レースレポート

2018 SUPER GT 第6戦

11月15日〜16日 スポーツランドSUGO(1周:3.704256km×81周)

カルソニック IMPUL GT-R、3位で今季初の表彰台を獲得

2018年SUPER GTシリーズ第6戦は、300kmレースとしてスポーツランドSUGOにおいて開催され、カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)は予選2位からマーデンボローがスタートし、一時は3位に順位を落とすもののトップへ。中盤に佐々木に交代後は2位でトップを追いかけていたが、最終コーナーでタイヤカスに乗ってコースアウト。その後はエンジンのパワーが落ちブレーキ温度も上がってしまい苦戦を強いられたが、3位を守ってゴール。今季初の表彰台を獲得した。

今年は9月開催となった東北ラウンド。ハンディウェイト36kgと比較的軽量なカルソニック IMPUL GT-Rには、今季初の表彰台獲得、そして優勝の期待がかかった。”魔物が棲む”と言われるSUGOはコース幅が狭く、タイトなコーナーが連続する部分もあり、接触やアクシデントも起きやすい。

しかも15日朝の公式練習はうっすらと雨が降り始めウェットコンディションとなった。しかし弱い雨は午後には上がり、GT500クラスの公式予選Q1のころには、路面も乾き始めていた。マーデンボローは早めにコースインするとセッション残り3分となったタイミングで1分11秒043のトップタイムをマーク。直後にコースアウト&クラッシュした車両があり、セッションは赤旗中断となった。再開後は2分45秒のアタックタイムとなったが、マーデンボローはコースインせず結果を見守った。最後にトップタイムは奪われてしまったが、Q1を2位で通過した。Q2は完全なドライ路面で始まった。佐々木が先頭でコースインすると残り2分、1分10秒286でトップに立った。しかし直後に100分の4秒上回る車両があり佐々木は2位。だが、今季最上位の2位フロントローからのスタート位置を獲得することができた。

16日は雲は多いものの晴天となり、朝の早いうちからSUGO周辺は年に一度のGTレース観戦を楽しみにしているファンの車列で渋滞となった。ピットウォークでは9日に27歳の誕生日を迎えたマーデンボローのバースディセレモニーを実施。特製ケーキとカルソニックレディからは名前入りの箸などのプレゼントもあり、マーデンボローも屈託ない笑顔を見せた。またグリッドにはカルソニックカンセイの森谷弘史会長が星野一義監督を表敬訪問。星野監督も今回こそ良いレースを見せると約束していた。

81周の決勝レースは気温26℃、路面温度37℃というコンディションの14時5分にスタートが切られた。序盤に大きな混乱もなくマーデンボローは2位を守って走行していたが、9周目のホームストレートエンドで#8 NSXに先行を許し3位へ。しかし19周目のレインボーコーナーで抜き返し2位に順位を戻した。さらにトップを走る#100 NSXに追いつき23周目の1コーナーでついにトップを奪った。

2位の#100 NSXが34周でルーティーンのピットイン。マーデンボローは2位の#8 NSXに14秒の差をつけて、38周でピットインし佐々木に交代。しかしこの作業で#100 NSXよりも4.5秒ほど余計に時間を要した。ピットアウトした佐々木は、既にタイヤが暖まっている#100 NSXにレインボーコーナーでかわされ実質の2位へ。#100 NSXとは1.1〜2.7秒ほどの差で周回していた。佐々木はその差を縮めようとしていた44周目の最終コーナーでタイヤカスを踏んでコースアウト。さらにコースサイドの芝を踏みながらコースへ戻った。これでトップとの差は11秒に開いてしまった。 さらに草がフロントグリルの一部を塞いだこともあり、ラジエターやブレーキ等の冷却機能が低下。エンジン温度、ブレーキ温度共に上昇しペースがなかなか上げられず、アクセルが戻らない状態となった。これにより3位の#8 NSXに接近され57周目の1コーナーでは2位のポジションを譲ることとなった。さらに60周を過ぎると4位の#38 LC500に詰め寄られたが、67周目にクラッシュした車両を排除するために69周目にはセーフティカーが導入され、これでエンジンとブレーキをクールダウンすることができた。

72周で隊列が組み直され75周で再スタートが切られると後方の4位争いが激しくなり、その間に佐々木は4位との距離を引き離すことに成功。3位の順位を守って無事ゴール。今季初優勝こそならなかったが、佐々木とマーデンボローのコンビで初の3位表彰台を獲得することができた。

佐々木大樹
「どうしてもトップに追いつきたい一心で攻め過ぎて、最終コーナーでタイヤカスを踏んでしまい自分のミスで飛び出してしまいました。クルマが最後までもってくれて本当に良かったです。今季TEAM IMPULに移籍して初めての表彰台を獲得できました。次のオートポリスでは優勝できるよう頑張ります」

ヤン・マーデンボロー
「2台のNSXと戦うのが楽しかったですが、スタート直後は難しい展開でしたし、その後はGT300車両を追い抜くのが大変でした。それでもコースオフしそうなぐらいのブレーキングでトップに立つことができました。ハードでしたが楽しいレースでした。次のオートポリスでは優勝以外考えていません」

11月15日2位/ウェット観衆:1万2,900人
16日3位/ドライ気温26℃
路面温度37℃(14時)
観衆:2万8,500人
ドライバー部門佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー11位/29点
チーム部門10位/45点

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