新たな年を迎えて

今年はGT最後のシーズンのつもりで戦う

レースには良い時、悪い時というのがあるわけだけど、こんな悪い状況になったことはない。昨シーズンは、応援してくださるスポンサーやファンの皆さんにも非常に申し訳ない気持ちになる惨めな一年だった。一昨年はチームランキングの13位、昨年は10位。しかも2年連続で優勝がないなんてこれまでなかったことだし。しっかり反省しているような時間ももったいなく、気合を入れてふんどしを締めなおしていくしかないと思っている。

SUPER GTは材料が足りないので、何かを補っていかなければ勝負できない。くじけている場合じゃないし、愚痴を言ってる場合でもない。名誉挽回だの何とかなるという問題でもない。特に去年はまさかのミスやトラブルが多かった。毎戦のように何かが起きた。そんな状況に暴れてしまいたくて、その気持ちを抑えることがきつかった。現場スタッフに対して厳しいことを言ったが、良くなる方法はなかった。だから責任は監督である自分自身にある。これまでも何度も自分をクビにしようとしたこともあった。でも雇われ監督だったらそれもOKだけど、カルソニック TEAM IMPULは僕のオーナーチーム。自分をクビにするとチームがなくなってしまう。するとスタッフの仕事がなくなる。だから、どうすればいいのか悩んだ。その点、日産のチームの中でミスなくロスを少なくして一番うまく一年を戦ったのはKONDO RACINGの24号車だったと思う。

それでも2019年はやって来た。今年は亥年。つまり僕の年(2019年に72歳)でもある。年男というわけだ。猪突猛進。突っ走る年にするしかない。気分は”レースを楽しむ”のではなく、チームを全部抱え込んで突き進み結果を残すことしか考えていない。僕は子どもの時からずっと欲をかいてきた。欲がないドライバーは絶対に伸びない。欲をかいていると目つきが違ってくるんだよね。

SUPER GTはポイントをコツコツ拾っていくレースシリーズだけど、僕は勝つしかないと思ってやっている。チームにおける僕の態度なんて、いま言われるところの”パワハラ”だと思う。だけど僕がいろいろ言うのではなくて、ドライバーが「こんなクルマじゃ勝てないよ、乗れないよ」ともっと強く言うべきだろう。嫌われてクビになってもいいからと、そんなわがままを言っていかないと現状は打破できないだろうね。もっと嗅覚を鍛えてギラギラしていかないと結果はついてこない。今年はSUPER GT最後のシーズンのつもりで戦う。

そして今年は、いつものように「東京オートサロン」(1月12〜13日、幕張メッセ)で始まる。今回もIMPULのブースでサイン会を実施したり、他のブースでトークショーなどに参加する予定だよ。レース現場以外では怖い顔はしていないと思うから、ぜひ遊びに寄ってください。応援してくれる方々のパワーをもらって、やる気を起こすつもりでいるから!

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