タイラウンドに向けて

タイはチャンスだと思うので、力一杯戦う!!

先日、東名パワードの創立50周年記念祝賀会に招かれて顔を出して来た。東名パワードは東名自動車としてスタートして、そこから分岐した東名スポーツや東名エンジン、特に東名エンジンには今もお世話になっているほど長いお付き合いがある。東名自動車はスズキのオートバイで城北ライダーズとして活躍していた鈴木誠一さんが、二輪に続き四輪をやるからと仲間と作ったチューナーで、日本のモータースポーツの発展に貢献した。特にサニーのA型エンジンをチューニングしてトヨタワークスを打ち負かして、それでTSレース(マイナーツーリング)はすごく盛り上がった。たくさんの競争があって、たくさんのチューナーがあって、それが今の日本のモータースポーツの土台になっている。

創立された昭和43(1968)年というのは、僕がオートバイ、カワサキコンバットでチャンピオンを取ったころで、鈴木さんは僕が日産に入った時は大森の先輩だった。東名チューンエンジンで優勝もさせてもらったし、僕は“東名学校”を卒業して本当に良かったと思っている。東大行ってもロクなクルマと出会えてなかっただろうね。鈴木さんは不幸な事故(1974年6月富士GCレース)で亡くなったけれど、当時から「お前も今から、走り、クルマ、ビジネスの準備をしておかないといけないぞ」と言われて、お手本にしたしいろんなことを吸収させてもらった。東大よりも素晴らしいことを教わったね。IMPULも初心にかえって各地で営業をしているし、50周年を無事に迎えたい。それにしても、国(高橋国光)さんら先輩たちと一緒にパーティに出席できるなんて、本当に幸せだよ。

それと今年のル・マン24時間のトヨタ。一番怖いのはトラブルで、しかもライバル不在だからトラブルなく完走すれば優勝という状況だったけど、その相手のいないというすごいプレッシャーと戦ってミスなく勝ったというのは良かった。24時間レースというのは、夜が明けた朝もやの中を走る時が一番感動する。昔で言えば、鈴鹿のレースで優勝した興奮のまま東京まで帰ってきて、ちょうど箱根を降りてくるような感覚かな。そんなシーンを思い出したね。それにしてもトヨタ優勝おめでとう!

今年は4〜5月にGTとフォーミュラで6つもレースがあって、スケジュール詰め込みすぎだよ。だから6月は多少リラックスできた。次のレースはGTタイラウンドだけど、移動は大変だしお金もたくさん出ていく。チームの負担も大変だよ。タイでGTをやる必要性は本当にあるのかなと感じる部分はある。代わりに国内でもう一戦増やした方がありがたいし、ファンも喜ぶと思うのだけれど……。

そのタイで開催される今回のレースは、チャンスだと思っている。前半の3レースでポイントを稼げなかったからクルマも軽いし、去年もトラブルやミスさえなければ最後まで優勝争いできたし、その以前の年だって3〜4位と相性は悪くない。今回は1点でも多く拾って、後半戦につなげたいと思っている。だからミスなく優勝争いに食い込んでいきたいね!

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