Malaysian JGTC in Fuji Speedway

Malaysian JGTC in Fuji Speedway
第4戦 in 富士スピードウェイ(静岡) 1周=4.400km

カルソニックスカイライン堂々の圧勝!トレルイエ&井出が星野"監督"に初勝利をプレゼント

予選

梅雨明け近い12日は、曇天で蒸し暑い。今回カルソニックスカイラインのウェイトハンディは20kg。予選はハンディを課されない4位前後、そして決勝では逆転優勝を狙っていた。
予選1回目、残り1分というところでブノワは5位となる1分25秒035のタイムをマーク。直後に#22GT-Rに逆転されて6位となった。午後の予選 2回目は、1000分の1秒タイムアップしたものの、予選2回の総合では7位と変わらなかった。トップ5はスープラ、そして6〜8位がGT-Rという結果だった。
「1回目はセッティングが満足できませんでした。2回目はエンジンのミスファイヤが出たり路面が滑りやすかったりしました。4位を狙っていましたが、7 位でも問題ありません。富士ではまだ一度も勝ったことがないんですが、雨のレースは好きだしぜひ勝ちたいですね」とブノワ。

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決勝

【第1ヒート】

明けた13日は朝から雨で、それが止むと今度は霧という富士ならではの天候となった。それでも富士のスタンドには4万1000人ものファンがお気に入りのチームを応援に詰め掛けた。朝のウェットコンディションにおけるフリー走行では、カルソニックスカイラインは2位。GT-R勢が1、2、4位を占め、今回のレースでの活躍が期待された。
予定より1時間遅れで始まった決勝レースは、第1ヒートが20周、第2ヒートが30周でともにピットインなしというスタイルに変更された。第1ヒートは、霧が晴れた曇天。コースはセミウェットコンディションで、スタート以降の天候変化も読みづらくタイヤチョイスが難しい。カルソニックカンセイレーシングチームは、トップグループ同様浅溝のタイヤを選択。しかし予選9位の#39サードスープラがドライタイヤを選んだため、早めに路面が乾いた場合、不気味な存在となる。14時19分にペースカーが隊列の先頭を離れレーススタート。第1ヒート担当の井出はスタートと序盤のバトルに賭けていた。1周目にGT- R勢トップとなる5位へ浮上すると、2周目には4位、そして3周目には2位、さらに4周目の第1コーナーでついにトップを奪うと、徐々に後続の引き離しにかかった。ポールスタートで2位の#38auスープラはウェットセッティングでリヤウィングを立て気味にしていたため、ストレートスピードが伸びず2台の距離は離れていくだけ。
14周目には影山正美の#22ピットワークGT-Rが2位に浮上。さらには16周目の第1コーナーで本山哲の#23ザナヴィGT- Rが3位に上がり、GT-Rがトップ3を独占するかと思われた。井出と2位の差は既に5秒以上開いており、井出は独走状態に。
1周目に15位までポジションダウンしたドミニク・シュワガーの#39スープラは、路面が乾いてきてから猛烈な追い上げを見せ、ファイナルラップの最終コーナーで2台のGT-Rを抜いて2位浮上。しかし井出には届かず、カルソニックスカイラインが第1ヒートを制した。


【第2ヒート】

続く第2ヒートは、インターバルの間に弱い雨が降り出し、路面は完全なウェットコンディションに。「雨だし寒いし、僕ならもう帰っちゃったかもしれないよ。熱心なファンに感謝したいね」とレース後にブノワが語ったように、雨にもかかわらず多くのファンがNISSAN旗を振ってGT-R、Z、シルビアを応援し、ドライバーにパワーを送った。
16時4分、激しい水煙を上げながら第2ヒートがスタート。ホールショットを奪ったのは織戸学の#39スープラだった。しかしブノワは慌てなかった。2 周目のストレートエンドでハイドロを起こしてマシンコントロールができなくなった車両が、第1コーナーで他車両とクラッシュ。スタート時にストレートでストップしてしまった車両もあったため、これらの車両を排除するためにセーフティカーが導入された。トップは#39スープラ、2位がブノワ、3位はミハエル・クルムの#23GT-R、4位は前週のFニッポンで初優勝を遂げたリチャード・ライアンの#22GT-R。
セーフティカーが解除された直後の8周目の第1コーナーは再びブレーキングバトルで、#39スープラにチャージしていたブノワは、Bコーナーの1個目で一瞬トップを奪回する。しかし織戸も簡単には譲らず8周目は#39スープラが0.117秒差でトップを守ったが、直後の第1コーナーでブノワが逆転。さらに#22GT-Rも2位に浮上してGT-Rの1-2態勢となった。この2台は0.5〜2秒の間隔でトップを争ったが、ブノワは冷静にトップを守り30周を走って歓喜のチェッカー! 2つのヒートを完全制覇することで堂々の優勝を飾った。
ふたりのドライバーはGT500クラスで初優勝。もちろん星野監督が指揮を取ることになって初めての優勝で、誕生日を迎えて間もない(TOPICS参照)星野監督に大きなプレゼントをした。ポイントも36点となり、ランキングもこれでトップの#1スープラ、#23GT-R(49点)、3位の#22GT -R(47点)に続く4位に浮上。タイトル争いに加わることになった。

井出有治選手(第1ヒート1位)
「前を抜くことだけしか考えませんでした。トップに立ってからも自分のことだけを考えて走りました。#39スープラが追い上げてくるだろうと予想していましたが、後ろの車両は考えず逃げるだけ逃げました。トップで終えられてホッとしました。星野さんも『いいレースをしてくれた』と喜んでくれました。残るレースもきちんと走りたいですね。一緒に戦ってくれたNISSANの応援団に感謝しています」

ブノワ・トレルイエ選手(第2ヒート1位)
「ウェットコンディションはすごく好きで、コースアウトしないことだけを考えました。第1ヒートでユウジがいい仕事をしてくれたので、ポジションをキープすればいいと気楽でした。リチャード(ライアン)とはバトルになりましたが、抜かれて2位でも勝つことができると思っていました。目標はチャンピオンですけど、それは大変なことなので一歩ずつポイントを重ねていきます。日本のサーキットの中でこれまで富士だけ勝ったことがありませんでした。これでラッキーサーキットになりますね!」

星野一義監督
「レースには勝つか負けるかしかないんだけれど、井出もブノワもいいレースをしてくれたね。チームの優勝も久しぶりなんで本当にうれしいよ。チャンピオン争い? いやいやまだまだ。今はまだホッとしているところです」

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星野監督、レース前に優勝を予告!

「優勝おめでとう!」
ケーキを切りながらと星野監督が叫んだ。それは決勝日の朝にカルソニックカンセイレーシングチームテントで行われた星野監督の誕生祝いの会場だった。予選7位から優勝を狙ってはいたものの、それが今回のレースの予告になろうとは!?
7月1日に56歳の誕生日を迎えた星野監督にチームからケーキ、プレゼントが贈られた。ケーキにはまず大きなロウソクが5本立てられ、1本を抜いた星野監督は「40歳だから」とおどけた。
「実は56歳になりました。カルソニックカンセイのサポートで、最強のチームにします。よりよいチームにしていきたいと思います」とコメント。特製のケーキを「ケーキ屋カズちゃんが切ります」(実家は和菓子屋)。そして冒頭の言葉が飛び出したのだ。
星野監督はドライバー、カルソニックカンセイレディと共に記念撮影をしながら、井出選手と「優勝の握手です」と握手するなど終始ご機嫌。
その数時間後、それが本当のことになった。星野さん、こんなことなら毎レースでお誕生日のお祝いをやりませんか?

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