CP MINE GTレース

全日本GT選手権
第7戦 「CP MINE GT RACE」セントラルパークMINEサーキット(山口) 1周=3.330839km

トレルイエが早さをアピール!しかしレースは13位に終わる

予選

冷たい雨が降ったり晴れたりと天候が不安定なMINEサーキット。予選1回目、GT500の走行枠では穏やかに晴れていた。今回カルソニックスカイラインは、フロントバンパーの下の部分を欠き取りアンダーステアを改善したり、エンジンの低速域でのピックアップを良くするなど改良を加えてきた。
予選アタックはいつものように田中哲也が担当し、1分23秒347で16番目となった。予選1回目の直後に大粒の雨が降り午後の予選2回目が心配されたが、それまでには路面も乾き再びアタックバトルが展開された。田中は午前中より0秒34タイムを短縮するが、他車両の多くもタイムアップを果たしており、総合では20台中18位という苦しいポジションとなった。トップとのタイム差がわずか1秒024という結果からも、激しい予選であったことが分かるだろう。

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決勝

前日同様不安定な天候のMINE。気温もさらに低くなり、決勝前は曇りで風も強く気温は12℃、路面温度は15℃というコンディション。4万4800人のファンが見守る中、14時すぎに76周の決勝レースがスタートした。スタートドライバーはブノワ・トレルイエが担当。MINEサーキットはストップ&ゴーのレイアウトで、しかもシリーズ終盤ということもありハンディウェイトを搭載して重い車両も多く、スタート直後は混乱することが多い。
1コーナーは大きな接触もなく隊列は無事通過したが、2コーナーで5〜9番手あたりの車両が接触。この混乱の中、ブノワはなんと18番手から9番手までジャンプアップ。しかも前はフランスの先輩ドライバーであるエリック・コマスのカストロール ピットワーク GT-R。もう1台のGT-R、本山哲のザナヴィ ニスモ GT-Rも6番手に浮上し、GT-Rが全車トップ10を走行。まるで第4戦セパンのVTRを見ているようで、ニッサンファンを喜ばせた。さらに3周目にはこの日のGT-R、3台のベストタイム(参加全車両でも2番目)である1分23秒211をマーク! 昨年の全日本F3王者のスピードとGT-Rへの適応力を見せた。
ブノワはエリックの背後にぴたりとつけ、共に直前を走る2台のスープラに迫る。6周目の1コーナーで1台のスープラをかわし8番手に浮上すると、さらにもう1台のスープラにプレッシャーを与えていった。しかし、7周目の2コーナーでオイルを踏んだのか、破片を拾ったのか? ブノワはブレーキングに失敗し、なんとエリックのGT-Rと接触。エリックは動き出すが右リヤのホイールを割り第1ヘアピンでマシンをストップ&リタイア。ブノワはサンドトラップに捕まったが、何とかコース復帰を果たした。
ブノワは23周でピットインして田中にステアリングを託した。バトンを受けた田中は、荒れたコースでGT-Rをステディにドライブ。47周、約156kmのロングランを担当して6周遅れながらも、13位でチェッカーを受けた。次回の最終戦で、ブノワのスピードと田中の安定した走行がうまくミックスされれば……。そんな期待が持てそうなレースだったといえるだろう。
ブノワ・トレルイエ選手
「クルマのフィーリングも良かったので、2コーナーでエリックを抜こうとしたら、ブレーキングしたときにロックしてしまい、イン側から当たってしまった」
田中哲也選手
「アクシデントは仕方ないですね。僕の担当はロングのテストみたいでしたけど、その分データも取れたでしょうし、クルマはだんだん良い方向になってきていますよ」

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星野総監督がMINEのファンにあいさつ


決勝レースを前に、8月に現役ドライバーを引退した星野一義総監督の引退セレモニーが行われた。コース上に引かれた緋毛氈の上で花束を受け取った星野総監督はグランドスタンドに詰め掛けた大勢のファンの前で、現役を引退した理由を語り、またこれまでの応援に感謝の気持ちを伝えた。スタンドからは大きな温かい拍手が起き、星野総監督は何度も手を振りながらファンの声援に応えた。その後、フラッグタワーに上がった星野総監督がグリーンフラッグを振って各車両がコースイン。特にGT-Rに対してはガッツポーズも見せ、気合を入れている姿がほほえましかった。

星野総監督にとっての「GTカー」とは?


少々前の話題だが、8月に福岡市の繁華街・天神にある複合ビルIMS(イムズ)で「IMSモーターショー」が開催された。IMSの1階には「僕の、私の、GTカー」というテーマで、さまざまな有名人が語る“思い入れのあるGTカー”のパネルが展示。星野総監督のパネルは、愛弟子の近藤真彦選手、WRCの新井敏弘選手と並べて展示され、多くのファンが足を止めてパネルを眺めていた。今回はその中の気になるコメントを紹介しよう。
「僕にとってのGTカー、それは18歳で普通免許を取ってすぐに手に入れたS54B(スカイラインGT-B)だね。それは4気筒のスカイラインのエンジンルームを延長して、グロリアの直6エンジンを搭載したもので、とにかく気持ちよく走れたよ。S54Bは新車で99万円ぐらいしたんだけど、僕が買ったのは中古車。当時僕はカワサキの契約ライダーとして明石に住みながらレースを転戦していたんだけど、1年間で5万kmぐらい走ったかな? 当時は高速道路なんてまだ名神ぐらいしかない時代だけどね(笑)。
僕はセダンベースの2ドア、4ドアのクルマが好きだから、フェアレディZよりもやっぱりスカイラインが好きだね。当時人気のあったコロナ、べレット、コンテッサは4気筒の1600cc。でもS54Bは6気筒の2000cc。そりゃ全然違ったよ。
その後、ニッサンのワークスドライバーになるわけだけど、レースカーでいえばR32のGT-Rかな? グループAで勝つために作られたクルマで、4輪駆動独特のマシンコントロールが必要だった。何度も優勝を経験したしチャンピオンも取れた思い出に残るクルマだね。R33、R34とその後もレースではGT-Rを乗り継いだけど、R32が一番思い入れがあるね。僕は直6のフィーリングが大好きなんだ。今年のGT選手権では、GT-Rのエンジンが直6のBR26DETTからV6のVQ30DETTに変更されたわけだけど、これは時代の流れなんだから仕方がないと思っているよ。勝たなきゃいけないわけだしね」

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