オートポリスJAPAN GT in KYUSHU 300km

MOTEGI GT CHAMPION RACE in TWIN RING MOTEGI
第7戦 in オートポリス(大分) 1周= 4.674km

カルソニックスカイライン 2ピット作戦敢行も11位に終わる

予選

99年にオールスター戦が1度だけ開催されたことのあるオートポリス。阿蘇外輪山の一角にあり霧や雨など天候の急激な変化が多いが、このレースウィークはおだやかな晴天に恵まれた。ここは標高が高い場所にあり気圧が低いため、富士スピードウェイのレース同様NA(自然吸気)エンジンにはリストリクター径を広げる優遇措置が取られた。しかしそんな中でも練習走行からスカイラインGT-R勢は好調だった。練習初日はカルソニックスカイラインが総合トップを奪ったこともあり、大きな期待がかかった。
そんなプレッシャーの中行われた25日の公式予選では、午前中の予選1回目でタイヤを2セットとも使って、午後の予選2回目は決勝セッティングを煮詰めることにした。その予選1回目、序盤からコースに出たブノワは、1分43秒567で2位となるタイムをマーク。途中タイヤを交換してもう一度アタックに出たが、タイムアップならず7位に終わった。予選2回目はこのタイムを上回る車両があり総合では9位というスタートポジションになった。
「1セット目は急いで暖めてしまい予選用タイヤのおいしいところを使えませんでした。2セット目はゆっくり暖めているうちにタイムアップしてしまいました。非常に悔しい」とブノワ。

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決勝

4万3900人のファンを集めたオートポリスは、前日に続き好天に恵まれた。朝のフリー走行後、星野一義監督らスタッフと井出は1時間近くもミーティングを続けた。「レースの作戦についてのミーティングでした。クルマに乗ってしまえば落ち着くと思うんですが、それまではなんだかドキドキしています」とレース前に怪しげなコメントの井出。それはレース中盤に判明することになる。 13時59分、65周の決勝レースがスタートした。ブノワは1周目を8位、2周目を7位、そして3周目を6位と毎周ポジションを上げて、さらに前を目指した。そして4周目の第1ヘアピンで#35スープラのインに飛び込んだ。しかしインを閉められたために縁石に乗り上げ、逆に#35スープラと接触する形となってしまった。幸いにも接触によるマシンダメージはなく、10周目には5位、13周目には4位まで上がり前を追っていったが、なんと21周でピットイン。ドライバー交代とガス補給は行わず、タイヤ交換のみでピットアウトしていった。
オートポリスは、路面コンディションが良くなく、タイヤも早めにグリップダウンしやすい。さらにラインを外すと突然グリップを失うこともあり、アクシデントが起きる可能性も高く、そのためにセーフティカーが入る可能性もあった。このためにチームは、2回ピット作戦を取り、他チームよりフレッシュなタイヤで攻めるレースをしようとしたのだった。
いったん12位にポジションダウンしたブノワは、中盤に他陣営がルーティンピットを迎えたこともあって26周目には7位、30周目には2位、そして33周目にはトップに躍り出た! そして41周で2回目のピットインをして、タイヤ交換、給油、ドライバー交代をして三度コースへ。ステアリングを受けた井出は#23GT-Rと#22GT-Rの間、7位でコース復帰すると、44周目に5位、45周目にトップとは19秒5差の4位、さらには52周目にはトップとの差を10秒2にまで詰めていった。
しかし追い上げはここまで、タイヤはすでにグリップを失っており、終盤の62周目には#38スープラにかわされ5位に。さらにチャンピオン争いをしている#23GT-Rに順位を譲り6位でチェッカーを受けた。結果的には2ピット作戦は実らなかったが、意表をついた作戦とスリリングな展開は非常に見ものだった。
しかし暫定表彰後に、12周目のブノワの走行がラフプレーとされ、1分間のペナルティを加算されることになった。星野監督もビデオテープをチェック後に説明に行ったが、残念ながら判定は覆らず、結果11位でノーポイントに終わることになった。
ブノワ・トレルイエ選手
「2ピット作戦はうまく行きましたし、チームも素晴らしい仕事をしてくれました。ユウジも良い走りをしましたが、最後にペースダウン、残念でした。接触は前のマシンが進路を閉めたためで、決して危険行為をしたわけではありません。自分としてはペナルティには納得できませんが、それ以外はいいレースができたと思います」
井出有治選手
「2ピット作戦は昨夜に話がありました。チームスタッフもいい仕事をしてくれたんですが、自分のパートの前半でプッシュしすぎたのか、後半はグリップダウンしてしまいました。次はウェイトを降ろすことになりますし、もっといいレースをします」

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GTシリーズ戦初開催
オートポリスの印象は?

今回、JGTCのシリーズ戦が初開催となったオートポリスは、バブルの時代に建設された近代的なサーキット。阿蘇外輪山にあり、アップダウンに富みコースもテクニカルな部分が多い。カルソニックスカイラインのドライビングクルーはどんな印象を持っているのだろうか?




ブノワ・トレルイエ選手
「コースは非常に好きです。(ストップ&ゴーサーキットのように)ハードブレーキングをしてターンするところが連続しないし、テクニカルなセクションが多くてとってもチャレンジングです。GT-Rにも合っているしドライブしていて楽しいですね」





井出有治選手
「4年前のオールスター戦ではシルビアで走っているので初めてではないんですが、半月前にあった走行会に参加してコースを確認してレースに臨みました。スカイラインでは初めてですが、クルマのバランスがすごくいいので楽しいです。クルマとコースのマッチングが結構いいと思います。ただ、息を抜く部分がないですね(笑)」

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