レースレポート
SUPER GT 第5戦7月22〜23日 スポーツランドSUGO サーキット(1周:5.542km×81周)
22日 : 雨 / ウェット、14,000人    23日 : 曇り / ドライ、5万100人

スーパーラップで9位に沈むも
パフォーマンスを発揮して6位入賞

予選9位/決勝6位   ドライバー部門:9位/30点、チーム部門:7位/27点  ※暫定結果:第3戦の最終結果が未確定


 GT500クラスの日産車にとってSUGOは鬼門。94年のSUGO初開催以来、GT-RもZも不思議なことに1勝もできていないのだ。昨年、ポールポジションを獲得したカルソニック インパル Zは、アクシデントによる中断後のスタート直後に追突を受け後退してしまった。今回のウェイトハンディは20kgで、今年もポール獲得を狙える位置にある。そして目指すのは日産車初のSUGO優勝だった。


Copyright © Calsonic Kansei 
 SUGOの金曜は雨。しかも霧のために視界は悪い。そのようなコンディションで行われた合同テストで、Z勢は好調だった。4台のZがトップ10入りし、カルソニック インパル Zも4位とまずまずの位置につけた。

 そして予選日も朝から弱い弱い雨が降り続いた。気温19℃と肌寒い中、予選1回目が11時にスタート。しかしGT300の専有走行枠で2回の赤旗中断、さらには40分遅れで始まったGT500の専有走行枠にもコースに残っていたGT300の車両が接触&コースアウトして3回目の赤旗中断となり、12時12分から18分間の予選アタックとなった。このセッションでまずブノワが1分27秒439でトップタイムをマーク。ブノワはさらに1分26秒台、25秒台にタイムアップ。直後に#32NSXが1分25秒487のトップタイムをマークした直後に4回目の赤旗中断となった。

 17分後、残り5分の予選が再々開。ブノワはコースインすると1分25秒808までタイムを切り取ったが逆転はならず2位にとどまった。混走の時間帯にも5回目の赤旗中断。コースの水は徐々に回復していき、ここでタイムアップをする車両も見られたが、カルソニック インパル Zは2位を守ってスーパーラップ(SL)進出を決定。2時間14分(予定は1時間)もかけた予選1回目は終了した。

Copyright © Calsonic Kansei 
 午後の予選2回目でも2回の赤旗中断があり進行は遅れていった。しかし多数の車両が走行したこともあり、レコードラインの多くは乾いていた。浅溝のレインタイヤ(インターミディエイト)で行くのか? スリックタイヤで行くのか? 判断は非常に難しい状態。2番目にアタックした#18NSXがスピンを喫しストップ。これで予選10位が確定した。6番目にスリックタイヤでアタックした#100NSXが1分23秒273でトップに立った。しかし8番目にインターミディでアタックした#1SC430が驚異の1分21秒823で逆転トップに。そしてブノワがアタックを開始した。ブノワはコースが乾いていないレインボーコーナーもうまく走り、中間地点ではトップからわずかに遅れていた。しかし濡れていた最終コーナーでバランスを崩し膨らんだ。何とか持ち直してストレートを駆け上ろうとしたブノワだったが、縁石に乗ってマシンは4回転。クラッシュこそ免れたが、1分41秒556で9位にポジションダウンする結果となった。

Copyright © Calsonic Kansei 
 決勝日は曇り。雨は朝までに上がっていたが、コースは完全には乾ききっていない。しかし気温は24℃まで上昇し午後には完全なドライコンディションに。13時59分、81周の決勝レースのスタートが切られた。3位争いの長い隊列の一番後ろで、ブノワは果敢に攻める。しかし5周目の3コーナー先でコースアウトを喫して芝生へ。何とかコースへ戻ったが、ヘアピンでスピンを喫してしまった。これで13位までポジションダウンしたブノワだったが、12周目に12位、14周目に11位、15周目に10位。さらには24周目に9位、26周目に8位、27周目に7位へとリカバリー。早めにルーティーンピットを迎えた車両が出始めたが、ブノワは中盤の38周目にベストラップを刻んで3位、折り返し点を過ぎた41周目にはついにトップに躍り出た。しかし最終コーナーで他車両と接触して6秒ほどをロス。しかしそれでも手綱を緩めず、2位との44秒の差を守って51周でピットイン。一樹にバトンを渡した。

