出がアタッカーを担当することになった。またテストで好調なタイムを出していたニューウェポン・フェアレディZだけに、誰がまずZの初優勝を遂げるのかにも興味が持たれた。
GT500クラスの予選1回目は10時から20分間。チームは予選用タイヤ2セットを予選1回目で使う予定にしていた。まず1セット目で井出が1分22秒968と4位となるタイムをマークするが、タイヤを暖めるのに時間をかけ、2セット目を使うタイミングを逸してしまった。その直後に2セット目のタイムで1分22秒404というトップタイムをマークしたのは#22 Zのミハエル・クルム。「クルマは悪くないし、僕にも22秒5ぐらいは見えていました。午後に状況が良くなることを期待したい」と井出は唇を噛んだ。GT500の予選2回目は15時50分〜16時10分。しかし気温が若干下がり、また井出も頑張りすぎて第1コーナーのブレーキングでタイヤを痛めてしまい、わずかにタイムアップはならず。結果、1台に抜かれて予選結果は5位ということになった。

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決勝

前日夜から振り出した冷たい雨は4日朝も残り、8時30分から30分間行われたフリー走行も完全ウェットコンディションで行われた。このセッションでブノワが1分38秒300のトップタイムをマーク。2位にも#22 Zが入り、ウェットコンディションでもZが速いことを証明した。
5万8500人ものファンで埋まったTI。決勝までには雨は上がったもののコースコンディションはウェットだった。しかし天候は回復に向かいつつあり、何周で路面が乾きだすのか判断が非常に難しかった。星野監督の判断はドライ用のスリックタイヤ。しかし最終的にチームはレインタイヤを選択。ジャッキアップした車両のタイヤを緩め始めたとたんに、オフィシャルから制止された。スタートの5分前を過ぎると、コース上では作業が禁止されているためだった。
14時15分、GT300の車両がすべてスリックタイヤで決勝に臨んだこともあり、安全確認のためにセーフティカーの先導によりレースが始まった。4周終了と同時にセーフティカーが外れてコンペティションが始まった。しかし濡れた路面にはスリックタイヤは厳しく、井出のZは同じくスリックタイヤを選択した#22 Z同様後退。さらにスタート直前の作業のために、#1 Z(こちらはレインタイヤに交換)と共にドライブスルーのペナルティを受けることになってしまった。一時16台中13位、しかも総合32位とGT300クラスの中団までドロップした井出は、我慢の走りを続けた。スタート当初はレインタイヤとドライタイヤのラップタイムは1周あたり20秒も違ったが、路面は徐々に乾いてきて20周目には、ほぼ同じタイムに。徐々に本来のペースを出せるようになったが、他陣営はピットインしてドライタイヤに交換したため、井出はトップ#39スープラの背後、しかも1周遅れの12位でレースを続けなければならなかった。それでも9位までポジションを上げて、41周でピットインしてブノワに交代した。
バトンを受けたブノワは、12位でコースへ。49周目には10位と入賞圏まで順位を上げた。中盤はアンダーステアがひどくなったため、ポイントを確実に取る走法に切り替えた。そして終盤は車重も軽くなりアンダーステアも徐々に改善され、総合で2位となるベストラップを刻みながら9位へポジションを上げてチェッカーを受けた。レース後、ペナルティを受けた車両があり結果はひとつ繰り上がって8位となったが、残念なレースで終わってしまった。

井出有治選手
「決勝前のフリー走行を走ってみて、ドライタイヤはあり得ないと思ったんです。ギリギリになってタイヤを交換しようとしましたが、制止されたのでドライのままでした。#1 Zが交換して優勝しましたから、僕たちも(#1 Zと)同じペナルティを受けるのであれば、制止を振り切ってでも交換した方が良かったかもしれません。ラップタイムも良かったのに……」


※次回は5月22〜23日にスポーツランドSUGOで行われる第2戦をレポートします。またゴールデンウィーク前には、企画モノを掲載予定。他コンテンツもカルソニックカンセイレディを含め随時更新していきますのでお楽しみに。

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星野監督、悪ノリ?

今回の予選担当を聞くと「井出、いや出川だよ」と星野監督が苦笑しながら答えてくれた。これは2月の日産モータースポーツ体制発表会で、星野監督が井出を紹介する際に、NISMO出川洋監督と間違え、井出も「ドライバーの出川です」とやって会場が沸いたことに端を発する。実は3月のFニッポンでもこれをジョークでやっており、しばらくは雑談のお約束となりそうだ。


井出、予選初アタック

昨年は予選のアタック担当はブノワに任されていたが、今年はFニッポンでも井出とブノワが組んでいることもあり、競争の意味もあって予選担当は半々ずつになりそうだ。井出には、レースウィークの最初のミーティングで伝えられたそうだが、「NISMOのテストカーでも走りこんでいましたからFニッポンほどは緊張しませんでしたね」と笑った。2回目の予選ではポールを狙って攻めた結果、総合5位にとどまったが、今後のふたりの切磋琢磨が楽しみだ。



トランスポーターにご用心

ピットウォークやピット裏で気づいたファンもいただろうが、ブノワがまるでやんちゃな子どもみたいに右のおでこに絆創膏を貼っていた。これはピット裏のトランスポーター(トラック)にぶつけて切ったもので、ブノワと仲の良い杉崎エンジニアも目の近くをぶつけてしまっていた。狭いパドックならではのアクシデントなのだが、ファンの皆さんもRQに夢中になって誰かとぶつかったりしていませんか? レース観戦の際にはお気をつけください。

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