全日本富士GTレース

全日本GT選手権
第2戦 in 富士スピードウェイ(静岡) 1周=4.400km

カルソニックスカイライン03モデル投入のレースで2位表彰台に!

予選

ゴールデンウィーク最後の3連休の初日、5月3日は、朝から好天に恵まれたこともあり、予選日だというのに朝早くから3万7000人ものファンが富士スピードウェイに集まった。11時30分に既に気温25℃を超え汗ばむくらいの状況で予選1回目が始まった。予選アタックを務めるのはブノワ・トレルイエ。しかし満足なクリアラップが取れず、トップから1秒1遅れの1分25秒098で10位のポジションとなった。午後の予選2回目は日も傾き始めた16時50 分にGT500の走行が開始。開始5分でブノワがベストタイムを0秒3縮めた1分24秒692で、予選2回目のトップに立ちさらなるタイムアップが期待された。しかしブノワはアタック中に遅い車両に引っかかるなどして、今回もクリアラップが取れず、10位で予選を終了することになった。同じ03モデルの NISMO22号車が予選3位、50kg重いNISMO23号車が8位ということもあり、星野一義総監督も「もう少し上に行きたかったんだけどね」と表情が硬い。

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決勝

決勝日も前日からも好天が続き、過去最高の6万6000人のファンでグランドスタンドが埋め尽くされた。さらにうれしいことにニッサンの大応援団がピット前のスタンドに陣取り旗を振って応援をしてくれるので、何とかそれに期待に応えたいところ。今回のレースはシリーズ唯一の500kmロングディスタンスレース。2回のルーティーンピットとなるため、いつものレース以上にピットワークにはミスが許されない。ドライバーはもちろんのこと、エンジニア、メカニックも気が抜けないレースとなる。
予定ではスタートから2回目のスティントまでブノワが、そして最後のスティントを井出が担当することになっている。気温は前日同様25℃まで上昇。そして 13時55分に114周レースのスタートが切られた。2周目に前回優勝の#1スープラが足回りにトラブルを抱え緊急ピットインしたために自動的に9位に上がる。ブノワは、4周目には#23GT-R、7周目には#37スープラ、さらには9周目には#35スープラと#25スープラ、11周目には#39スープラを次々にかわして4位まで浮上!
13周目には2位走行中だった#36スープラがホイールのトラブルのためにピットインをすると3位。さらには17周目には#22GT-Rをも抜き去り、今度はトップを6.6秒まで追い詰めた。しかし前半のハイペースの影響か徐々に差が15秒以上まで広がり、37周で予定どおりのピットイン。迅速な給油、タイヤ交換などの作業を済ませコースへ復帰する。トップの#38スープラがピット作業を済ませコースに復帰すると、その差は4秒3に縮まっていた。さらに次の44周目には1.5秒差まで詰め寄りプレッシャーをかけ続けた。
中盤の57周目、#8NSXが突然のスローダウン&ストップで、レスキューカーがコースに出動。しかしこれをセーフティカー(SC)と勘違いしたコースマーシャルが、コース脇のポストで「SC」と表示されたボードを掲出してしまった。これに気づいたブノワは、ペナルティを取られまいとそのポイントでペースを落とした。その隙に3位の#22GT-Rに追いつかれ64周目には逆転され3位へドロップ。72周目に#22GT-Rがトップを奪うと、#38スープラは翌周の100Rでスピンを喫しガードレールにクラッシュ。これでブノワは2位となり、74周目にピットインして井出にバトンを渡した。燃料補給、タイヤ交換を迅速に行いコース復帰。井出はトップの#22GT-Rには追いつくことはできなかったが、2位のポジションを守ってチェッカー。GT -Rが1-2フィニッシュを遂げ、#23GT-Rも4位でゴール。星野総監督はNISMO柿元邦彦監督、本山哲らと抱き合って喜び、グランドスタンドのファンへ大きく手を振って、応援に応えた。
カルソニックスカイラインの表彰台は、01年第5戦ツインリンクもてぎの3位以来。次の第3戦SUGOでは40kgのハンディウェイトを積むことになるが、トップ10でゴールしてポイント獲得を目指す。なおレース後、競技運営団からミスを認めドライバーに迷惑をかけたとの説明文書がリリースされている。
ブノワ・トレルイエ選手
「2スティント目はハードにプッシュしたから、ときどきクルマが暴れたけど、ファンの声援にも応えられて良かった。NSXがストップしたときはSC表示の出ているところがあったから、ちゃんと減速したんだ。あれで20秒はロスしたと思うよ。それで22号車に抜かれたんだ。でもこれもレースだから仕方ない。新しい車では初めてのレースだったので表彰台に上がれて本当によかったです」
井出有治選手
「勝ちたかったです。僕に代わってからもプッシュしたんですけど、あれ以上のペースで行ってもタイヤをダメにするだけだし、ポイントを取ることが大切だと思っていました。星野さんが『よくやった!』とほめてくれたのでうれしかったですね。先週はフォーミュラ・ニッポンで3位、今日は2位なので、次のレースは優勝ですね!」

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