 一樹は4位でコースへ復帰。しかしアウトラップでは立て続けにやってきた3台にかわされ7位で52周目を通過した。さらには#32NSXにも抜かれるが数周で再逆転、このままじわじわとポジションを上げていくかに思われた。ところが途中からミッションが渋くなったこともあり6位でゴールとなった。



Copyright © Calsonic Kansei 
ブノワ・トレルイエ
「序盤の3コーナー先でダウンフォースを失ってスピンしてしまいました。そこからはハードにプッシュしました。トップに立ってからも少しでもマージンを稼ごうとして走りましたが、最終コーナーで10秒(実際には6秒)をロス。僕は決勝でも2つのミスをしてしまい迷惑をかけてしまいました。でも6位でポイントが加算されたし、次のレースでは10kg軽くなるので、前向きに考えたいです」

Copyright © Calsonic Kansei 
星野一樹
「フラストレーションの残るレースでした。ミッションのダウンする方が途中から渋くなって、クルマとタイヤのバランスも悪かったです。思うようなレースができなかったので、もてぎの合同テストでチェックをして鈴鹿1000kmに臨みたいと思います」

Rd. 5 SUGO GT300km RACE
- Sunday,23 July, 2006 Sports Land SUGO [ 13:59 〜 15:48 81Laps Cloudy / Dry ]
Pos No. Car Driver Time / Diff
1 1 ZENT セルモ SC 立川 祐路 / 高木 虎之介 1:49'19"104 
2 23 XANAVI NISMO Z 本山 哲 / 松田 次生 -8"015 
3 22 MOTUL AUTECH Z Michael Krumm / Richard Lyons -29"166 
4 36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 脇阪 寿一 / Andre Lotterer -56"631 
5 32 EPSON NSX Loic DUVAL / 武藤 英紀 -1'05"998 
6 12 カルソニック インパル Z Benoit Treluyer / 星野 一樹 -1'11"409 
7 35 BANDAI DIREZZA SC430 服部 尚貴 / Peter Dumbreck -1'27"877 
8 8 ARTA NSX 伊藤 大輔 / Ralph Firman -1Lap 
9 6 Mobil 1 SC 飯田 章 / 片岡 龍也 -1Lap 
10 24 WOODONE ADVAN KONDO Z 柳田 真孝 / 荒 聖治 -1Lap 
9月26〜27日 富士スピードウェイ
8月19〜20日  鈴鹿サーキット(三重県)
※シリーズ最長の1000kmレース

ページトップへ

灼熱の耐久、鈴鹿1000kmにはデュフォアを起用

Copyright © Calsonic Kansei 
SUGOの直後、7月26〜27日にツインリンクもてぎで行われたGT合同テストで、ジェレミー・デュフォアがチームに合流した。昨年までスープラ、NSXとGT500マシンをドライブして鈴鹿も熟知しているデュフォアは、第6戦鈴鹿1000kmの第3ドライバーに起用されることが確定している。
「不安なんて全然ないよ。彼はGT500の経験もあるのだし鈴鹿も知ってるわけだから。もう初めっから心配なんてしてない」と星野一義監督。チームにはブノワやエンジニアのリカルドもいて、彼らの会話は母国語のフランス語で、何ひとつ不自由はなし。ジェレミーは、テストプラグラムの都合上初日からガンガン乗れるわけではなかったが、それでも初めてのZのドライビングを堪能したようだった。


ページトップへ