富士ラウンドに向けて

富士はウェイトも軽いし得意なコースだから
思い切りやるよ!

5月から6月の上旬にかけては毎週のようにレースがあって休まる暇もなかったけれど、6月中旬からは日程も落ち着いてレース漬けの日々から解放されている。僕はレース監督ばかりをやっているわけではないので、会社のことや自宅のことにも目を向けられるような余裕が出てきた。自宅にはヤマモモの木があるんだけど、散歩中の犬がそこの根元を掘っちゃうんだよね。すると土がむき出しになって美しくないから、近所のホームセンターでタマリュウ(玉龍=ジャノヒゲやリュウノヒゲヒゲのような常緑の多年草)を買ってきて植えたりしている。まるで植木職人だよね。

僕は何でもきれいに整っていないと気が済まないタイプ。さっき言った植え込みにしても、クルマのマットもそろっていないと嫌だし、靴だって汚れているのは履きたくない。クルマもきれいに洗っているしきれいじゃないと乗る気がしない。家の中は女房がやってくれるけれど、玄関に入ってそこがきれいだと安心するね。

しかし最近の天候は世界的に異常だよね。日本も真冬は激寒だったのに夏は酷暑。クーラーをつけないで死んでいく人もいるほどだ。グループCのレースに出てた時などはフロントラジエター車だったりすると、コクピットの中の温度は60℃ぐらいまで上がっているわけ。レーシングスーツ着てヘルメット被ってコクピットに座ってごらんよ。もうスタート前に汗びっしょり。つい10年ほど前までは、熱中症になってクルマから担ぎ出されるドライバーもいたよね。今はレーシングカーでもエアコンがついて運転に集中できるようになってきた。昔の暑さと今の暑さは違うけれど、僕たちの時代は室温60℃の体育館で柔道をやっているような感覚だった。

6月のタイのレースは、6年間ウチにいたJP(デ・オリベイラ)に当てられて、優勝争いから脱落してしまうという残念なレースになった。次は富士の500マイルレース。今年はカルソニックカンセイさんの創立80周年という記念すべき年なのが、ずっと気になっている。富士はウチと3号車がウェイトが軽いので、表彰台に乗るチャンスだよね。カルソニックカンセイ80周年に何かひとつでも良い結果で応えたい。

チームのミーティングでは、長いレースだしいろんなことを計算してミスなくやろうという話をした。ミスなくベストを出し尽くせば、そして運があれば結果は自ずとついてくる。タイでもクルマは速かったのだし、富士は得意なサーキット。だから今回は頑張る! レースが近づくにつれ、だんだんと意欲が沸いてきている状態なんだ。だから、ドライバーもチームスタッフも暑くて大変なレースになると思うけれど、運を味方につけて思い切りやるよ!

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