もてぎGTチャンピオンレース

全日本GT選手権
第6戦 「もてぎGTチャンピオンレース」ツインリンクもてぎ(栃木) 1周=4.801379km

カルソニックスカイラインニューエンジン投入もトラブルに終わる

予選

秋雨前線の影響で天気がぐずつき肌寒いツインリンクもてぎ。早朝まで降った雨は上がったが、いつ降り出してもおかしくない状態。カルソニックレーシングチームは、8月28日をもって現役ドライバーを引退した星野一義監督に代わり、今回から昨年の全日本F3チャンピオンであるフランス人ドライバー、ブノワ・トレルイエ選手(25歳)を起用。ブノワは昨年NSXでJGTCへの参戦経験があり、田中哲也選手とのコンビが楽しみなところ(プロフィールはドライバーのコーナーへ。ショートインタビューはトピックスへ)。
田中、トレルイエ両選手のヘルメットには、「Thanks 12 HOSHINO」と書かれた小さなステッカーが貼られていた。これは「心のお師匠さんである星野さんに敬意を払おう」とアメリカのプロスポーツをみならいGT-Aが制作したもので、ほとんどの選手が貼付していた。なお制作した500枚はあっという間に関係者にわたり在庫がなくなったという。
朝10時44分にスタートした予選1回目は、田中選手がアタックを担当。今回は性能調整のために吸気量を調整するリストリクターが1サイズ(0.6φ)広がったが、トップからは0.915秒離れた1分47秒773で10番手。15時20分からの予選2回目は、16時18分からGT500クラスの走行枠に。残り7分となり、路面にラバーグリップが乗ったころから各車が一斉にコースイン。しかし残り3分、いよいよアタックラッシュとなるころにスピンコースアウトする車両が出て2箇所でイエローフラッグとなり、スピードダウンを余儀なくされた。カルソニックスカイラインも残念ながら思うようなアタックができず、タイムアップできないまま予選終了。総合予選結果は15番手になってしまった。

ページトップへ

決勝

明けた15日も午前中は雨が降り肌寒い。決勝レースの前に星野監督の現役ドライバー引退セレモニーが行われた。
曇りで気温23℃という条件にもかかわらず4万4000人のファンが集まったもてぎ。14時に63周レースのローリングが開始された。スタートドライバーは田中選手で、序盤の混乱をうまくかわしてポジションをひとつ上げ14位に。ところが3周目には5番手から12台がダンゴ状態で、いつどこで接触があってもおかしくない状況になった。田中選手は5周目に12位まで浮上するが、6周目には7番手以下の7台が長い隊列となり、11周目にはマシンコントロールにてこずる#30マクラーレンと田中選手が接触。カルソニックスカイラインは何とかコースに残ることができたが、若干ハンドルが曲がった状態で思うようにタイムアップが図れない。そして折り返し点を過ぎた32周目にピットインしてトレルイエ選手に交代。GT-Rを決勝で初めてドライブするトレルイエ選手は、11位走行時の52周目のV字コーナーでスピンを喫したが、順位には大きな変化はなし。そのまま11位でチェッカーとなり、残念ながら新体制でのポイント獲得はならなかった。
田中哲也選手
「ブノワと一緒にもっとチームに貢献しなければいけないんですが、今回はGT-R全体が結果を残せなかったですね。でもドライバーはドライバーなりに何とかしなければいけないです。(接触は)立体交差のところで。こっちはインへ入っているのに塞いできました。遅いなら遅いなりの運転をしなければいけないのにマナーが悪いです」
ブノワ・トレルイエ選手
「田中選手が接触した後はステアリング操作が難しくて、アクセルで調整していたんですが、少し強めに踏んだらスピンしてしまいました。GT-Rのドライビングを楽しむことができましたが、次はもう少しいい成績を残したいですね」
星野一義監督
「うちのチームの実力はまだこんなものです。ブノワはF3のチャンピオンを取っているくらい実力のあるドライバーだから、何も心配していないし、何の問題もないよ」

ページトップへ

Topics

もてぎのファンの前で引退セレモニー


今回の決勝レース直前、星野一義監督の現役ドライバー引退セレモニーが行われた。まず軽くあいさつをすると、金子豊チーム代表の運転するフェアレディZのオープンカーに乗りコースを1周。ファンや旗を振るオフィシャルに手を振り声援に応えた。
グリッド最前列の特設会場に戻ってきた星野監督は、すでにドライバーを引退した高橋国光、長谷見昌弘、関谷正徳監督らから花束を受け、ねぎらいのメッセージを聞いた。途中、金子代表がメッセージの最中に感極まり泣き出してしまうシーンも。最後は、ニッサン系のドライバーをはじめとして近藤真彦選手や飯田章選手など、星野監督に憧れたり世話になったドライバーが集まり胴上げ! 星野監督の長年の功績を称え、引退を惜しんだ。

ボンジュール! ブノワです。よろしく!


「今年フォーミュラ・ニッポンのシートを失ってフランスにバカンスで帰っていたら連絡があって、8月のテストに参加しました。僕がカルソニックスカイラインに乗れることになって驚いたけど、とてもうれしい! GT-Rは去年乗ったNSXと全然違います。フロントエンジンもターボも初めてなんですが、一番驚いたのはドライビングポジションがすごく後ろで、さらに高いことです。でもぼくがGT-Rのようなスペクタクルなクルマに乗れるなんて。以前から興味を持っていたクルマなので、よい成績を残してちゃんと操縦できるってことをお見せしたいです。チームはとてもプロフェッショナルで、そのことには感銘を受けています。
星野さんの代わりなんですが、光栄なことだと思います。特にプレッシャーは感じていません。僕はできる限りベストを尽くすだけです。僕は星野さん同様2輪から4輪に転向しているので、その話はしました。でももっと話ができるよう日本語を勉強します。
哲也さんは、精神的に素晴らしいドライバーで、いろんなことを考えながら速く走れるんです。彼と一緒に組めることは自分に大きく役立つはずです。皆さん応援してください!」

Topics

ページトップへ