SUZUKA GT300km

全日本GT選手権
最終戦 「SUZUKA GT 300km」鈴鹿サーキット(三重) 1周=5.85913km

カルソニックスカイライン トラブルに見舞われるも粘り強い走りで17位完走

予選

おだやかな晴天に恵まれた鈴鹿。16日に行われた予選は、今回初めてブノワ・トレルイエがアタックを担当することになった。前回のMINEの決勝レースで先輩ドライバーであるエリック・コマスと接触リタイアしたブノワだったが、それまでに参加全車両で2番目のベストラップをマークしており、既にGT-Rにも慣れてきた様子。ただしブノワ本人は「鈴鹿よりMINEの方が得意」だということもあり、今回の予選が注目された。しかも今回は性能調整の特権もなく、NISMOの2台と同じ車重(1100kg)、リストリクター径(φ30.0)。ウエイトハンディはNISMOの#22号車が50kg、#23号車がなしで、#12カルソニックは10kg。さまざまな意味で比較ができる条件となっている。
午前中の予選1回目は、1分57秒705で14位。午後の予選2回目は、1分57秒472にタイムアップしたが、午前/午後の総合では14位。なおNISMOは#22GT-Rが11位、#23GT-Rが12位ということからも、カルソニックレーシングチームの健闘が分かる。

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決勝

決勝直前の気温は12℃。3万2000人の熱心なファンが鈴鹿に詰め掛けた。スタート直前、GT-Rのドライバー6名は、グランドスタンドに陣取って「NISSAN」の旗を振る応援団に手を振って応えた。そして注目のスタート。激しいトップ争いの後方で、GT-R勢はひとつでもポジションを上げようとベストを尽くした。スタートを担当したブノワは、周回遅れのGT300車両をかわすのにてこずりながらも、3周目13位、5周目12位、そして13周目10位とポジションアップ。しかしパワーステアリングにトラブルを抱えてグラベルに入ってしまい、そのまま緊急ピットイン。
チームはタイヤを交換してすぐにブノワをコースに送り出すが、重いステアリングのままでは満足なドライビングもできず1周でピットイン。車両はガレージに入れられ、これでリタイアかと思われた。しかしチームは、トラブルの修復に取り掛かり、レース中盤には田中のドライブでコース復帰。しかし今度はクラッチにトラブルが発生してなかなか思うようにペースが上がらない。それでも田中は周回遅れではあるが、前を走る#23GT-Rの背後にぴたりと付き、最後まで集中力を切らすことなくチェッカーフラッグを受けた。結果はトップから16周遅れの17位だったが、何とか完走を果たした。
ブノワ・トレルイエ選手
「パワステのトラブルで、とてもドライブできるような状態ではありませんでした。GT-Rの運転は難しいですが面白い。来年もニッサンのクルマをドライブしたいです」
田中哲也選手
「これでVQエンジンでのレースも4つ目で、徐々には良くなってきていますが、まだまだ満足できるような状態ではありません。今年1年を振り返ると、とっても悔しい。来年は、このままでは終わらせない、絶対巻き返すぞという気持ちで頑張ります」

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星野総監督が鈴鹿のファンにあいさつ


決勝レース後に、8月に現役ドライバーを引退した星野一義総監督の引退セレモニーが行われた。グランドスタンド下の暫定表彰台で、本山哲選手、中嶋悟ナカジマレーシング監督、高橋国光GT-A会長から花束を、さらにファンからの寄せ書きを受け取った星野総監督はグランドスタンドに詰め掛けた大勢のファンの前で、「本当に長い間、応援をありがとう」と感謝の気持ちを述べ「これからもホシノレーシングを日本一にしていきます」と語った。そして金子豊チーム代表の運転する赤いセドリックのオープンカーで東コースを1周。ときおり大きな声でスタンドに向かって「ありがとう」と声援に応えていた。さらに星野総監督は、再び表彰台からグランドスタンドのファンに向かって何度も頭を下げ、そのまま口を真一文字に結んだまま鈴鹿のファンに別れを告げた。日没時のトワイライトな時間帯でのセレモニーは、雰囲気も抜群であった。 なお、イベント中、グランドスタンド裏では、星野の現役時代の写真パネル展示&VTR上映、92年デイトナ24時間で総合優勝を飾ったニッサンR91CPの展示などのコーナーも設置されていた。
星野総監督のセレモニーは実はこれで終わらない。12月1日に富士スピードウェイで開催される「NISMO FESTIVAL at FISCO 2002」では、グループAのカルソニックスカイライン、チェリー、スーパーシルエットのニチラ(カルソニックの前身)シルビアなどをドライブする予定。これが本当のラストランなので星野ファンはお見逃しなく! もちろん田中、トレルイエ両選手も参加予定で、カルソニックカンセイのテントも設置予定。
詳細はNISMOの公式HP
http://www.nismo.co.jp/event/festa2002/index.html)へ。

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